見出し画像

グローバル礼賛教育、性の多様性教育、自国を見失うことの危険【アイデンティティ・クライシス】

アイデンティティとは「自己同一性」と訳されることが多い。
これだとよくわからないが、簡単に言うと「自分が何者であるかという意識」である。

「自分は〇〇であり、何を大切にして生きていくべきか、何をしなければならないか」
こんなふうにつながっていく。

普通に生きていたら深く考えることはないと思うが、「自分が何者であるか」ということが実際の行動にも大きく影響するのである。

たとえば
「私は〇〇家の長であり、家族を大切にしたい。仕事を頑張って家族が健やかに暮らせるよう頑張る」
みたいな。

「自分が何者であるか」が抜けてしまうと、どう行動したら良いかわからなくなり、目先の利益(享楽など)を追いかけるだけの動物のようになってしまう。
分別のある「人間」として生きていく上で、「自分が何者であるか」という認識は大事なのである。

アイデンティティ・クライシス(アイデンティティ危機)とは何か。
ChatGPT先生のまとめ。

ーーーーー

アイデンティティ・クライシス(Identity Crisis)とは、自分が「何者であるか」「何を大切にして生きていくのか」といった、自己の存在意義や価値観に関する明確な答えが見いだせず、精神的に不安定な状態です。


1. エリク・エリクソンの理論

発達心理学者エリクソンは、ライフサイクルを8つの段階(心理社会的発達段階)に分け、それぞれの段階で達成すべき課題を提示しました。
思春期から青年期にあたる段階では「アイデンティティの確立 vs. 役割の混乱」が課題とされ、ここで十分な自己同一性(アイデンティティ)が確立されないと「自分は誰なのか」という混乱や不安が生じます。
これがアイデンティティ・クライシスです。


2. アイデンティティ・クライシスが生じる要因

  1. 社会的・文化的要因

    • 多文化共生やグローバリズムが進む中、自国の文化と異なる価値観に触れすぎることで、どちらを基準に生きるべきか迷いが生じる。

    • SNSなどの普及により、世界中の多様な情報に日々さらされるため、価値観が混乱する。

  2. パーソナリティの要因

    • 自己肯定感が低い、敏感で他者評価に左右されやすい性格の場合、より深刻なアイデンティティ・クライシスに陥るリスクが高い。


3. 主な症状・サイン

  • 自己否定感や不安の高まり: 「自分には価値がない」という感覚や将来に対する強い不安を抱く。

  • 将来設計の曖昧さ: 自分が何をしたいのか、どんな人生を送りたいのかがわからず、決断ができない。

  • 行動の不安定化: 転職や退学を繰り返す、極端な趣味や思想に傾倒するなど、行動パターンが急激に変わる。

  • 他者依存または孤立の傾向: 自分の判断に自信が持てないため、人に依存しすぎるか、反対に周囲から孤立してしまう。


4. 現代における特徴

  • SNSの影響
    常に他人の情報や成功事例と比較してしまい、「自分らしさ」を見失いやすい。

  • 多様性の尊重とのせめぎ合い
    多文化共生やグローバル化の流れで、多様な価値観を認めることは重要な一方、「自国の文化や自分のルーツ」と「多様な価値観」のバランスが崩れ、自己認識が揺らぐ人もいる。

  • 人生設計の難しさ
    働き方の多様化や生涯学習が叫ばれる中で、「いつまでに何をすればよいのか」という従来のモデルが崩れ、迷いやすい環境になっている。


5. 教育・社会との関係

  • 思春期のアイデンティティ形成
    学校教育や家庭教育の場で、自分のルーツや歴史、文化を知り、自分らしい自己表現を促す機会が少ないと、アイデンティティ形成が不十分になりやすい。

  • グローバル化・多文化共生とのバランス
    世界や他文化を知ることは大切だが、その前に「自分の国や地域の文化・価値観を理解し、自分自身の核となる部分を大切にする」というプロセスが重要。


まとめ

アイデンティティ・クライシスは、自分が何者なのかを見失い、不安定になる心理的状態です。
特に思春期・青年期に顕著ですが、年齢を問わず生じます。
教育や社会環境の側面から見ても、「自分が生きる世界」と「自分自身」をつなぐ軸を見つけることが重要であり、単に外部の多様性を受け入れるだけでなく、自国の文化や自分自身の価値観をしっかりと認識することで、過度な混乱を防ぎながら多文化共生やグローバル社会に適応できると考えられています。

ーーーーー

「公共」と「個人」について以前書いたが、公共にとっては大きくマイナスなことでも、個人の利益(金銭や享楽)を優先してしまう理由のひとつに、アイデンティティ・クライシスがある。
簡単に言うと、アイデンティティ(自分が何者であるかという意識)が弱く、自分の立場や役割を見失ってしまい、目先の利益を追いかける動物に近い状態になってしまうのである。
目先の利益の獲得が公共にとってマイナスである場合は社会的制裁を受けて自分が損をすることもあれば、自分以外の人を損させたりする。

人が目先の利益や享楽を追いかけることは否定しない。
根底は動物であり、利己的な本能を完全に消すことはできない。
だが、みんなが動物のようになってしまえば、社会は崩壊する。
そこで「私は人間社会の一員であり、今私が自分の利益を優先すれば私が生きている社会がおかしくなる(マイナスになる)。ここは抑えよう」なんていう意識が歯止めになるのである。

自国を想う心を失うこともこれと同じである。
問題は政治だけではない。

グローバル礼賛教育は「私は日本人である」という意識を薄め、自分が日本人であることに自信を持てなくなる恐れがある。
性の多様性教育は「私は男(もしくは女)である」という意識を混乱させ、自分の特性に合わない道を選ぶなど、トラブルを増やしてしまうだろう。
性的少数者が思春期に悩む理由も「アイデンティティ」だろう。
そこは配慮が必要だと思うが、全員に向けて「実は性はいくつもあるんですよ。あなたはどれですか?」なんて言ってしまったら混乱し、思い悩み、道を誤る児童を増やすだけだ。
「世の中にはいろんな人がいる。ちょっと変わった人がいても、普通と違うことを理由に攻撃したり、蔑んではいけない」
これぐらいで十分ではないか。
その理由は
「自分にもまだ気がついていない他の人と違うところがあり、他の人とちょっと違うことを理由に攻撃されたり蔑まれたりしたら困るでしょ?」
みたいな。

教育の分野にアプローチするのは難しいのだが、方法はある。
字数が多くなったのでまたの機会に。

いいなと思ったら応援しよう!