中央線に乗って、「夏越の大祓」へ(中編)
豊田駅を降りてからしばらく線路が見えない道を歩き、再び線路伝いに出る。電車好きとしては、やっぱり線路に沿って歩く方がいい。踏切の音が鳴り、しばらくすると中央線が横を通過していく。足を止めて、それを金網越しにぼんやりと見つめ、そしてまた歩きだす。
一本、入っていく道があり、線路伝いの道から覗くと神社らしきものが見える。目的の若宮神社だろうか。
なんとなくゆっくり近づいていく。厳かな場所に向かっているので、どうしても様子を見るような足の進め方になってしまう。騒がしく乗り込むと、ジロッと大勢の目に睨まれてしまいそうだ。
やはり目的の若宮神社で間違いなかったが、意外な静まりようだった。ポッドキャストで聴いたところでは、夏越の大祓という行事は毎年、大晦日よりも列ができているとのことだった。それに、『中央線が好きだ』のホームページにだって載っている。だから、かなりの列ができていると予想していた。それで開催時間の10時前に到着するように、家を出てきたのだ。
年配の男の人たちは地元民らしく、皆で話している。それを囲むように、女性や若い人が。しかし全員合わせて20人~30人くらいで、ぽつりぽつりといった感じ。本当にここなのか? もしかしたらここは分家でもっと盛大に本家でやっているのではないか、などという疑念もチラッとわく。指もチラッと写る。
開始時間まで、しばらく神社の中を歩く。こちらは線路への方面とは逆の方。ちょっとした高台になっていて、神社から豊田駅周辺の眺めが見える。
石段まで行かず、ちょっと引いた方が広く見渡せる。豊田周辺は北から南に向けて低くなっている。
石段を下り、下から撮影。
神社の案内板。
歴史を感じる。365年というくらいが、「2000年の歴史がある」と言われるより、作り物感、でっち上げ感がなくて、より歴史を感じる。
そして、
定刻10時となり、宮司さんが出てきて、「芽の輪」に対して整列が始まった。
(後編につづく)