【全文無料】文芸誌Sugomori1周年記念の座談会【後半の部】
オンライン文芸誌「Sugomori」が1周年を迎えたことを記念して、これまでについて振り返る座談会を行いました。2年目となる文芸誌Sugomori、ゲスト作家募集の経緯や、掲載作品からオススメ作品もピックアップ! まさかの発言も飛び出した記念すべき座談会となりました。最後までお楽しみください。(2021年6月25日オンラインで開催:編集小野寺)(後半の部)
◆ゲスト作家の募集をした経緯とは?
小野寺:それでは、すでにオンラインの打ち上げでも、お話出た部分でもありましたが、これからの文芸誌Sugomoriについて、お話をしていきたいと思います。
ゲスト作家さんも、7月号から参加するとのことで、どんな方がいらっしゃるのでしょうか。
ふくだ:ひとりひとり、オンラインでお話させてもらったんですけど、やっぱり個性的な方が多いな、という印象ですね。こういうところで書きたいと自ら申し出てくださる方は、何かしらの芯があるというか。やりたいこと、書きたいこと、目指すところがはっきりしているように思います。
小野寺:文芸誌Sugomoriとしての雰囲気や、ブランディングなどに影響はするんでしょうか?
ふくだ:ブランディング、本人たちがイマイチ気がついていなかったところもあるので(笑)、また良い方向へアップデートされていくところもあるんじゃないんかな~と勝手に期待しています! 基本、みんなやりたこいとやろ! って感じですし。
小野寺:そもそも、ゲスト作家をお呼びした経緯とは?
ふくだ:んー……単純に新しい方が入ることで刺激にもなりますし、下心だと、新たな読者さん連れてきてもらえたらいいな、って(赤裸々)。
小野寺:(笑) 自分でも今まで以上に、面白いものを書きたい気持ちが沸いてきます。書き手にとっても、読み手にとっても、ますますの刺激になりそうです。
中馬:11月の文学フリマでだす次号の厚みも増しそうで、楽しみです~
柳田:毎月の更新もより、濃いものになっていきそうで楽しみですね
◆2年目の文芸誌Sugomori、目標は
小野寺:はい、今後「文芸誌Sugomori vol.2」の発売も決定(文学フリマ11/23に販売予定)しています。
赤裸々な発言も飛び出したところで(笑)物書きメンバーのこれからの書きたい作品や方向についても、聞かせてください!
誠樹:私は保護犬を飼い始めて、文フリでも「令和三年の保護犬事情」を書いたのですが、どーもこの手のテーマって説教臭くなるというか、悲しいトーンになりがちなので、エンタメ的に面白く読めつつ示唆に富むようなものが書きたいなあと模索してます〜
ふくだ:どうしても暗い、裏がありそうなキャラクターやお話を書きがちだったんですけど、少し疲れたので(笑)ハッピーな話、ほのぼのとしたものを文芸誌Sugomoriでは書いていきたいですね。ハッピーエンドって書くのが難しいのでつい敬遠しちゃっていたんですけど、もう少し読んだ人の気分が良くなるようなものを書けるようにがんばりたい。
柳田:何かしらの仕掛けを毎回作ろうと思うと、なかなか労力かかりますよね…!
誠樹:ふくださんの「ご注文は承っておりません〜」シリーズは確かに読むと気分が良くなります。このお店はどこにあるんですか。マジで頼みたい(切実)
ふくだ:よかった~! 実際に出張料理人の方に取材したことがあって、その人の話がベースになってるんです。とにかく誰かが作ってくれたごはんがおいしくて、ほんとにひとりで食べながら泣きました(笑)
誠樹:リアルに感じられるのは実体験だからなんですね。いいなー。私も頼んでみたい!
ふくだ:あとでこっそり、その方のお名前お教えしますね!
誠樹:ぜひ!あ、ふくださんのごはんもお待ちしております♪
中馬:なんだろう……(笑)
Sugomoriに寄稿させてもらっているミステリーは、コツコツ続けていければと思っています。
それとは別にSugomoriの面々が頑張っているのを見て「いいなぁ~」と思ったので、個人誌の制作を始めました。今年中に1冊は完成させる予定なので、それを頑張ります。
ふくだ:さりのさんの個人誌めっちゃ楽しみです~!
誠樹:うわああ、個人誌楽しみです〜。個人誌で似たテーマのメンバー同士でコラボとかもしてみたいですよね。
中馬:(思いのほか反応いただけてびっくりしてますw)
似たテーマのメンバー同士でコラボ、面白そうですね!
柳田:去年も連作短編小説『明日誰かに言いたくなる食べ物の話』を書いていたのですが、正直に言うとメロンをお題にしよう、とひとまず第1話を書いたので最初は連作にするつもりはなかったんですよね。だから、今年は最初から連載の形で長編を書いてみよう!と。なので今連載中の『たい焼き屋のベテランバイトは神様です』は書き始める前にそこそこキャラクターの設定と全体の流れは考えたので、どうにか書き切りたいですね!
誠樹:柳田さん、毎回意識的に違うものに挑戦されているのがすごいと思います。ちゃんと公募も念頭に、Sugomoriでは好きな創作をしていて、両方が相互に影響しあっている印象です。
柳田:筋トレだと思って毎回書いてるのでw 筋トレも「今、この筋肉動かしてる~!」って意識しながら動かした方が効果が高いと聞いたので。
舞神:私は手癖が悪くて、似たり寄ったりの作品にならないように気を付けなければと自分で読み返して反省しています。
小野寺:6月は編集長でお休みをもらったので、秋以降になりますが連載にチャレンジしてみたいですー(投げ)
ふくだ:投げた(笑)
誠樹:投げないで笑
柳田:未来の小野寺さん、頑張ってw
◆最後に。自薦&他薦問わず!今からの読むのにおすすめの作品は
小野寺:(気を取り直し)それでは!!!最後に、自推&他薦問わずで、過去作品から読者の方へのおすすめの作品をお聞かせください。
誠樹:好きな作品はいっぱいありますが、印象深いのは舞神さんの「令和3年の兄弟ゲンカ」ですね。うちの親戚が男兄弟ですごく仲悪くて分かるー。令和3年の世相だと、肉親の死でもこういう風にドライに過ぎつつ心の澱として残る感じ。
舞神:ありがとうございます。
誠樹:あと、ふくださんの「お高いあの子シリーズ」。noteの無料・有料のレトリックを生かして、前後でまったく印象の違う小説を仕上げているのがお見事。登場人物が絶妙にみんな自分勝手。これは絶対私は書けないだろうなあ。
ふくだ:てへへへ……(褒められ慣れてない)
小野寺:悩みますね……えーっと。中馬さんのぽぶ、ぽぶろの殺人事件……。言えない。「ポワブロン殺人事件」でした。ドラマを見ているようにサクサクと進んでいく描写と展開が見事で、探偵小説の魅力がめじろおしです。
中馬:なんか……性格上の難なんですけど、1つしっかり書くと、2つめは前作を超えなきゃいけないプレッシャーを勝手に感じちゃうんですよね……(笑)
でも、そう言ってもらえるならガンバロウ……ガンバ……ロ……ウ。
誠樹:ギリギリまで粘ってますもんね笑。
ふくだ:えっ、すばらしいじゃないですか。2作目期待。。
ふくだ:私は小野寺さんの「令和3年の幽霊たち」ですね。「そうきたかー!!」っていうので目からウロコだった。すばらしい作品だと思うし、ぜひ今の時代にこそいろんな人に読んでもらいたい小説ですね。…って小野寺さん本人には何度も言っちゃってますが(笑)
小野寺:デュフフフ(褒められ慣れてない)
中馬:えええぇぇ、ひとつに絞ろうと思うと難しいですね……!
誠樹:既に二つ言いました。あれ、ダメ笑?
柳田:確かにひとつに絞るの難しいですね…作家さんひとつずつの推し作品を言いたい…じゃあとりあえず1作品!私は以前ゲスト作家として寄稿してくださった深本ともみさんの『貝の骨』です!私は深本先生の匂い立つような世界観がめっちゃ好きなんですが、貝の骨はその中でもそことそこの点が繋げるのか…!という驚きと共に冬の潮の香りを感じてすごく好きです…。
中馬:あ~、わかります。わたし、深本さんの『菌類愛好者(マイコフィリア)のみる夢』も、好きだったなぁって思ってました。
誠樹:私もキノコのお話好きです〜(キノコで済ますな)
柳田:菌類愛好者も登場人物みんな変人でとても良かったですね…
誠樹:私、元山岳部なのでキノコの危険性は他人事でないのです。
中馬:あと、わたしふくださんの“お高いあのコ”シリーズは毎回「ふぉぉ」ってなりながら読んでます(笑)なんて言ったらいいんだろう、上品なんですけどツヤっぽくて、キュンが欲しい夜中に読むのがおすすめです!
ふくだ:ふぉぉぉ…(褒められ慣れてなry)
柳田:あと、舞神さんの『冷めた串銀杏』と誠樹さんの『薬膳の料理人~馬鈴薯奇譚~』好きです。銀杏目線で語られるってところで私は「すげぇ…!」と感動し、馬鈴薯奇譚では(どうなるんだろう~)とドキドキしつつ読み進め、こんなに登場人物出して綺麗に収集つけつつ、オチもいい…!すごい…!って感じでした。
誠樹:馬鈴薯奇譚は、柳田さんがすごく丁寧に校閲してくださったので助かりました。見切り発車で書いてたので(おい)、もろもろ突っ込んでくださらなかったら纏まってなかったです。
柳田:確かにこの月、編集長だったので読んだ作品への思い入れは他の月より強いかもですw
誠樹:編集長お得意じゃないってことなんですけど、時々、柳田さんに校閲してほしいなーと思ったりします。公募作も本当、助かってるので!某最近の公募作もすっごく助かったし!!
柳田:校閲は嫌いじゃないんですよ!ここから進化していく気しかしない!って作品を読むの楽しかったりするので(あと自分の勉強にもなるので…)
舞神:私は波野發作さんの『枯れる枝豆』が好きでしたね。波野さん=SFの人っていうイメージが強かったんですけど、全然違う作風で驚きました。田舎道の描写や会話がすごくリアルで、枝豆が大豆に変化する事と人間の若さみたいなのがかけ合わせる題材として上手かったなと思います。
小野寺:もう一度読み直したくなりました。
ふくだ:薬膳の料理人はほんと大作の予感しかしなかったですよね。
小野寺:ほんとですよね!!!スピンオフや次作の構想もあると裏で聞いていて、わくわくが止まりません。
中馬:薬膳の料理人は揃えたくなるシリーズですね!
誠樹:褒められ慣れてないので、zoomじゃなくてよかったです。ゆるゆるの顔がヤバイ。そして構想だけで一切なにも完結してない涙
ふくだ:褒められ慣れてない人たちばっかりだな!笑
小野寺:それでは、このあたりで座談会はお開きということで。リンクから飛べるようにしてありますので、本文をさかのぼっていただきつつ、引き続き文芸誌Sugomoriの作品をお楽しみください。
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました。2年目の文芸誌Sugomoriもどうぞよろしくお願いいたします。
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