【鉄血】シノヤマとは、呪われた男と呪いを解きたいと願った男の物語【考察】
2023年の思い出は?と聞かれると、鉄血のオルフェンズにハマったことだとわたしは答えます。
それほど心を動かされ、何度もみた大好きな作品です。
その中でも、作品中のシノとヤマギの関係性が大好きです。
ただ、45話でシノは命を落としてしまいます。
それが悲しい物語に思えて仕方なかったのですが、最近になり「そうではなかったのかも……」と思うことができました。
そう思うに至った感想・考察をまとめていきたいと思います。
①シノヤマとはどのような物語だったのか
わたしはシノヤマを、呪われた男と彼の呪いを解きたいと願った男の物語と定義します。
呪われた男はシノ、呪いを解きたい男はヤマギです。
なにポエム言うとんねん!と思われるかもしれませんが、これから解説していきたいと思います。
②シノにかけられた呪いとは?
まず、シノにかけられた呪いとは何なのか?
それは死を当然のように受け入れる呪いです。
この呪いは他の団員もかかってると感じるのですが、シノにかけられたのはブルワーズ戦のときです。
ブルワーズ戦のあと、三日月とシノの間で次のようなやりとりがあります。
その後、死んだ仲間を弔う葬式が行われるのですが、そこで、ヤマギは氷の華を咲かせます。
そしてシノはヤマギにお礼を伝えに行くのですが、こんなことも言います。
ヤマギは嫌そうな顔をして、暗に死んでほしくないと伝えるのですが……。
シノはこの時すでに呪いにかかってます。
「俺のせいで……」
「自分が死んだほうがマシ」
シノはそんな風に思うようになっているので、ヤマギの回りくどい言い方は響きません。
③呪いを解く方法とは?
では呪いを解く方法はどんなものなのか?
それは、
「あなたが生きているだけで十分だ」
「命をかけて戦わなくてもあなた自身が大好きだ」
これを伝えることだったのではないかとわたしは思います。
そして、これを一番説得力をもってストレートに伝えることができたのは、シノに恋愛感情を抱いていたヤマギです。
しかし、これには大きな障害がありました。
④呪いを解くため際の大きな障害とは
一期のシノって、ドドドドドドノンケにしか見えないんですよね。
おっぱいと女が大好き。
そんなシノを見てムッとするヤマギ……。
そんなシーンが何度か見受けられます。
ヤマギの前髪は、恋心を隠すことのメタファーだとわたしは考えているのですが、なぜ隠さなければならなかったのか?
それはシノがどうみてもノンケにしか見えないからです。
女好きの彼に思いをしられて困らせたくない……。
ヤマギのそんな健気な思いが大きな障害となってしまっていたのです。
また、シノは恋愛感情を知りません。
10話のユージンとのやりとりがかなり印象的です。
とんでもないおっぱい星人です。
落ち込んでる団員にやさしい言葉をかけるなど、他人の感情には目ざとい方だと思うのですが、恋愛に関してはこれです。
ですのでヤマギの気持ちに気付くワケもなく、物語は進みます。
しかし、物語が進むにつれ、シノも成長します。
(タービンズや、三日月とアトラ、雪之丞とメリビット等…… そういった関係性を目の当たりにして学習?したのかなと思います。
鉄華団のお互いに影響を与え合ってる感じが家族みを強く感じられてわたしは好きです。)
ついにヤマギの気持ちに気が付きます……!!
⑤ヤマギの気持ちに気付いたシノ
ついにシノはヤマギの気持ちに気が付きます。
個人的には、モビルアーマー戦での相乗り時に気付いたのでは?と思っています。
コックピットが大きく揺れ、シノはヤマギを抱きとめようとするのですが、ヤマギはシノの肩を押して距離を取ります。
それをシノは「ん?」という顔で見ます。
シノからしたら大事な家族。
しかも、男同士でなんてことも無いことなんでしょうけど、ヤマギからしたらたまったもんじゃないです。
あと、考え過ぎかも?とは思うのですが
モビルアーマー戦は、モビルアーマーにガンダムフレームだと気付かれないように戦わなければなりません。
この気付かれずに、近付き過ぎないように、というのがなんとなくヤマギの感情とリンクしているようにわたしは感じます。
そして結果的に気付かれまいとし過ぎて気付かれてしますのですが……。
(そこがヤマギっぽくてわたしはめちゃくちゃ可愛いなと思うのですが。)
⑥結論:シノの呪いは解けたのか?
呪いは解けたとわたしは思います。
というのも、最後の出撃前のシノヤマの会話は以下のとおりです。
少なくとも死を当然のように受け入れてはいません。
はっきりくたばってたまるかとも言っています。
それにヤマギの死んだら許さないは、呪いを解く呪文そのものです。
(いささか物騒な感じはしますが……。)
また、呪いをかけられたシノは目的と手段を違えていたように感じます。
目的は、家族を守ること。
対して、手段は命をかけて戦うこと。
それがだんだん死を当然のように受け入れ、命をかけて戦うことが目的になっていたように感じます。
シノはヤマギをお姉ちゃんの店に誘うなんていうまどろっこしいやり方で、出撃前にヤマギからの気持ちを確かめます。
そして、自らの本来の戦う目的を再確認するのです。
これって完全に呪いは解けていますよね?
ヤマギは愛する男の呪いを解くことに成功したのです。
⑦最後に
ラブストーリーとして見ると、シノが帰ってこなかったことは悲しく思えます。
だけど、シノヤマとは、
呪われた男と彼の呪いを解きたいと願った男の物語と捉えると決して悲しい物語ではなかったと思います。
だってヤマギはシノの呪いを解いたのだから。
(おまけにヤマギは前髪を上げて前を向いて歩いていますし。)
それにこれはわたしの願望というか、エゴではありますが、シノは生きていると思っています。
ヤマギとの約束を果たしてくれる男だと信じているので。
最後まで拙い文章をよんで頂きありがとうございました。
このnoteをよんで、鉄血を見て落ち込んだ人が少しでも救われたら嬉しいなと思ったり思わなかったり……。
みなさまも良いシノヤマライフ、良い鉄血ライフをお過ごしください!