第2章 #2 熱狂を呼ぶブランドとは
#1では 「今日からブランド、はじめます」というタイトルで、要約すると、わたしの会社は、ブランド化をめざします、という宣言をしました。
この宣言は、小学校4年生のときに、学級委員に立候補したときくらいに恥ずかしい気持ちがします。なれなかったらどうしよう、があるからです。(ちなみに、学級委員にはなれませんでした。)
でもわたしは、起業して13年経ちますが、今こそ、名乗りをあげよう、と思っているのです。今さらですが、本気でそう思うからです。
実は、今月から社外の専門家にも、当社のプロジェクトチームに入っていただくことになりました。プロジェクトとはもちろん、ヒット商品を作る、ということです。きちんと契約を交わし、毎月、報酬をお支払いした上で、「わたしたちのブランディングを成功させてください」とお願いすることになったのです。
すでに3〜4回の打ち合わせを重ねており、今日はスケジュール共有をする時間のはずでした。ただ、その前に、このブランドが、どの層に向けて、どのマーケットに届けたいものなのか。どのような人たちが、どんなタイミングで価値を感じてもらえるものなのかを明確にしていきましょう、と言っていただき、ハッとしました。
例えば、わたしたちが今、自社で自信をもって直輸入したコーヒーを利用して、オーガニック認証付きのアイスリキッドを世の中に生み出したとしても、きっとそれは、ほとんどの人に知られることもなく、埋もれてしまうと思うのです。宣伝によほどのお金と工夫を投下しない限り。
オンラインショップに掲載したとしても、オーガニックスーパーに陳列したとしても、そこにこのコーヒーでなければ、というような熱狂は生まれないと思うのです。
でももしかしたら、忍野八海(山梨県)のような観光地で、富士山の雪解け水やら、その湧き水を利用して、24時間かけて、水出しで一滴一滴抽出し、且つ、日本でも有数のパワースポットとして知られる新屋山神社(あらややまじんじゃ)でなんらかのご利益をうたったコーヒーだと言ったら、そこには価値を感じていただける方がいらっしゃるかもしれません。さらに、それを飲んで、物事を改善されたという方の口コミがひろがって、熱狂を引き起こす可能性もあります。
こういう霊的なものを利用する考えはあませんが、そういうある種の熱狂を起こすことができる売り方や売場はどこだろうと考えています。つまり、多くの人の感情を動かすことができれば、その商品は、たくさんの人に手にしてもらえる可能性が高まります。
その方法は、案外、キャッチコピーひとつ、またはデザインひとつかもしれません。
果たして、熱狂はそもそも「作れる」ものでしょうか。
仮説を立てて、検証していくしかありません。
まず言えることは、このプロジェクトチームの全員を、わたしは熱狂させる必要があると思っています。それが私の裏テーマです。チームメンバーを熱狂させられなかったら、一般の消費者の熱狂は得られないと思います。
さぁ、今からジムでトレーニングです。
わたし自身も、ブランドの顔になれるように、自分を磨かなければなりません。