「帝王賞」大万馬券。そして無料キャンペーン！
大井競馬の梅雨時の名物レース、帝王賞で大万馬券が出た。３連単２３８７９９０円。２００万馬券だ。１００円で２００万という、大万馬券。
「そりゃ競馬だから、荒れることもあるよ。ダービーだって天皇賞だって、そんな配当のときがあるじゃん」と、人は思うだろう。しかしこれは、極めてめずらしいことなのだ。
いや、めずらしいなどというものではない。帝王賞のこれまで４３回の歴史の中で、３連単の最高配当が１６１８３０円。日本に何万と名の付いたレースがある中で、帝王賞は最も固いレースのひとつなのだ。
なぜ固いのか？ 端的に言ってしまうと、２軍の中に１軍選手が入って競うレースだからだ。その２軍に当たる「地方競馬」が好きなぼくとしては言いたくないが、でも、そうなのだ。
そして１軍選手が勝つから、毎年配当が安くなってしまうのだ。
どんな競技団体にも、１軍と２軍がある。２軍と聞けば、まず野球を思い浮かべるだろう。しかしある程度の規模があり、選手を抱える競技団体であれば、必ず下部組織というものが存在する。
サッカーの「Ｊ２」は、知られるようになった。ワールドカップ出場後は野球を凌ぐ人気種目になっているので、３軍に当たる「ＪＦＬ」も盛んで、安定した参加チームを確保している。
競馬では、１軍が国のやっている「中央競馬」で、２軍が各自治体がやっている「地方競馬」に当たる。略称が、「中央競馬」がＪＲＡ（Japan Racing associationで、「地方競馬」がＮＡＲ（National Association of Racing）。毎週土日にフジテレビで放送しているのは、ＪＲＡの方だ。
テレビの力は大きく、中央競馬は発信力が桁違いだ。それが大きく影響して、馬券の売り上げが地方とは比べ物にならない。売り上げがいいので賞金が高く、だから素質馬はすべて中央競馬にまわる。
勝てば高額賞金が入り、また全国区に知れ渡る。素質馬が中央に入って当然なのだ。
平成に入ってしばらくしてから、地方競馬の大レースでは中央競馬との交流戦になった。それ以降、ほとんどの交流レースでは中央の馬が勝っている。勝つだけではない。上位をほとんど独占する。
なんで賞金と名誉を取られてしまうのに中央競馬の馬を参加させるのか。それは当然地方にもそれなりの利点があるからだ。まず大きいのは、中央競馬から協力金が出る。そして中央競馬の馬の方が全国区に知られているので、彼らが参加すれば馬券売り上げが上がる。
経営の苦しい地方競馬からすれば妥当な選択だろう。しかし、いい面だけではない。地方競馬の方が弱いと、万人に見せつけることになる。また、地方競馬のジョッキーたちは大レースで大負けを繰り返すことになる。悔しいだろうし、負け犬根性もついてしまいそうだ。
その地方競馬に思い入れの強いぼくとしても、いざ馬券を買う段になると、地方の馬をはずしてしまう。心情馬券として買うには、あまりに上位に来る確率が少ないのだ。
大井競馬のビッグレース「帝王賞」は、品川区という近さ、地方にしては賞金の高い南関東、６月という中央競馬のダート馬が使いやすい時期、という条件が揃い、中央の実績馬がこぞって出てきてしまう。それでほぼ毎年、中央の人気馬が上位を独占してしまうのだ。だから３連単で１００円台もめずらしくなかった。
それが今年、１着４番人気、２着１０番人気、３着６番人気と大荒れになった。
１着と３着は中央競馬の馬だったのだが、７頭参加のうち、わりと人気のないのが来た。しかし問題は２着馬で、複勝２０００円つける９歳馬が飛び込んできたのだ。
ちょっとアレなのは、元中央競馬の馬だということだ。純粋な地方馬というわけではない。しかし、地方のジョッキーが上位入線の感触を味わえたのだ。これは地方ファンにとってはうれしい。また、馬券圏内にまでは届かなかったが、４着には純粋な地方馬が入った。８番人気だったので、これが３着だったらもっとすごい配当だった。
ぼくは、「帝王賞」は一度として大荒れしないレースだろうと思っていた。と思いつつも、地方びいきが消せずにこの２着馬をちょっと押さえていた。ワイドで２着３着の１２９５０円。ルメールとのワイドで万馬券というのもめずらしい。それほど、『地方馬』というのは馬券の検討から除外される存在なのだ。
帝王賞大荒れを記念して、ぼくの電子書籍を２日間、無料キャンペーンすることにします。
７月３日、４日の２日間。おそらく３日（土）の１７時くらいから、amazonのサイトが無料に変わるかと思います。
北関東にあった地方競馬を旅打ちする男が主人公の小説。コミカルな面が多々ある放浪記、といった感じの内容です。もしよろしければ、ぜひ！
Kindle Unlimitedにも対応していますので、会員の方はそちらでもご利用ください。
いいなと思ったら応援しよう！
