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荒みゆく世界【正義・怒り・孤独・諦め】自由であるがゆえの分断と孤独

選挙の結果はこの時点では出ていない。
自公過半数割れは確実、自民党、第一党の座からは落ちないが、立憲民主党が議席数大幅増。
国民民主躍進、維新は苦戦。
公明党は代表が落選。
日本保守党は1議席確保。
比例はまだわからない。

選挙はさておき、前に「現在と戦前は少し似ている」という話をしたことがある。
急成長のあとの停滞、不景気となったところに政治の不祥事などがあり、政治不信が高まった。
五・一五事件、二・二六事件などのテロが起きた。
そのテロは一部で賞賛された。
「悪い政治家をやっつけた!」という理由からであった。

外部環境は悪化しており、当初融和的姿勢をとっていたが、外国(中国)に居住する日本人が襲撃される事件が続くなどし、外国に対する嫌悪感情も増していった。
やがて新聞等のメディアをはじめ、世論は強硬論一色となった。
そして戦争となり、負けた。

戦後、主権を回復するが、本来他国に占領された国は対等に扱われないのが普通だ。
言葉を奪われ、抑圧され、奴隷のような扱いを受けるのがグローバルスタンダードである。
日本を占領したのはGHQ(ほぼアメリカ)であり、占領政策は独善的なひどいものだったが、他と比較するとまだマシだった。

アメリカからしたら、自分たちで占領するのも大変なので、独立させて味方としたほうが良いと判断したのだろう。

昭和初期と令和、まったく同じではないが、やはり少し似ている。
政治不信から新たな政治勢力が支持を伸ばしている(まだ数議席程度だが)。
自民への不信から立民に流れたが、立民では政治不信は回復できず、より深める可能性が高い。
政治とカネの追求は結構だが、経済政策がガタガタである。外交安保も危うい。
不安が高まっている中で軟弱な外交をすれば国民の一部が怒り、その怒りは拡散するだろう。

また、近年政治テロが多い。
安部元首相の暗殺、岸田前首相(当時は現首相)の暗殺未遂、今回も自民党本部に火炎瓶が投げ込まれた。
その他、今年4月には東京15区補選での選挙妨害、今回も立候補者への暴力事件があった。

全体的に世相が荒れている。
テロで政治を動かそうというのは言語道断。
暴力で政治を変えようとしたら民主主義である意味がない。

民主主義は手間がかかり、効率が悪い。意思決定も遅い。自由であるがゆえに意見が多様でぐちゃぐちゃになる。メンツを気にして誤りを認めなかったり、変に格好をつけようとしたり、目立とうとしてギャーギャーわめいてみたり、醜い。

理解の程度も人それぞれバラバラで揃わない。
何を目指すかもバラバラ、何を正義とするかもバラバラだ。
ある人の正義はある人にとっては不正義、もしくは悪だ。

だが独裁が良いとは思わない。
独裁体制では抑圧の中で生きなければならない。
一部に富と権力が集中し、大衆は押さえつけられる。

民主主義の意義の第一は暴力革命の否定だ。
当たり前のことなのだが、意外と根付いていない。きちんと教育したほうが良い。
政治テロが許されるのなら、効率が悪く、人の醜さを露呈させる民主主義などやめたほうが良い。
政治不信は政治家だけの責任ではないと私は思っている。

世間には憤りを煽る言説が多い。
いわゆる「裏金」もそのひとつだ。
違法行為であり、問題ではある。
今回、自民から離れた票の多くが立民に流れた。
政策からして「えー」なのだが、政策などあまり見ていない「ふわふわ層」の多くが立民、一部は国民民主に流れたのだろう。

投票率も低そうだ。
こちらは「諦め」だろう。
選挙など行っても仕方がない。政治など見ているより自分の人生の時間を有意義に使いたいのだろう。

民主主義は大きな要素であるが、限界がある。
みなが政治に詳しくはなれない。
日々の生活で忙しく、政策や主張など、細かく精査するなど普通はできない。
間違った政治家を選択し、政治がガタガタになっても誰も「自分の責任」とは思わない。

政治から離れるが、普通の人、壊れた人が増えている気がする。
政治に関する最低限の知識がなかったり、倫理観が崩壊しているなど、すべての人ではないのだが、人の精神も崩れてきている気がする。

倫理観・道徳観などが壊れ、個人主義の広がりにより、他者とのつながりが希薄になり、どこか孤独を抱えた人も少なくない。
その孤独を埋めるため、刺激を求める。
刺激とは極端な例は薬物だが、異性であったり、嫌な日常を忘れられるものだ。
そのひとつに政治もある。

政治と宗教は似た部分がある。
政治は「治める」「統治」であり、保守主義、社会主義、自由主義などいろいろな思想がある。
「こうであるべきだ」という思想のもと、政策などを打つ。

宗教には教義がある。
「こうしなければならない」と定めることで秩序を保つ一面がある。
宗教は信仰(崇拝する、信じて疑わない)するものだ。
政治思想も若干似ている。
保守主義、共産主義、自由主義、民主主義。
すべてそれを信ずる人は「こうであるべきだ」と信じて疑わない。
その人にとってはそれが正義なのだ。

また、その「主義」または「人」を信じ、その「主義」や「人」のために邁進することで「自分は世の中の役に立っている」「良いことをしている」という気になったりする。
それが傍から見たら悪いことであっても、その人間は「正義」だと思っていたりする。

前にも書いたが、これから荒れるだろう。政局だけでなく、世間全体が。
世界情勢は不安定さを増しており、国内にも閉塞感があり、徐々に怒りのボルテージが上がっている気がする。
日本だけでなく、他国もそれぞれ国内に問題を抱えている。
アメリカ、ヨーロッパも分断。
中国も経済が急速に悪化し、通り魔事件が増えている。

保守主義の原点は怒り狂った大衆の暴走を否定するところから始まる。
怒りは倫理観を吹き飛ばし、冷静な判断力を失わせる。
自覚があるのかわからないが、みな同じようなことをしている。
足の引っ張り合い、ある程度仕方がないが、ほどほどに。
本来の目的を見失わないことが大事だろうと思う。

あ、日本保守党、東海ブロックで1人通った。これで2議席。
あとは東京と近畿がどうなるか。

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