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自分で学ぶ人になるために大切な三つの要素①学習方略
今の小学生が大人になった時につく職業の多くは2025年現在まだ存在しないだろうと言われています。当然、現在子どもたちが学校で学んでいる内容だけで、まだ存在しない職業に備えるのは難しいでしょう。そのような時代において重要なのは「Learn how to learn (= 学び方の学び)」です。OECDは、変化の激しい世の中において自分で学び続けることのできる人になるために「学習方略」「モチベーション」「自信」三つの要素が大切だと指摘しています。今回は「学習方略 (Leaning Strategy :学びの効果を高めるための意図的な進め方や工夫)」に関する調査について紹介します。
結論
「わからないことがあった時に質問するか」
成績優秀者ほど「わからないことがあった時に質問する」傾向が大きい。(成績上位者は52%、成績下位者は40%以下。生徒の社会経済地位の影響はコントロール済)
日本では、成績上位者下位者ともに他の国に比べて「わからないことがあった時に質問する」割合が低い
「セルフモニタリングする」
成績優秀者ほど「問題を解いたあとに間違いがないか確認する」傾向が大きい。(成績上位者は71%、全体平均は64%。生徒の社会経済地位の影響はコントロール済)
「多角的に考える」
成績優秀者ほど「対立した意見がある場合、正しいのは一つだけだと思う」という文章に対して同意しない傾向が大きい。(成績上位者は57%、成績下位者は31%。生徒の社会経済地位の影響はコントロール済)
OECD加盟国平均全体で「対立した意見がある場合、正しいのは一つだけだと思う」という文章に対して54%が同意している
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三角が成績上位者、四角が成績下位者
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みどり:「対立した意見がある場合、正しいのは一つだけだと思う」に反対
分析手法
PISAに参加した15才の生徒に対するアンケートの国際比較(2022年のデータ)
留意点
相関関係を示す研究であり、因果関係を実証する研究ではありません。
編集後記
この多様性の時代に「対立した意見がある場合、正しいのは一つだけだと思う」という文章に対して半分以上の生徒が同意したというのはあまり喜ばしくないですね。目の前の成績も大切ですが、生徒が「自分で学び続ける力」を身につけられるよう「わからないことはそのままにせず積極的に質問したり調べる」「テストの回答を見直す」「多角的な視野から物事を考える」癖づけがますます重要になりそうです。
参考文献
The triangle of lifelong learning. (2024, November 13). OECD. https://www.oecd.org/en/publications/the-triangle-of-lifelong-learning_45ec682f-en.html
文責
識名由佳