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昨年のこの日
1月20日というのは自分や身内の誕生日でもないし、特段印象的な日ではなかった。しかし昨年のこの日、1月20日が『一駅分のおどろき』というショートストーリーのコンテスト発表日で、送った投稿が優秀作品に選ばれたおかげで、印象に残る日に変わった。うれしいなぁと1人パソコンに向かってよろこんだのが、ちょうど1年前のこの日。コンテストを開催してくれた『カドブン』さんと『note』さんには感謝しています!
選ばれたぼくのショートストーリーは将棋の話で、現役最強の名人が「棋士代表」として、ある者と対局する。負ければ棋士というものの存在意義がかすんでしまうことにもなりかねない、大一番。長編にしてもいいようなテーマだけど、言葉を削って削ってショートショートとして完成させた。
一昨年の11月に応募開始となったこの賞には、とてものめり込んだ。数えてはいないけど、20作くらい投稿したと思う。だから、もしかしたらぼくの入選は投稿数を増やしたことへの敢闘賞かもしれない。でもまぁ、投稿をしていたときの気持ちの中に、もっとショートショートが盛り上がってくれるように、という気持ちがあったことも確かだ。子ども時分からショートショートが大好きだったのだ。
人生で初めて出版社から原稿料というものをいただいたのが、『星新一ショートショートコンテスト』。高校生のときだったと思うけど、ぼくが賞を知ったときには年1回の公募ではなく『小説現代』誌のコーナーになっていて、月に5作程度選ばれるというカタチ。掲載された作品はショートショートとしても短く、原稿用紙2枚ほど。それで2万円というのは、今に至るまで最も割のいい稿料だ。半分母親に渡して、半分は彼女に帽子を買った。2000円ほど残ったので、記念になるようにと『THE VELVET UNDERGROUND & NICO』を買った。元々持っているアルバムで、贅沢にも「シールはがし用」としての購入だ。掲載雑誌は取っといたはずなのだが、いつの間にかなくなっている。だからいつ入賞したのか分からない。夏だったような、うっすらとした記憶があるだけ。
こんなことを書いていたら、なんとなく読みたくなって、ヘンリースレッサーの短編集を取り出してしまった。書いているとその内容でいろいろ頭が働きだして、文章の進行が止まってしまう。
cakesのサイトとカドブンのサイトに掲載されたのは数日後だったが、掲載日よりこの日の方が印象に残っている。またnoteさんでショートストーリーの企画があったら、多くのエネルギーを注ぎこもうと思っています。
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