姿見の池(1)
中央線と武蔵野線が十字に交わる、西国分寺駅。その駅のすぐ近くに、池があります。
場所は、西国分寺の駅から東に向かってちょっと行ったところ。「こんな駅の側に!?」と思ってしまうほどの、駅からの距離です。
その周辺は緑地帯で、山道を歩いているよう。中央線の線路沿いですが、樹々が音を消してくれるのか、とても静かです。当然、舗装してありません。
山道を歩き、道沿いに下っていくと、その池はあります。
姿見の池。
正直に言ってしまうと、澄んでいるわけではありません。きれいではないです。でも、この場所を考えると、それなりにきれいに映ります。また、のどかにも感じます。
のどかに感じるのは、この子のおかげでもあります。
鴨さん。1羽だけでなく、数羽います。鯉の次に、マジョリティを形成しています。
そのうちの1羽と、目が合いました。すると水面から飛び立ち、
すぐ近くにやってきました。
けっこう大きい。首だけこちらに向けて、じっと見つめます。
こちらも、見つめます。
しばらく、見つめ合いました。
見つめるのに飽きた鴨さんは、毛づくろいを始めました。
適度な距離感が、心地よい。
こちらも鴨さんから視線を外し、池で泳ぐ鯉を見つめました。
すると、橋の下に鯉が集まってきました。
単なる池だけなら、さほど充実感は生まれなかったでしょうが、近付いてくれる生き物が、ここに来た充実感を高めてくれました。
しばらくここですごし、池をあとにしました。
(つづく)
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書き物が好きな人間なので、リアクションはどれも捻ったお礼文ですが、本心は素直にうれしいです。具体的に頂き物がある「サポート」だけは真面目に書こうと思いましたが、すみません、やはり捻ってあります。でも本心は、心から感謝しています。