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中央線の「七夕」と青梅線の「七夕」(2)

 
 
 七夕祭りといえば、短冊などの「飾り付け」です。場所によっては、その出来栄えを競ったりもしています。たしか福生の七夕でも、賞を設けていたような……。
 
 
 福生も阿佐ヶ谷も、七夕まつりならではの、ひらひらがたくさん付いた「飾り」が、たくさんたくさん、頭上に舞っています。
 
 
 それは、まず、訪れる人がすぐ目にできるよう、駅から始まります。

 こちら、福生駅前の七夕飾り。
 
 改札前にも東口にもありますが、この西口駅前が、格別に華やかです。
 

 こちらは阿佐ヶ谷駅。
 
 駅前ロータリー全面に飾られている福生に対し、阿佐ヶ谷は改札前だけ。ロータリーには、

 こちらの、案内を兼ねた「飾り」のみとなっています。
 
 これに関しては、福生に1票と思いたいところ。なにしろ、青梅線沿線で育ったので、どうしても福生贔屓になってしまいます。
 
 でも、駅の規模がちがうので、単純には比べられないところでしょう。
 福生は小さな市で、町を上げて祭りに力を入れられますが、阿佐ヶ谷は人口密集地で面積の広い杉並区にあるので、駅周辺を祭り一色にはしにくいようです。

 とにかく阿佐ヶ谷の七夕の方は、訪れる人の数がちがいます。福生の倍近い人数。
 新宿から近く、中央線が通過してしまう土日でさえ、「総武線」「東西線」「丸の内線」の3線が、祭りの最寄り駅となります。
 福生は青梅線1本。路線数も、運行本数も、かなりの差があり、利便性がちがいすぎます。
 
 負けているのは、祭りの開催日数も。
 阿佐ヶ谷は、上の提灯でも分かるとおり、なんと6日間開催です。
 福生は、3日間。これもまた、ダブルスコアです。
 
 福生は、コロナ前は4日間開催でした。毎年、8月1週目の木曜から日曜まで。
 周囲の祭りは、土日の2日間開催。子どもの頃は、「最大級の祭りだなぁ」なんて思っていました。我が町ってすごい!、という感じで。
 でも上には上があって、阿佐ヶ谷の開催日数を知ることになります。
 
 これはでも、開催場所の問題が大きく関わっているように思えます。福生の方はメインの市役所通りで行うので、そう長期間、通行を止められません。
 しかし阿佐ヶ谷は商店街で行うので、車の渋滞を引き起こさなくて済みます。
 
 
 その阿佐ヶ谷、商店街での開催ということで、もう一つ、利点が生まれます。
 
 それは、雨が降っても大丈夫ということです。
 
 阿佐ヶ谷のパール商店街は、アーケード街になっています。透明の屋根があり、日中はちゃんと光が届き、雨が降ればさえぎってくれます。
 
 これは大きな特色です。夏祭りは、雨が最大の悩みなのです。
 雨が降れば傘で手がふさがり、販売数が極度に落ちます。さらに、夕立は雷も鳴るので、お客を一掃してしまいます。
 
 屋根があるというのは、祭りの開催にとっては、すごい利点なのです。
 
 実際、今年の福生は、2日目の夕方に土砂降りで一掃されました。しかも、雷が去ってもカラッとはいかず、雨が残って人が戻りませんでした。
 
 ただ、商店街にも欠点があって、道幅が狭くて混みあい、買ったものを飲み食いするのに苦労します。
 
 阿佐ヶ谷の七夕を歩いていて、ちょっと不思議な光景を見ました。
 商店街からの小道沿いに列のようなものができているのです。なにかに並んでいるのかなと思いましたが、単に路地に入り込んで飲み食いしているだけでした。
 そこでこそこそと(というふうに見える)、買ったものを食べているのでした。
 
 路地の多くは店舗の側面になり、お店の人や客と目が合います。また、クーラーの室外機も置かれている場所です。けっして食べやすい場所ではないのですが、他にこれといったポイントがないのです。
 
 商店街の人が気を利かせているのか、ところどころに椅子も置かれていましたが、人の数が多くて、とても足りないのです。
 
(つづく)

書き物が好きな人間なので、リアクションはどれも捻ったお礼文ですが、本心は素直にうれしいです。具体的に頂き物がある「サポート」だけは真面目に書こうと思いましたが、すみません、やはり捻ってあります。でも本心は、心から感謝しています。