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採用プロジェクト成功のカギ!フリーランス人事が実践すべきクライアント巻き込み術

こんにちは!「フリーランス人事研究所」広報のゆいです。

フリーランス人事がクライアントに求められていることは、単に業務をこなすことではありません。プロジェクト全体の戦略を理解し、ノウハウを教えることはもちろん、クライアントチームのメンバーを巻き込んで一歩先を見据えた提案をすることが求められます。単なる「作業者」ではなく、プロジェクトの成功をサポートする「パートナー」として、フリーランス人事の役割は非常に重要です。このクライアントからの期待値をしっかりすり合わせていないと、クライアントが求める成果を出すことが難しくなります。

さらに、成果を出すためにはクライアントとの密な協力が不可欠です。採用プロジェクトにはクライアントだけではなく他パートナーがいるかもしれません。いろんな立場・組織の人がいる中で、同じゴールに向けてコミュニケーションを取り、プロジェクトをマネジメントすることが重要です。
今回は、フリーランス人事が陥りやすいクライアントとの期待値調整の課題と、それに対する解決策・クライアントの巻き込み術についてお伝えしていきます!

【このシリーズを読んでほしい人!】
・フリーランス人事として採用プロジェクトに携わっている方
・インハウス人事からフリーランス人事へキャリアチェンジをした方
・長期契約がしたいフリーランス人事

【このシリーズを読むことでのベネフィット】
・クライアントとの距離感や巻き込み方が分かる
・何に気を付けてクライアントに報連相したらいいかが分かる
・契約を継続してもらいやすくなる


フリーランス人事が直面する課題

クライアントは未来予測できない

誰でも初めてのプロジェクトは、何をするとどうなるのか想像がしにくいと思います。クライアントは目の前の課題解決をサポートしてもらうためにフリーランス人事に依頼をしているので、解決策やプロジェクトの未来は予測できない状況です。フリーランス人事としては何度も経験していて当たり前のことでも「クライアントは初めてで分からないことが多い」ということを認識していないと、クライアントがそのプロセスや成果を十分に理解していないために、フリーランス人事が提案する計画や方向性に対する判断が適切に行えず、プロジェクトが停滞する可能性が出てきます。経験不足や認識の違いによるミスマッチが生じ、最終的にはプロジェクト全体の進捗に影響を与えることがあります。

クライアントを巻き込むことができない問題

クライアントがタスクの重要性を十分に理解していない場合、フリーランス人事がどれだけ考えて施策を提案しても、クライアント側のコミットメントが足りずに成果を上げることができないことがあります。これも、クライアントがプロジェクトに対する解像度が低いために、ひとつひとつのタスクの意味や重要性を把握できていないことから生じます。クライアントは採用プロジェクト以外のプロジェクトと並行していることが多いので、クライアントの中で採用の優先順位が下がってしまうと、意思決定の遅延やプロジェクト全体のスピードダウンに繋がってしまいます。クライアントを巻き込むためには、フリーランス人事としてタスクの意味と効果について理解してもらえるように伝え、クライアントの積極的な参加を促す必要があります。

決裁者への適切な報連相ができていない問題

プロジェクトを遂行するにあたり、決裁者ではなくメンバーと行動することが多い場合、決裁者とコミュニケーションを取る機会は多くない場合があります。フリーランス人事がクライアントの決裁者との適切な報連相が欠如したままでいると、決裁者の期待値とズレが生じてしまったり、正しく成果を認識してもらえなくなることがあります。また、決裁者との関係構築が不十分な場合、フリーランス人事の意見や提案が十分に反映されず、プロジェクトが期待通りに進行しないリスクもあります。せっかく成果を出していても、決裁者が満足できる成果を見せることができなければ、契約更新には繋がらなくなってしまうので、適切なタイミングでの報連相はとても重要です。

クライアント巻き込み術

先述の課題を解決するためにはクライアントを巻き込んでいくことが重要です。それには、段階ごとに具体的な戦略と対応が必要です。プロジェクトの初期、中期、そして後期それぞれでの巻き込み方をお伝えしていきます。

プロジェクト立ち上げ期

①ロードマップの共有

プロジェクトの初期段階では、全体の流れやタイムラインを明確に視覚化し、クライアントに提示します。
例えば、Crepe社の採用CXジャーニーを使って全体像と各フェーズでの候補者心理、タッチポイントと訴求ポイントを説明します。さらに、候補者の心理に対して適切なタッチができたときに期待できる効果も追加で説明すると、クライアントが未来に対して想像しやすくなると思います。

Crepe社の採用CXジャーニー

また、何にどれくらいの時間がかかるのかも分かるように、具体的な日数も記載して資料を作るとチームが動きやすくなります。

Crepe社のロードマップ例

②ざっくりと複数案を提案しておく

採用プロジェクト立ち上げ当初から戦術は決めてキックオフしていくものですが、プロジェクトを進めていくうちに想定と異なっていき、戦術を変えることは普通にあることだと思います。フリーランス人事側にとっては当たり前であっても、クライアント側は不安に思うかもしれません。フェーズごとに想定できる課題を立ち上げタイミングで説明して、複数線で対応していくことを伝えておくと安心に繋がると思います。

③プロジェクト成功のためのルール設定

採用CXを説明した際に訴求ポイントを伝えていますが、訴求するために絶対に外してはいけないこと、やってはいけない対応についてもクライアントと共有します。例えば、「カジュアル面談では面接をしない」や「候補者からの連絡に対しての返信は24時間以内にする」など、成功のために必要な行動指針を明確にします。ルールを決めておくと、もし実施できていなかった場合に連絡がしやすく、リカバリーに入りやすくもなります。

④可視化ツールの活用

タスク管理ツールや進捗管理ソフトを活用し、プロジェクトの進捗をリアルタイムで共有できる環境を整えます。これにより、チームメンバー全員がプロジェクトの現状を把握しやすくなり、必要に応じて迅速に対応することができます。ただし、一方的に検討してツール導入をしても、クライアントが使ってくれなければ意味がありません。情報共有の重要性について認識のすり合わせをした上で、クライアントが使いやすいツール・方法は何か一緒に検討し、クライアントがメインで使えるように環境構築することが重要です。

⑤ステークホルダーごとの報告頻度と内容の設定

プロジェクト関係者ごとに、報告の頻度や内容を設定します。例えば、進捗報告は実働メンバーで週次で行い、成果レビューは決裁者も含めて月次、緊急事項は関係者に即時報告といったように、状況に応じた適切な報告を行う体制を整えることが重要です。最初にここを決めておくことでフリーランス人事から報連相をするハードルが低くなります。

プロジェクト中期

①数字だけでなく心理的にも寄り添う信頼関係の構築

プロジェクトが中期に差し掛かると、やってきたことの検証フェーズに入り、今後の戦術をどうしていくのかを話し合うタイミングとなります。そのため、立ち上げ期同様に細やかなコミュニケーションが必要です。例えば、定例ミーティングで毎回プロジェクトのゴールを確認したり、引っかかることがあればすぐ連絡するなど、密なやり取りが成果に関わってきます。心理的にクライアントに寄り添うことで、数字だけではないフリーランス人事の成果を感じてもらうことが重要です。

②役割分担を明確にしつつフォローする

各メンバーの役割を明確にすることで、それぞれのタスクに対しての責任感を持ってもらいます。役割が不明瞭だと「誰かがやってくれるだろう」と責任の所在が曖昧になり、結果にコミットしてもらいにくくなります。それと合わせて、もし手が足りなくなった場合にはすぐに自分が手を動かせるように準備しておくことで、進捗が止まってしまうことを防ぎます。

③プロジェクトの振り返りとロードマップの再検討

プロジェクトの進行状況を定期的に振り返り、当初のロードマップを再検討します。図解を使った視覚的に分かりやすい資料を用いてKPIを説明することは、クライアントの状況理解に有効です。また決裁者にも同席してもらうことで、方針の再確認や必要な変更を行います。立ち上げ期に複数案を出しておくと、このタイミングで方針変更をする際にスムーズに受け入れてもらいやすくなります。

Crepe社の場合、このような資料を使ってKPI進捗を一緒に確認することで認識相違をなくし、プロジェクトを進めやすくしています。

Crepe社の定例ミーティング資料例

④最初にヒアリングした課題からの変化確認

プロジェクトを進める中で、クライアントが抱える課題やニーズが変化しているかどうかを確認します。例えば、プロジェクト開始時にはリーダー層の採用をしたいと言っていたが、採用活動をする内に若手層まで幅を広げてもよさそうになったとか、新規採用で組織を作る予定だったけど既存社員で組織を再編成することになった等です。採用以外の領域、たとえばあなたが人材開発や組織開発のサポートもできるのであれば、このタイミングで少し提案してみると検討の可能性を広げることができます。

プロジェクト後期(契約更新時期)

①メンバーにノウハウを伝え、自分がいなくてもプロジェクトを回せるようにする

プロジェクトが終盤に差し掛かった際には、メンバーが自立してプロジェクトを回せるようにノウハウを伝授します。単に知識を提供するだけでなく、実際に成果を出すことの難しさも理解してもらうことで、メンバーがより主体的にプロジェクトに取り組めるようになります。クライアントは自社にノウハウが貯蓄されるかどうかを気にしていることが多いので、安心してもらうためにも目に見える形(マニュアル等)でノウハウを残します。

②今後のロードマップを再検討する

プロジェクトの今後について、メンバーと共にロードマップを再検討し、次のステップを明確にします。自分がプロジェクトに残る場合と残らない場合で提案することになりますが、自分がいるとどういうメリットがあるのか、実績と共に説明ができると契約更新に繋がります。

③他プロジェクトでも自分を活用してもらえるイメージを持ってもらう

プロジェクトを回すこと自体、採用に限らず他のプロジェクトでもスライドできるスキルです。他に困っているプロジェクトや課題がないかをヒアリングし、自分が入ることでどう役に立てるかを伝えることができると、本プロジェクトで動いてきた成果でクライアントは判断しやすくなるので、契約更新や新しいプロジェクトでの協力関係を築くきっかけになります。

おわりに

プロジェクト全体を通して、フリーランス人事が存在感を発揮することはとても重要です。特に、クライアントが初めて経験するプロジェクトや戦術に取り組む場合、フリーランス人事は自分の「当たり前」を一度取っ払い、丁寧にロードマップや注意事項を説明することが大切です。初歩的なことでも、クライアントにとっては新しい情報であることが多く、分かりやすく説明することで、安心感を与えることができます。

頼りになるフリーランス人事であるとクライアントに感じてもらえれば、契約の更新や新たなプロジェクトの依頼に繋がります。どうしたらクライアントが安心できるかを考え、クライアントに合わせたコミュニケーションや提案ができるようになると長期契約に繋がると思います。

Crepeでは経験豊富なサクセスサポーターが在籍し、フリーランス人事のサポートをしています。何が効果的で何が不足していたのか、自分だけで振り返るのではなくサポーターに相談しながら案件を進めていただくことが可能です。詳細はこちらのnoteをご覧ください!

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ライター:西田ゆい
名古屋の老舗企業とベンチャー企業で人事を経験後、独立してフリーランスの人事になる。現在は5~6社に入り、採用・労務・組織開発など幅広い業務を担当している。「誰もが楽しく働ける社会へ」を個人ミッションとして日々邁進中。

「フリーランス人事研究所」運営元:株式会社Crepe
「人事が変われば、組織が変わる」
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