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エンジニア歴10年の人事が解説!エンジニアの面接評価設計-11の評価項目と質問例15選

こんにちは!「すごい人事(※)」情報局のポペヌです!

面接でお話をするとどなたも良い方でお見送りの判断に悩むことが多々あるのですが、今回はその面接の評価設計についてまとめていきたいと思います。

他社の人事さんとお話をしている中でも、下記のようなお声をよくお聞きします。

「技術についての評価が難しい」
「何を質問すればいいかわからない」
「現場の面接担当者への見極めポイントの依頼方法がわからない」

このような課題に対して、今回はどのようなアクションをすることができるかをお伝えしたいと思います。

【このシリーズを読んでほしい人】
・エンジニア採用の面接で苦戦をされている方
・評価項目の作り方を知りたい方
・質問の仕方や目的を明確にしたい方



1:採用ペルソナの確認

面接の評価項目の設計をしていく前に必ずやらなければならないことは、「どんな方を採用するのか」という点を明確にすることです。
ここを明確にしない限り面接で見極めるポイントを作成することはできませんので、しっかりと棚卸をしましょう。

エンジニア採用におけるペルソナ設計の手法ですが、主に3つの観点を軸に構成をすることをお勧めします。

・会社のMVVなど、職種に関係なく全社共通で大事にしていることに共感いただける方はどのような方か
・事業内容や採用実績からコンピテンシー(職務や役割において優秀な成果を発揮する行動特性)に沿う方か
・会社や開発チームの中で人間性がマッチするか

これら3つの観点を詳細に言語化していくことで、面接の評価設計をする際に、人事と現場との間で共通ワードが生まれ、ペルソナごとに採用ストーリーを意識した採用活動をすることができるようになります。


・会社のMVVなど、職種に関係なく全社共通で大事にしていることに共感いただける方はどのような方か

昨今の採用では「共感」というワードを耳にすることが増えたと思います。
特に会社のストーリーから成るmissionへの共感は、社員の働くエンゲージメントに影響を及ぼすことが多く、会社の一体感を高める役割が期待できるため、会社の成長にも大きな影響を与えます。

そのため、スキルや経験が非常に魅力的な方でもMVVへの理解や共感がない方は採用を見送る判断を下せるよう、自社のMVVに共感いただける方はどのような方かを検討しましょう。

・事業内容や採用実績からコンピテンシー(職務や役割において優秀な成果を発揮する行動特性)に沿う方か

次は仕事に沿った内容になります。まずは事業内容から必要な能力を割り出し、その次に採用実績から微調整をしていきます。
事業内容から必要な能力を導き出す手法ですが、エンジニアのお仕事が売上にどう関わってくるかを分類分けしていくことで検討することができます。

例1)SES企業
エンジニアと売上の関係:常駐先でエンジニアが働き続けることで売上が上がる労働集約型
必要な能力:長期的な常駐が可能にするための、常駐先との信頼関係構築(コミュニケーション力)や一定の技術力、言われたことをしっかりとこなす力

例2)SaaS系企業
エンジニアと売上の関係:サブスクリプションビジネスが主流のため、顧客にサービスを長期的利用いただけるよう、常にイテレーションを回し顧客の求める機能の実装などを実現していく。
必要な能力:細かいイテレーションを行えるよう、進捗管理などを詳細に行える。顧客の求める機能や現状の課題についての改善案を出すことができる。

すごくざっくりですが、このような形で事業内容から必要な能力を導き出していけます。また、ここには記載しておりませんが、開発環境(OSや言語など)から最低限欲しいスキルもこの段階で洗い出しをしておきます。

次に採用実績という観点から調整をしていきます。下記にすごく単純な開発環境を記載しましたので、これを基に採用実績から導き出します。

開発環境事例
言語:ruby
OS:Linux
DB:mySQL
その他:AWS

採用実績から、rubyやmySQLなどの経験は豊富だが、OSがWindows環境でしか開発をしたことがない方が活躍した実績がないのであれば、ペルソナの必須条件としてLinux環境での開発経験が入ります。また、rubyの経験はないがPHPなどを経験されてきた方が活躍されているのであれば、スクリプト言語の経験があれば可能性を見いだせるかもしれない。

このような方法で採用実績からペルソナを導き出します。

・会社や開発チームの中で人間性がマッチするか

こちらについては明確に表しにくい点ではありますが、例えば仕事だけでなく、休日も遊びに行くことが多い会社であれば仕事とプライベートは別けたいという方はNGになると思います。一緒に働きたい方はどんな人間性かを検討いただけると良いと思います。


2:面接の対応者と目的

面接で候補者様を見定めていく際に役割分担が必要になります。
プログラミング経験がない人事の方が技術について質問しても浅い理解で終わってしまう可能性が多いと思いますし、反対に現場のエンジニアだけでは組織全体のバランスを見て適正な方かを判断するのが難しいということもあると思います。そのため、選考フェーズを増やして対応者を変えたり、人事とエンジニアで同席をしたりと様々な工夫で抜け漏れが出ないように面接を実施しましょう。

人事:転職理由からの性格や人間性の確認・仕事をする上でのコミュニケーション力・ナラティブへの共感・最低限の技術レベルのスクリーニングなど
エンジニア:共に働きたいか・技術レベルの詳細な確認など

全てを現場のエンジニアに任せてしまうと、開発業務に支障をきたす可能性がございますので、技術についても最低限は人事側で確認できるようにしておきたいところです。


3:エンジニア面接の評価項目と質問

1番と2番でどういう方を採用したいか、その方を面接する際は誰がどのポイントを見極めるかを解説させていただきました。次が本題の評価項目とそれに付随する質問例を記載したいと思います。

どのような項目があるか
まず評価項目として項目と内容を羅列してみました。※一例です。

コミュニケーション系統
- 対話力
相手の話を受け止め、その人の思いや感情に寄り添った対話ができるか
‐説明力
結論ファーストで話ができ、適切な回答ができるか
‐言語理解
質問を理解し、分からない際は聞き返すことができる

基礎学力系統
‐学習能力
専門外領域において、成果を上げるための自分なりの戦術
‐課題解決
課題の特定が行えるか、課題に対して仮説立てができるか

思考系統
‐自己実現・理解
自身の人生設計や目的があり、その達成のために自社環境が最適であると理解できている
‐目標達成力
困難な目標でも粘り強く達成をすることができる、してきた経験がある

性格系統
‐ホスピタリティ
お客様だけでなく、共に働く仲間へ思いやりがある
‐素直さ
役職や年齢に関係なく、状況に合わせて謙虚な対応できるか

スキル系統
‐専門性
採用ポジションにおける専門的な知識・経験を有しているか
‐年収
現年収や希望年収が社内の年収帯に適しているか

どの会社でもブレない内容としてはこのような項目を挙げていくことができると考えています。この他にも働き方やデザイン企業のスキル面ではポートフォリオの趣向が社内と適しているか。などを挙げることができます。人事とエンジニアでどの項目を確認するべきかを話し合いをし、項目ごとに人事とエンジニアどちらが確認するかを明確にするところまでしっかりと行ってください。

どのように質問をしていくか
次にどのように質問をしていくかについて、質問の意図と合わせてまとめていきます。

ある程度どんな方に質問をするかを想像できる方が良いと思いましたので、下記のような方を想定して質問を作成してみます。また、今回は分かりやすくするため、本来の面接ではありえない人物面・思考・スキルや経験という流れで作成させていただきます。

氏名:未来 地図(ミライ チズ)
年齢:26歳※新卒4年目
現職:株式会社Crepe※新卒入社
経験業務:社内エンゲージメント向上システム「ミライチズ」の新規開発

人物面編
Q:仕事をする上でどういう人と働きたいか、どういう人とは働きたくないか
‐人間関係でのストレスチェック

Q:開発物について、自分の考えと社長や営業担当との意見が合わない時はどうするか
‐業務を進めていくスタンスの確認・素直さや謙虚さの確認

Q:どういう時にやる気が上がり、どういう時にやる気が下がるか
‐感情のスイッチを理解し、組織との相性確認

思考編
Q:なぜ新卒でCrepeを選ばれたのか
‐仕事の価値観や目的意識の確認

Q:なぜ当社を受けてくださったのか
‐目的意識と組織との相性確認

Q:今後仕事で何をしたいか・何をしたくないか
‐組織との相性確認

スキル・経験編
Q:何名の開発体制で主にどの分野を担当していたか
‐サービスへの理解度、仕事のスタンスの確認

Q:開発していたサービスはどのようなサービスか
‐サービスへの理解度、説明能力の確認

Q:どのような成果を上げてきたか
‐説明能力の確認

Q:上記の質問でなぜ成果が出たと考えるか
‐自身の能力を把握しているか

Q:解決が困難だった課題はなにか、それをどのようなアプローチで解決したか
‐問題解決の手法を把握する、課題の問題点を的確に把握できるか

Q:上手くいかなかった経験から学んだこと
‐振り返りの習性を持っているか

Q:開発する際に大切にしているポイント
‐思想の話だけでなく、実例を踏まえて実現してきたか

Q:現在当社で〇〇が課題になっていて、未来さんにお任せをするとどのように解決しますか
‐プロダクトの理解度チェック、問題解決のアプローチ確認

Q:〇〇向けの△△システムを作成する際のデータモデル図を記載してください。
‐設計能力の把握


このような目的を持った質問が想定できると思います。ここから更に深掘りをしていただくことで、しっかりと候補者様の把握ができるので試してみてください。

また、他にもマネジメント系の項目などは今回の未来君に当てはまらないため、記載をしませんでしたが、人材管理の項目なども作成をしてみてください。


4:評価項目シートのすすめ

最後になりますがエンジニア採用は選考全体を通して体系的に行っていくことで、一定レベルの採用力や見極める力は担保されます。
体系的に採用を進めていくために、面接では評価項目シートの作成をお勧めします。

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これはとある会社の新卒採用をする際の評価項目シートを簡素に真似た事例です。
このように体系的かつ関係者に共有できる形式にすることで、全員の採用目線を統一することができ、PDCAも回しやすくなります。また、入社後の活躍を見てからの反省にも活かせます。


5:最後に

今回は面接の評価項目についてまとめさせていただきましたが、基本的な考え方のお手本程度に捉えていただき、人事と現場の面接官で話し合いを繰り返し、自社風にアレンジを加えてください。

ライター:ポペヌ
エンジニア歴約10年、人事歴約3年。中学時代からエンジニアとしてお小遣い稼ぎを始め、エンジニア経験を活かしながら、大手IT企業にて人事に転身。
「プログラミングができる人事」として、主に経営陣をカウンターパートに経営視点の人事戦略設計〜実行、検証まで従事。
即戦力エンジニアをオフライン・オンライン施策をベースに採用単価0円で採用実現するなど、特に新卒採用、およびエンジニア採用に強みを持つ。

「すごい人事」情報局運営元:株式会社Crepe 
Crepeでは、ESG観点からみた人的資本における企業価値向上支援を行っています。具体的には、採用CX(候補者体験)向上ための採用戦略コンサルティング、採用ストーリーブック制作、研修トレーニング、EX(従業員体験)向上のための組織コンサルティング、エンゲージメント向上 HRtech「ミライチズ」などを通して、より良い個人と企業の関係の質向上支援を行っています。
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