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フリーランス人事のキャリアアップ方法~人材開発~

こんにちは!「フリーランス人事研究所」広報のゆいです。
フリーランス人事として採用業務に携わっているとぶつかる課題が、採用プロジェクトはいつか終わりがあるということ。つまり、契約が終了すると新たなプロジェクトが無い限りは契約が終了してしまうということです。

業務委託に依頼がある求人は、短期的だったり終わりが見えているプロジェクトだったりが多いと思います(中長期的な求人は社内で完結させたいと思うでしょう)。そうすると、採用以外に依頼できる案件が無ければ契約は終了となってしまいます。

なるべく長期的な案件を獲得したいと考えた場合、採用業務以外の人事領域へ挑戦したくなりますよね。
今回は、採用以外の人事業務に挑戦したいフリーランス人事の方へキャリアアップ方法についてお伝えしていきます。

【このシリーズを読んでほしい人!】
・一通り採用人事としての業務はできるものの、それだけでは人事課題は解決できないという壁に直面しているフリーランス人事
・クライアントと長期的に取引がしたいフリーランス人事
・採用業務以外の業務の解像度が高くないフリーランス人事

【このシリーズを読むことでのベネフィット】
・採用業務から人材開発へステップアップする方法がわかる
・クライアントへの提案方法がわかる
・ネクストアクションが明確になる


フリーランス人事の多様な業務分野

採用業務を専門にしてきた方からよくお伺いするのは「組織開発や評価制度設計をやってみたい」という声です。確かに、組織開発や評価制度は中長期的な案件になりやすいので、挑戦したいと思うことに共感できます。しかし、みなさんにそのキャリアをおすすめできるかと言えば、違います。
ではまず、採用以外の人事業務について確認してみましょう。

労務
労働法や規制への遵守を確保し、従業員と企業の間の関係を調整します。給与計算、入退社の手続きや社会保険の手続き、福利厚生の設計や就業規則などの規定作りが労務業務の一部です。

組織開発
組織の構造や文化を評価し、改善策を提案します。組織の効率性や生産性を向上させるための戦略的アクションを計画し、実行します。例えば、人事評価制度設計やマネージャー研修・チームビルディング研修の実施、HRtechツール導入検討などの施策を検討・実行します。

人材開発
従業員のスキルや能力を育て、組織の成果に貢献することを目的としたプログラムを設計・実施します。スキルアップ研修の実施、キャリア開発、パフォーマンス評価などが含まれます。組織開発との違いは、組織は組織全体からの視点で施策を考えますが、人材開発は従業員個人からの視点で施策を考えます。

どの業務もフリーランス人事の領域だと思いますが、組織開発と労務業務は、法律や規定に関する専門知識が必要であり、その複雑さからキャッチアップに時間がかかります。そのため、新たな分野に挑戦する場合、スキルの獲得に時間がかかることが考えられます。

その点、人材開発であれば、個人のキャリアと向き合う業務になるので、今まで採用業務で培ってきた「相手のキャリアを一緒に考える」という経験を活かすことができます。もし採用以外未経験であれば、人材開発に挑戦することをおすすめしたいです。

どうしても組織開発に挑戦したい場合は、不足する法律・規定知識部分に強い人事または社会保険労務士と組むか、特に法律が絡む評価制度を避け、組織開発のフレームワークを学んで挑戦するか(そうであっても評価は必ずどこかで紐づいてくるのですが…)が良いかと思います。

人材開発への挑戦

人材開発は、採用業務の延長線上にあり、企業にとって不可欠な要素です。従業員が必要とするスキルや資質を明確にし、企業の成長に向けた道筋を描くことができます。具体的には次のような業務内容です。

経営戦略に基づく人材開発計画の策定
企業の経営計画に基づいて、必要な人材リソースを特定し、どの部門やポジションにどのようなスキルと資質が必要かを明確にします。そして不足している部分を社内異動/育成/採用のどの手段を用いて埋めるのか検討します。手段によって、組織開発・人材開発・採用の計画に落とし込まれていきます。
なお、この業務は社内(経営層)で決めていくことが多いので、未経験で参加するにはハードルが高いと思います。

計画通りの施策の立案と実行
策定した計画に基づいて、具体的な施策を立案し、実行に移します。これにはトレーニングプログラムの開発、コーチングセッションの設定、キャリアパスの設計などが含まれます。スキルに応じてどのような研修があるかは、研修会社がプログラムを公開していますので参考になります。また、私は国家資格キャリアコンサルタントを取得しているのですが、キャリコンの知識はコーチングセッションやキャリアパス設計に役に立っています。

パフォーマンスの評価とフィードバック
従業員のパフォーマンスを評価し、成果を定量的・定性的に測定します。評価の結果を従業員にフィードバックし、個人の成長と発展に向けた指導を行います。私は、アンケートを作成して定量的に測ったり、個人面談をして定性的に変化を確認したりしています。ここの効果測定がフリーランス人事としての評価となりますので、アウトプットのやり方は会社が求めているものに合わせてアレンジできると良いです。

研修講師としての役割
研修会社のプログラムを選定することもありますが、スキルによっては社外研修より社内研修の方が効果的な場合があります。この時、研修講師が出来ると単発の依頼を受けることができます。私は、書籍からスキルの学び方を学んだり、無料・有料で開催されているスキル研修を自分で受けてみたりしながら研究しています。一度プログラムを作ると他社でも流用できます。

人材開発に必要なスキルセット

人材開発業務に関する知識は書籍や他社事例の研究、人材開発業務経験者へのヒアリング等で得ることができます。その上で、人材開発業務に携わるために必要になってくるスキルで挙げられるのは、情報収集力、課題抽出力、課題解決力、キーパーソンの巻き込み力です。情報の収集と課題解決の能力は特に重要となります。
具体的にどのような場面で使われるかというと次の通りです。

情報収集力
情報収集力は、組織内の課題やニーズを把握し、適切な人材開発プランを策定する際に重要です。経営者の視点・従業員の視点・マネージャーの視点・新入社員の視点…いろんな角度からの情報収集が必要であり、情報収集も定量的・定性的なやり方で集める必要があります。

課題抽出力
課題抽出力は、情報収集を通じて得た事実から、組織内の課題やニーズを正確に特定するのに役立ちます。これにより、人材開発の優先順位を決定し、焦点を絞ることができます。人材に関する課題は大小含めると多く見つけることができますが、ベストタイミングで的確な対象に施策を実施することで効果が出るので、優先順位を付けることはとても大事です。

課題解決力
課題を特定した後に、解決策を導き出すスキルが必要です。組織の目標や戦略に合致する適切な人材開発戦略やプログラムを開発し、実行する能力が含まれます。私の経験上、人材開発の施策は企画よりも運用の方が大変です。施策を実施したからといって想定通りの効果が得られるとも限らないので、PDCAを回すことが大事です。

キーパーソンの巻き込み力
人材開発は、組織内のキーパーソン、特に経営陣や部門のリーダーを巻き込む力が必要です。彼らの支援やコミットメントを得ることで、人材開発プログラムの成功に向けて協力を得やすくなります。いくら研修で学んでもらったとしても、現場の理解がなければ、学んだことが0以下になるので、根回しはとても重要です。

既存クライアントへの提案戦略

研修制度など体系的なものは、従業員数80名を超えたあたりから必要とされてきますが、人材開発は10名前後でも”あった方がいいもの”だと思います。組織内で育成のニーズが出てきたタイミングは、クライアントに提案できるチャンスだと思います。私が提案するためにしていることは、信頼関係の構築とタイミングを考えることです。

採用業務から人材開発業務へ提案の幅を広げるためには、まずは既存のクライアントで実績を積み重ね、信頼を築くことが大切です。クライアントからすると、採用業務は失敗したとしても契約終了すればいいことですが、人材開発が失敗すると組織に影響が出てきてしまいます。また、組織の情報も採用より深い情報が業務委託に渡ることになるので、信頼関係が出来ていることはとても大事です。採用業務で任せられたことを遂行するだけでなく、採用した人のキャリアまで検討して伝えることができると良いと思います。

採用業務をしていると、ポジションの募集背景から組織課題が見えたり、現場社員と話をすることで潜在的な課題を知ることができたりします。このように、採用業務を通じて組織の課題を把握し、人材育成を提案する際には、自身のスキルと経験を活かして、クライアントにどのように貢献できるかを伝えます。

ここで、コンサル会社ではなくフリーランス人事に依頼するメリットを提示することが大事です。私が考えるメリットは、クライアントの課題によって解決策をカスタマイズすることができること、自分も施策実行の際に手を動かすことができることです。先述しましたが、人材開発は企画より運用が大変です。運用こそ助けてほしいと思っているクライアントは多いので、この点で自分がどう貢献できるのかを伝えたいですね。

人材開発の学び方

人材開発を学ぶために私が実践してきたことは、①書籍②他社事例から学ぶ③実践です。

書籍

書籍を読むことは一番行動しやすいと思います。人材開発手法の流行がありますので、本屋で人材開発の本をいくつか手に取り、自分が読みやすそうな本を読むことがおすすめです。
私のおすすめもお伝えしておきます。

図解 人材マネジメント入門

人材開発だけでなく人事業務全般について図解されている本です。要素ごとに解説があり図解されていて頭に入りやすいです。

研修開発入門 「研修評価」の教科書

研修あるあるが、研修後アンケートを取ると「満足した」と回答されてその場では達成感を得られていても、現場で活かされておらず研修効果が出ていないと評価されてしまうことです。そうならないために、どう研修を評価すると次に繋がるのかが書かれています。

他社事例から学ぶ

これはフリーランス人事の特権だと思いますが、複数のクライアントとやり取りしているからこそ他社事例を集めやすいと思います。採用業務で関わりつつ、人材開発はどのようなことをしているのかを調査することで、複数社の成功例・失敗例を生の声として得ることができます。事例をたくさん知っておくと、ゼロから企画するよりは他社の事例をアレンジして作ることができます。

実践

やはり実践が一番スキルアップに効果的です。とはいえ、未経験だとなかなか実践の機会を得ることは難しいです。他のフリーランス人事で人材開発経験者と一緒にプロジェクトに入って経験してみたり、小規模のプロジェクトで挑戦させてもらったりしてみると良いかもしれないです。例えば新入社員研修であれば、自分が新入社員だったときに受けた研修を思い出して実施することができると思います。未経験であっても実施できる道筋が見えているのであれば「出来ます!」と言い切ることは大事ですね(笑)。

フリーランス人事もチームで働くとスキルアップ機会が増える

今回は未経験から採用業務以外に挑戦するステップとして人材開発についてご紹介してきました。自分ひとりでも挑戦はできますが、業務遂行の中で悩んだり、うまく機会を得ることができないかもしれません。
そういうときは、自分と同じフリーランス人事同士でチームを組んでみると、心理的に安心して挑戦することができます!

「すごい人事」ならフリーランス人事として「はたらきながら」キャリアアップを目指していただけます。ご応募をお待ちしております!

ライター:西田ゆい
名古屋の老舗企業とベンチャー企業で人事を経験後、独立してフリーランスの人事になる。現在は5~6社に入り、採用・労務・組織開発など幅広い業務を担当している。「誰もが楽しく働ける社会へ」を個人ミッションとして日々邁進中。

「フリーランス人事研究所」運営元:株式会社Crepe
「人事が変われば、組織が変わる」
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