見出し画像

中央線の「七夕」と青梅線の「七夕」(5)

 
 商店街が祭りの中心の阿佐ヶ谷に比べ、福生の方はなんとなく「町ぐるみ」といった雰囲気。駅も大々的に七夕まつりを打ち出しているし、祭りの規制区域外でも七夕をアピールしています。
 町の規模が小さいということも、関係しているかもしれません。とにかくこの週末、福生は、七夕一色といった雰囲気になります。

 福生も阿佐ヶ谷のように、通りに並ぶ商店がいろいろと売っていて、活気があります、でもそれ以上に、屋台スペースが人を集めています。
 
 以前の福生七夕まつりは、メインの市役所通りにずらりとテキ屋さんが並んでいて、商店街はその付属品といった感じでした。
 でも今はテキ屋さんもなく、商店や周辺の住人が空きスペースに広げている屋台が主流となっています。駐車場や袋小路などが屋台村っぽくなっていて、大勢の人が溜まっています。
 
 ちょっと入っていきにくいくらいの混雑ぶりです。
 
 
 そして市役所近くの駐車場に毎年設置されるのが、地酒のコーナー。福生七夕まつりでは、おなじみになりました。
 
 祭りの目玉の一つです。

 福生の石川酒造と田村酒造が出している、試飲、販売スペースです。
 
 ここも屋台村っぽくなっています。幕で囲われたスペースの中、地酒を買ってテーブルでゆっくり味わえます。スタンディングですが、むしろ角打ち感があって、着席より合っています。でも、肘付いて飲んだくれている人はなく、みんなおしゃれに升の角をつまんで、ワインバーのような様相です。
 
 焼き鳥も焼き台で焼いていて、焦げたいい匂いに包まれます。
 
 
 こちらでは、まず入り口で、升を購入します。「購入し〼」と書いた方が雰囲気出るでしょうか。
 
 そしてその升を持ち、奥へと進みます。
 
 酒を注いでくれる奥のスペースでは、石川酒造と田村酒造が並んでいて、「どちらにしましょうか」と究極の選択を強いられます。
 
 一方を選べば、並んで立つもう片方を袖にしたことになり、なんとなく気まずさを感じます。キッと睨みつけられることはないですが、申しわけなさが胸の内にじんわりとわきます。
 
 ということで、2つ購入。そう、2つ買えば問題ないのです。ただこの行為にもデメリットがあり、なんとなく「策に嵌った感」がわきおこります。
 
 しかしまぁお祭りなので、ケチなことを言っても興醒めです。2つ購入すれば、味を比較できる楽しみもあるのです。
 
 
 スタンディングのテーブルに、こぼれないよう、そっとお酒を置きます。

 石川酒造さんの「多満自慢」と、田村酒造さんの「嘉泉」。
 
 交互に飲みます。そしていかにも試飲っぽく、ちょっと視線を上向きに、眉間にしわを寄せます。
 
 結果として、どちらも美味しいです。正直、クラフトビールほどのちがいは感じられませんでした。ただ、一方はすっきりで、一方はコクがあります。どちらがどちらかは、教えません。
 
 

 QRコードが、テーブルに置かれています。
 説明や案内も、このご時勢、ネットです。年配の人はあきらめてしまいそう。
 外人さんだと、「タマジ 男」と読んでしまいそうです。周囲で英語で会話している外人さんがたくさん飲んでいて、この案内も見ていました。読み方を訊かれてしまうのかと身構えていましたが、訊かれませんでした。
 

 日本酒の炭酸割も売っていました。これは昨年の、田村酒造と石川酒造が合同で行った蔵開きにも出ていました。
 蔵開きは秋で寒かったので、売れ行きもイマイチでしたが、この日はたくさん出ていました。飲みやすいので、スイスイ飲んでしまいそうで怖い一品です。
 
 この近くの市役所では、楽団のコンサートが行われていました。阿佐ヶ谷の方は、パール商店街の近くにある区役所で、特に催しものは行われていませんでした。
 
 やっぱり福生が「町ぐるみ」に感じたのは気のせいではなく、本当に町をあげてやっているようです。


 
 

書き物が好きな人間なので、リアクションはどれも捻ったお礼文ですが、本心は素直にうれしいです。具体的に頂き物がある「サポート」だけは真面目に書こうと思いましたが、すみません、やはり捻ってあります。でも本心は、心から感謝しています。