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教育エビデンス: いじめの抑止
ソーシャルエモーショナルラーニングの効果について以前の記事でまとめましたが、その中でも「いじめの予防・抑止に効果のあったプログラム」についてご紹介します。
キーテーマ
いじめ・ソーシャルエモーショナルラーニング
結論
アメリカで実施されたいじめ防止プログラムのうち以下については、いじめ抑止について強いエビデンスが認められている。
Class-Wide Function-Related Intervention Teams (CW-FIT)
多層的なクラスルームマネジメントプログラム
>このプログラムでは、グループコンティンジェンシーとセルフマネジメントに重点を置いている
>生徒はチームに分けられ、課題を続ける、クラスメートの不適切な行動を無視するなど、セルフマネジメントスキルを活用するための目標が設定される
>目標を達成したチームにはポイントや小さなご褒美が与えられる
>集団行動で十分に対応できない生徒を対象に、目標設定、自己監視、自己評価、自己強化などの戦略を用いるよう生徒に促す「ヘルプカード」を用いる(たとえば、課題を続けられたとき、あるいは他人の不始末を無視できたときに、静かにお祝いするようカードに書いておくなど)
>教師は2時間の初期研修を受け、その後コーチが訪問し、プログラムの忠実度についてフィードバックを与える
>いじめなどの問題行動だけでなく、成績や人間関係にも強い効果が認められている
以下の4つについては強いエビデンスとまではいえないが、将来有望である。
Take the Lead
いじめ防止を目的とした16授業時間のソーシャルエモーショナルトレーニングプログラム
Second Step
攻撃的な行動のリスクを減らすことを目的としたスキルに焦点を当てたSELプログラム
Youth Matters
ソーシャルスキル指導によるいじめ防止プログラム
Student Success Skills (SSS) (Universal) - Social-Emotional Learning
少人数の生徒とカウンセラーのグループで実施するプログラム
実験デザイン
ジョンズホプキンズ大学の研究所がいじめの予防・抑止を目的とし、効果測定が実施された複数のプログラムを分析し、強いエビデンスがあると認められたものを選定した。
エビデンスレベル:ランダム化比較試験
編集後記
いじめがいかに悪いのかを教えるというよりも、人とのコミュニケーションや自分の感情との向き合い方のトレーニングやグループ全体での取り組みが多いことが印象的でした。また強いエビデンスのある1つのプログラムも有望なプログラム4つのうち3つも成績向上に効果があったことも興味深いです。いじめの予防や抑止はどこの国でも喫緊の課題です。すでに他の国で効果があったことがわかっているプログラムをよく知ることは日本独自のプログラムを作る際にも有効なのではないでしょうか。日本のコンテクストにあったプログラムが多く生まれ、効果検証されること、その結果効果の高かったプログラアムが広まり、いじめが発生してしまう構造を変えることができる日が早くくるといいなと思います。
文責:識名 由佳
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過去記事のまとめはこちら
Attendance | Evidence For ESSA. Retrieved July 26, 2022, from https://www.evidenceforessa.org/programs/attendance