エージェントに注力してもらうためのコツ-エージェント経験者に聞きました-
こんにちは!普段は名古屋でフリーランス人事をしている「すごい人事(※)」情報局のゆいです。
採用において、母集団形成をするための手段の一つとしてエージェント(人材紹介会社)を利用することがあります。
自分で情報収集をしなくても営業担当から能動的に情報提供をしてくれますし、ダイレクトリクルーティングや求人媒体よりも採用費用が高いので、ついつい理想の人材の確保を任せたくなりますが、無茶振りしてしまうと紹介が無くなってしまいます。
エージェントを選ぶ際も、ネットで調べたランキングで決めてしまいがちですが、業界や職種によって選んだ方がいいこともありますし、何よりエージェントとの関係構築が重要です。
今回は、エージェントとの関係構築について、エージェント経験者からの意見も交えながらお伝えします。
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エージェントの特徴
相手がどのような立場にあるのかを知ることだけでも、やり取りの仕方は変わってくると思います。エージェント経験者に内情について教えてもらいました。
大手エージェント
大手エージェントは求職者の登録者数が多いですが、同時に抱えている求人数も多いです。営業担当は1人で平均40~50社を担当し、100~200件以上の求人を担当しているそうです。人事は、この中から自社の求人をピックアップしてもらえるかが勝負となります。
私も求職者側で案件紹介を受けたことがありますが、一度の面談で10数社の求人票をもらいました。求職者側からするとそれでも数多い気がしますが、紹介されるのは10社前後のみです。
企業にもよりますが、企業担当と求職者担当は分かれていることが多いです。部署は業界別だったり職種別だったりしていて、企業担当から求人の説明を求職者担当が受けて求職者に伝えます。
中小エージェント
中小エージェントは、自社だけでは登録者数・求人案内数共に大手エージェントには敵わないため、エージェント用のデータベースを利用する等して情報収集をしていることがあるそうです。私は専門職やハイクラスに特化した紹介をする印象がありましたが、焦点を絞って提案した方が話を聞いてもらいやすいからと伺いました。
テレアポやダイレクトメールで営業を受けることが多く、どういう人材が紹介出来るのかを記載していることが多いです。コロナ禍でテレワークが増えてから、ダイレクトメールを受信する頻度が多くなったような気がします。
少数精鋭のため、企業担当と求職者担当は同じ人が担当していることが多いそうです。営業担当に伝えた情報はそのまま求職者に伝えてもらえると思います。
コロナ禍で難しいかもしれませんが、なるべく営業担当と直接会って職場を見てもらうことをオススメします。求職者に自社の魅力を伝えてもらう際、営業担当が感じた職場や社員の雰囲気も伝えてもらえるので、よりリアリティーのある情報を求職者に伝えてもらうことが出来ます。
エージェント経験者に聞いた敬遠される人事
エージェントとやり取りしていると、最初は何度も連絡を受けて説明をしてきたのに、気付いたらパタッと音沙汰が無くなってしまうことはありませんか?
「こっちは忙しい中時間を使って説明したのに!」と思う人事もいるかもしれませんが、音沙汰が無くなるのには理由があります。
どういう人事がエージェントから敬遠されるのかをエージェント経験者に聞いてみました。
①人材要件が厳しすぎる人事
現場からの要望を伝えていると「そのような方は市場にはおらず…」と説明を受けた経験があるかもしれません。これはエージェントの言い訳でも何でもなく、本当に当てはまる人材がいないです。
現場は市場状況を知らずに理想的な人物像を要望します。エージェントからの情報を無視して自社の要望を伝えるだけの人事では、案件が成立しないため敬遠されることとなります。
改善するためには、求人票の作り方記事でご紹介した「必須条件・歓迎条件」を整理することです。
記事内では下記の通り記載しました。
採用担当を採用する際、歓迎条件まで経験している人が理想ということは分かりますが、歓迎を必須にしてしまうとグッと候補者が減ってしまうことは容易に想像がつきます。
現場からの要望を書き出して、何が最低限必須になるのかを整理しましょう。必須条件は多くても3つ程度でないと、候補者は見つけにくくなると思います。
②状況確認だけしてくる人事
求人の依頼を出してから音沙汰が無いと不安になりエージェントに連絡をすることはありませんか?「紹介出来る方がいらっしゃればすぐにご連絡します!」という言葉に安心してそのまま放置…という人事は、エージェントから連絡をもらえないままとなります。
音沙汰が無いということは、現状では紹介出来る登録者がいないということです。何も状況が変わらなければ紹介はできないままですよね。状況が変わらないまま確認の連絡を何度も受けていると、エージェントとしてはプレッシャーだけを感じてしまい敬遠されることとなります。
エージェントが注力したくなる人事
私は、エージェントは求職者のリアルを教えてくれる心強いパートナーだと思っています。敬遠を防ぐだけではなく、自社を注力してもらえるような関係構築が必要だと考えていますので、そのために何をすべきなのかをお伝えします。
①状況を打開する情報をくれる人事
先ほど状況確認だけする人事は敬遠されるとお伝えしましたが、人事が紹介できない状況を打開するきっかけを作れると、頑張ろうと思ってもらえるそうです。
条件が厳しすぎるのか、年収が合わないのか、経験者が少なすぎるのか、何かしら理由があるはずなので、エージェントに何がネックになっているのかを確認して、条件を変更出来るところがないか現場と調整すると良いです。
私は、選考結果を「スキルアンマッチ」だけではなく何がアンマッチだったのかを選考担当者からヒアリングし、エージェントに伝えていました。またエージェントからのフィードバックも現場に伝え、必須・歓迎条件を微調整することを心がけています。
エージェントに注力してもらうために、期間限定で紹介手数料を上げるという施策をしている人事もいますが、状況が変わらなければ紹介もできないのであまり意味がないそうです。
エージェントとしては、一時的な手数料の増加よりも、登録しているが内定が決まっていない求職者を紹介していく方が優先されるとのことでした。
②(中小の場合)知名度が無くても面談の機会をくれる人事
中小エージェントの場合、基本契約を結ぶこと自体が難しく、話も聞いてもらえないことが多いそうです。人事からすると、よく知らないエージェントと契約してもやり取りが増えるだけで面倒という印象があります。よく知らないというだけで話を聞かないのは、求職者と出会う機会を奪ってしまっているかもしれません。
中小エージェントは担当件数が少ないので、確度の高い求職者を数名、丁寧に紹介してもらえます。私は、専門職やハイクラスなど、そもそも全体数が少ない職種を募集する際は中小エージェントに依頼していました。
専門職は条件に専門用語が入ってくるので、特化型のエージェントであると話が通じやすくてやり取りしやすかったです。
とはいえ、時間が無い中で誰とでも会うことは難しいです。その場合は、営業を受けた段階で求人票(もしくは募集要項が分かるもの)を提示して、そのような人材を紹介出来るのかを確認し、紹介出来るのであれば会ってみると良いでしょう。
③求職者に魅力を伝えられる入社後のストーリーを教えてくれる人事
エージェントに依頼する大きなメリットとして、求人票の情報以上のものを人事の代わりに求職者に伝えてもらえることが挙げられます。
仕事内容や条件は読めば分かりますが、それだけでは他社と差別化が出来ず、条件だけで比較されてしまいます。文字で伝えられることは限りがありますが、エージェントという第三者からの視点で自社の魅力を伝えてもらえると求職者の目に留まりやすくなります。
エージェントが求職者に企業の魅力を伝えるにあたり必要な情報が「入社後のストーリー」です。入社後すぐはどのような仕事が任されるのか、何が求められているのか、何年後にどのようなキャリアを描くことが出来るのかなど、具体的な情報があると求職者担当は熱を入れて求職者に伝えることが出来るそうです。
求職者担当は、求職者のキャリアをヒアリングした上で、その人に合った会社のストーリーを語り、応募への最後の一押しをします。そのため、会社ストーリーを伝えらる企業は成約率(内定率)も高いとのこと。
エージェントが欲しいのは求職者に語れるストーリー
紹介してもらうために条件のすり合わせを現場と行うことは必須で、その上で自社のストーリーを伝える準備をしておきたいです。
口頭で伝えると情報量が多くなってしまうので、資料を渡すことが出来ると、求職者担当が資料を見ながら説明をしてくれるので、候補者の確度が上がると思います。
Crepeではエージェント向けの「採用ストーリーブック」作成もお手伝いをしています。
採用ストーリーブックを作る過程で、自社の情報が整理され、採用関係者の認識合わせも出来るので一石二鳥です!
入社後のストーリーを伝えてエージェントにも自社のファンになってもらい、関係構築をしてみてください。
ご興味がある方は下記のお問い合わせよりご連絡ください。
私も今回エージェント経験者からお話を伺って初めて知った裏側もありました。人事は自社にマッチした人材を採用したい、エージェントは登録者がイキイキと働ける職場を紹介し、営業目標を達成したい。
目指すところは同じなので、お互いが協力し合って採用活動が出来るように関係構築をしていきたいですね!その方が社外にも仲間が増えて心強いです!
それでは次回もお楽しみに!
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