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推しにときめく?恋の予感?kilig
よく勘違いする人がいるんだけど、Apple=りんご、みたいに全ての外国語を日本語に置き換えられると思っている人。あるいはその逆も然り。
○○って英語でなんて言うの?と聞いて、同じ一言で返ってくると思っている人。
たしかにそのまんま訳せる言葉もある。Hello ハロー→こんにちは、みたいな。
でも、よろしくお願いします→そのまんまの訳はない。
その状況に応じて、表現が変わってくる。
日本語のよろしくー!は
初めまして、これからよろしく、にも
ややこしい仕事たのんでごめんね、よろしく、だったり
今日は社長がいないんだね、よろしく伝えといて、
これに当たる表現、単語は状況で変わってくる。
「翻訳できない世界のことば」は世界中のそれにぴったりの訳がつけられないようなことばを集めている。絵もことばも優しく可愛い。
この中でフィリピンのタガログ語のkilig が取り上げられている。
お腹の中でチョウチョを飼っているような気持ち、と表現されている。
力を入れると潰れちゃいそうなチョウチョがお腹の中でふわふわと暴れている感じ。もっとわかりにくいか⁈笑
1:09あたりを聞いて欲しい。
札幌で撮られたフィリピン映画『kita kita』
Hindi ako kinikilig! Hindi!!
聞き取れました?
この映画は精神的なショックで一時的に目が見えなくなった日本在住のフィリピン人女性が優しいフィリピン人男性と出会って、もう一度恋に近づいていくけど…というお話。
この1:09のところの字幕では、大げさに感情をだしてないよ、となっています。
余談ですが、フィリピンの映画の字幕はタガログ語の台詞→英語に翻訳→日本語の字幕、というプロセスを経ることがほとんどです。また、映画の字幕は字数制限もあるので、意訳をぎゅっとつめるので、むずかしい。
もし、kilig という単語の意味を前面に出すなら
ときめいたりなんかしてないから! とか
ドキドキなんてしてないわよ!
胸キュンなんてしてない!(胸キュンって死語?笑)
というイメージが、Hindi ako kinikilig! になります。
ちなみにhindi は否定形を作っています。なのでkiligのドキドキ、素敵な人やモノを見たり感じたりして、こころがウキウキする感じを、そんなこと全然ないから―!って照れて否定している感じ。
文法的に説明すると、
kilig をin動詞活用しています。kikilig, kinikilig, kinilig
例えば推しがファンサで手を振ってきたら
Kinikilig ako!! キニキリッグ アコ! 萌える!
でも、ちょっとさっき声かけてきた彼、あなたに気があるんじゃない?
まんざらじゃないでしょ?? なんて友だちに冷やかされたら
Hindi ako kinikilig! ヒンディ アコ キニキリッグ!
全然ときめかないわ
なんて感じで使えます。
フィリピンで推しができた日にはぜひ使って。
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