秋川探訪
つげ義春さんに『秋山村逃亡行』という名旅行記があるが、こちらは秋山ではなく秋川で、逃亡ではなく探訪だ。
パン屋さんでランチを食べたあと、バスで福生まで出ようかと思ったのだけど、ローカルバスで本数がない。だいぶ待つので、また秋川駅に向かいました。
出かけたときは、せっかくだから行きと帰りはちがうルートを通りたい思いがあります。でも田舎に向かったときは、どうもそれがままならない。交通機関が貧弱なので、選択肢が限られてしまうのです。
行きと同じように、またローソンの前を通って、ワークマンを見て、オザムをすぎてと、同じ景色。ただ、行きとちがうのはその時間帯です。これが変化をつけてくれました。
あきる野ルピア1階にある、たい焼き屋『ウッディセブン』さんの美味しくて大きなたい焼き。残念ながら食べてから「あっ写真っ!」とよくある失敗をしてしまったので、半身です。
こちらは、営業が13時から。行きも覗いてみたのですか、まだ閉まっていました。この時間ならではの、秋川駅前の楽しみ。福生に出なくてよかったです。
1日500個限定の、行列ができる有名なたい焼き屋さんです。ご主人は、以前は正装して焼いていました。福生駅前にあった焼き鳥屋さんもネクタイをして焼いていましたが、東京西部はそういった気質の人が多いのでしょうか。今、ご主人は白衣で焼いていますが、その雰囲気が、とても実直な感じの、ご商売に真摯に向き合ってきたんだろうなと想像できる方です。会計をされる奥様は朗らかな感じの愛嬌のある方。ずっと長く元気に、美味しいたい焼きを焼いていってもらいたいなぁと思います。
こちらのたい焼きは羽根つきの形ではなく、魚の形なのに巨大。つまりは、餡子もたっぷり入っているということです。それでいて、1個130円。寒い冬でもみんなが並ぶというその事実で、味は分かるかと思います。
時間帯がよかったので、今日はすんなり買えました。そこから駅に。
駅前の交差点で、ちょっと立ち止まります。この駅前交差点の角に『ボア』というレストランがあって、子どもの頃に、なにかのお祝いのときによく連れてきてもらったのです。かけっこで1等賞獲ったときとか、通信簿が前学期よりよかったときとか。そんな思い出の残るレストランは、なくなっていました。建物は残っていたのですが、今はカレー屋さんになっていました。
秋川駅、反対側はさびれています。大きな道も商業施設もありません。ちょうど電車が行ってしまったので、ちょっと近くを歩いてみました。
通路から見た感じでは、どちらも変わりません。ただ階段を降りると、車がなく、静かでした。
駅前のお店、雰囲気がよさそうなので寄ってみました。
表に見える形で、テイクアウトの品々が写真付きで紹介されていました。とても美味しそうでしたが、なにしろパンを2回お代わりして食べてきたばかりなので、コーヒーだけテイクアウトしました。
機会を見つけて、お料理をテイクアウトしてみようと思います。
ホームに降り、間もなくやってくる電車をぼんやりと待ちます。ずっと青梅線沿線に住んでいるぼくは、五日市線というのは、感覚的には仲間のようなもので、もっと言うと親戚のような感覚です。沿線に親戚もいるし、沿線のカワイ子ちゃんと付き合っていたこともあり、よく利用してもいました。長く、愛着を持っている路線です。
今、青梅線の青梅以降を『アドベンチャーライン』と名付けてJR東日本が観光に力を入れています。でも五日市線も合わせて推してもらいたいなぁと思います。
五日市線の車窓は、青梅から先の青梅線のように、一面緑というわけではありません。でも都心より稜線が近く、澄んだ空気を感じられます。利点としては、奥多摩に行くよりもわりあい手近な感じで乗りに来られます。
ちょっと時間があったら、拝島駅からの6駅を味わってみてください。