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国際比較 いじめ

しばしば社会問題として取り上げられる学校でのいじめ。ソーシャルメディア上など大人の目の届きにくい手段も増えている中で、いじられていると感じている生徒はどのくらいいるのでしょうか。日本はいじめの多い国なのでしょうか。今回はOECDのいじめに関する国際比較をご紹介します。

結論

「少なくとも月に数回は何らかのいじめ行為を受けている」と回答した日本の学生の割合(17.3%)はOECD諸国平均(22.7%)よりも低い

日本で「少なくとも月に数回は何らかのいじめ行為を受けている」と回答した生徒の割合

女子<男子
経済的に有利な生徒>経済的に不利な生徒
成績高>成績低

調査対象国全てで、女子よりも男子の方が「少なくとも月に数回は何らかのいじめ行為を受けている」と回答した割合が多い

多くの国で、成績の高い生徒よりも成績の低い生徒の方が「少なくとも月に数回は何らかのいじめ行為を受けている」と回答した割合が多いが、日本と韓国は逆

多くの国で、経済的に不利な生徒よりも経済的に有利な生徒の方が「少なくとも月に数回は何らかのいじめ行為を受けている」と回答した割合が多いが、日本、マルタ、インドネシアは逆

低い国:韓国(9.4%)オランダ(12.2%) 台湾(13.3%)
高い国:フィリピン(64.9%)オランダ(50.1%) 台湾(41.1%)

どんな生徒がいじめられているのか

A 女子ー男子
B 経済的に有利ー経済的に不利
C 中学生ー小学生
D 移民ー非移民
E 成績高ー成績低

いじめられている割合

濃い青:前者>後者
薄い青:前者<後者
白:同じ
黒:データなし

多くの国で、男子、経済的に不利、小学生、移民、成績の低い生徒がいじめにあっていると回答した割合が高い

しかし日本では、経済的に不利な生徒よりも経済的に有利な生徒、成績の低い生徒よりも高い生徒の方が、いじめにあっていると回答した割合が高い

分析手法
15才の生徒(日本の場合は高校一年生)に対するアンケートの国際比較(2018年のデータ)

下記の1〜6の質問のどれか1つ以上に「月に数回」または「週に1回以上」と答えた生徒の割合

(1)他の生徒から仲間外れにされた
(2)他の生徒にからかわれた
(3)他の生徒におどされた
(4)他の生徒に自分の物を取られたり、壊されたりした
(5)他の生徒にたたかれたり、押されたりした
(6)他の生徒に意地の悪いうわさを流された

編集後記

調査国平均の22%より少ないとはいえ17%の高校生が、日常的にいじめにあっているというのは悲しいですね。いじめを減らすためには、どのような状況でどのような生徒がいじめにあいやすいか現状把握が大切です。日本と韓国だけ成績の良い生徒の方がそうでない生徒の方がいじめられやすいというのは他の国には見られない特徴ですが、何故なのでしょうか。

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文責:識名由佳

参考文献
https://www.oecd-ilibrary.org/sites/cd52fb72-en/index.html?itemId=/content/component/cd52fb72-en


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