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東京で最も小さな花火大会(4)

 秋川橋を渡って、河原へ。
 
 この辺りは護岸工事がされていて、道路から入るとコンクリの護岸が敷かれています。ごろた石が転がる河原は、そのコンクリの一段下に広がっています。

 河原だと座りにくいので、コンクリート部分に腰をおろしました。
 
 暗いですが、駅に近いこの場所は橋や道路の街灯があるので、完全に闇というわけではありません。
 
 周囲には、たくさんの人たちが座っています。もちろん、ギッシリというわけではありませんが、それなりに人がいます。
 
 これが花火でなく、なにかの儀式で集まった人ならば怖いところですが、幸いにも、みんなが花火の話題で賑わっています。
 
 ここにきて、やはり花火大会があるのだなぁと安心できました。
 
 あとは、時間です。いつ、始まるのか?
 
 この、人の集まり具合からすると、そろそろのような感じがします。
 
 スマホを見ると、7時20分。きっと7時半スタートだろうと、持ってきたパンを食べながら待ちました。
 
 そしてパンを食べ終えた頃、ドーンという花火の打ち上げ音が、ちょっと遠めに聞こえました。
 

 暗い空を、一条の光が上がっていき、
 

 パッと開きました。
 
 本当に、花火大会があったのです。
 
 これほどまでに告知のない花火大会は、他に知りません。
 
(つづく)


 
 

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曠野すぐり
書き物が好きな人間なので、リアクションはどれも捻ったお礼文ですが、本心は素直にうれしいです。具体的に頂き物がある「サポート」だけは真面目に書こうと思いましたが、すみません、やはり捻ってあります。でも本心は、心から感謝しています。