プロジェクト中盤も気を抜かない!フリーランス人事のためのロードマップ作成術
こんにちは!「フリーランス人事研究所」広報のゆいです。
採用プロジェクトは「採用できたか/できなかったか」がわかりやすい成果になりますが、それ以外の指標では成果を示しにくくはないですか?特に、短期間で目に見える成果を出すのが難しいため、せっかく頑張っていてもクライアントに価値を感じてもらえず契約が続かない…ということがあるかもしれません。
クライアントから「この人と一緒に仕事を続けたい」と思われるには、プロジェクト中盤以降も具体的な成果を示し続けることが求められます。本記事では、3ヵ月間のロードマップ作成方法を通じて、クライアントとの信頼構築のポイントを解説します。
1ヵ月目:信頼の土台を作るスタートダッシュ
キックオフミーティングでクライアントの課題を明確化する
プロジェクトを円滑に進めるには、最初のキックオフミーティングが重要です。ロードマップを作成し、クライアントと認識合わせをしますが、いつ・誰が・何をして、どういう成果に繋がるのか、KPIと一緒に設定することで、「採用できた」の手前で成果が見せやすくなります。
プロジェクトのスタート時にすり合わせるべきこと何か?については、こちらの記事に詳しく記載していますので、合わせて参考にしてください。
また、プロジェクト1ヶ月目にやるべきクライアントとの信頼関係構築術については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
最初の1ヵ月でやるべきこととスケジュールの共有
ロードマップを作る際、クライアントと共有すべきゴール・KPIは各社共通になることが多いので、あらかじめテンプレートを用意しておき、細かい内容や数値についてはクライアントと一緒に考えて埋めていくことで、クライアントに納得してもらいやすくなります。
最初の一ヶ月はお互いに手探りでプロジェクトを進めていくことも多いので、クライアントに安心感をもっていただくために詳細な行動計画を共有します。
例えば、ダイレクトリクルーティングでスカウトを週〇通送り、開封率は〇〇%が目標で、開始2週間で目標が達成できなければ文面を変えたりターゲット層を変えたりするなど打ち手を検討する…など。
最初はこまめに振り返りができるように中間地点を決めておくとよいです。振り返り方法はこちらの記事をご覧ください。
「この人に任せておけば安心」と思わせる進行管理の方法
最新タスク管理ツールを使うよりもかっこいい資料を作るよりも、プロジェクト管理でクライアントの信頼を得るには、こまめなコミュニケーションが最も重要です。定期的な会議や報告を通じて、プロジェクトの現状や課題を共有し、「何をしているかわからない人」にならないように注意します。
また、ロードマップを用いてプロジェクトの進捗を可視化することで、どのように進んでいるかをクライアントに具体的に伝えることができます。例えば、ダイレクトリクルーティングでメールの返信率や面談実施率などの数値を、他社との比較を交えながら進捗を説明することで、自社の立ち位置がわかり理解しやすくなります。社内だけでは得られない情報があると、フリーランス人事の存在価値を感じてもらいやすくなります。
さらに、クライアントの社風(社内で使っている独特の言葉や働いている人の名前など)をいち早く理解し、スムーズに社内の担当者とコミュニケーションを図ることも重要です。このような細やかな対応を積み重ねることで、「この人に任せておけば安心」と思わせる信頼感を構築できます。
2ヵ月目:成果を見える化し、ロードマップを再設計
振り返り会議で1ヵ月間の成果を報告する方法
振り返り会議では、当初キックオフですり合わせした目標と実際の動きを比較して進捗を共有します。立てた目標通りには進捗せず、実行しようと思っていた通りには進んでいないこともあるかと思います。臨機応変に、そこで起こったことに対して対応をしてきていると、動いている最中では断続的に対応しているように感じますが、振り返りでまとめて俯瞰して見ることで、どの対応がどう影響したのかを分析することができます。
クライアントにとって、途切れ途切れだった対応を繋げることができると、自分たちが動いてきたという実感が持ちやすくなります。
KPIに対して今の数字はどう評価できるかプロ目線で伝える
前の章でも書きましたが、外部情報を交えて分析できると、プロが介在している価値を感じてもらいやすくなります。KPIの振り返りも、プロ人事としての視点を活かしてクライアントに説明します。例えば、「返信率が低いように見えるが、他社平均と比べると高い方なので、今の状態をしばらくキープしていくためには…」や「応募者数が目標の80%に到達したが、マッチしている候補者が少ない」などというように具体的に伝え、改善策を提案しましょう。
ロードマップの再設計
1ヶ月目の振り返り結果を踏まえて、次の2〜3ヶ月目のロードマップを再設計します。直近の動きだけでなく、2〜3ヵ月を含めてロードマップを引くことで、クライアントは少し先を見通しながら動くことができます。
この段階のイメージとしては、1ヶ月目での定例会議では、プロジェクトチームの役割分担が完了して誰がどのタスクに責任を持ってKPIを確認していくのかをすり合わせ、2ヶ月目の定期会議以降では数値発表ができる状態をつくれるとベストです。
というのも、いつもフリーランス人事側が全部の数値を管理して発表をし、クライアントが受け身になっていると、自分事として捉えてもらえなくなるので、クライアントに無理がない範囲でタスクを持ってもらうと、一緒にプロジェクトを動かしている実感と、クライアント側にノウハウを残しやすくなり満足度が上がると思います。
3ヵ月目:中期戦略の提案と内製化への準備
長期的な採用戦略の共有と「次のステップ」の提案
プロジェクト2ヵ月を経験すると、全体像や関わる人たちの解像度が上がり、中長期的な施策を検討しやすくなります。契約が3ヵ月更新の場合は、契約更新の時期になりますので、フリーランス人事としては自分の介在価値も明確に伝える必要があります。
中長期的な施策として検討しやすい一例としては、採用広報があるでしょう。例えば、採用広報の強化として、社員インタビューやSNSを活用したブランディングのアイデアを共有し、社内外での魅力発信の支援を提案します。採用広報は即効性があるものではないですが、どのフェーズでも使えるツールとして活用できます。
クライアントとしても「あるといいけど取り掛かるには時間がない」という痒いけど手が届かない位置にあることも多いので、フリーランス人事がフォローしやすい分野でもあります。
採用広報以外でも、クライアントにマッチした中長期的な施策を検討し、ロードマップに組み込んで提案することで、結果として契約更新やアップセルに繋がりやすくなります。
フリーランス人事の付加価値を伝える方法
逆説的ですが、ロードマップを検討する際、フリーランス人事との契約を更新しない場合も想定し、クライアントだけでプロジェクトを推進するとしたらどのような動きになるかを伝えてみるのも効果的です。その上で、フリーランス人事がいるとどう相乗効果が出やすくなるのかを伝えると、可視化しづらい付加価値を感じてもらいやすくなります。
フリーランス人事がいないと困るという状況は、クライアントにとって「ノウハウが自社にない」という不安が残る状態でもあるので、私は内製化できるように、採用体制構築やマニュアル作成などを視野に入れたロードマップを考えるようにしています。
とはいえ、実際に内製化できるだけのノウハウを用意したからといって、新たにアサインされた採用担当者がすぐにフリーランス人事と同じ動きができるとは限りません。面接官研修や採用オペレーションの内製化準備など、採用担当者が独り立ちするまでしばらく伴走や人材育成が必要なものに対して、フリーランス人事ができることを提案します。
このように目下の採用の成功だけでなく、その後の組織定着やパフォーマンス向上に繋がる提案を行うことで、クライアントに「プロが伴走する価値」を強く印象づけることができます。
クライアントにとっての「次のステップ」も明確にし、採用活動を通じた事業成長のビジョンを共有することで、単なる外部支援ではなく、長期的なパートナーとしてのポジションを築くことができます。
おわりに:契約継続を勝ち取るフリーランス人事の仕事術
プロジェクトを推進していくためには
が大切です。
クライアントに必要だと思ってもらうためには、信頼関係を築き、失敗があってもこの人がいたらなんとかしてくれるという安心感を与えることが最も大事だと、私は考えています。
「採用できた」という成果も大事ですが、想定した人が採用できなかったとしても、違う方法で組織課題を解決することができたり、想定していない人が採用できて想定以上に活躍してくれることもあります。組織全体を見て採用プロジェクトを実行できるフリーランス人事だからこそ信頼してもらえると思うので、視野を広く持ってクライアントと向き合いましょう(自戒を込めて)。
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