1年ちょっとかけて新サービスを開発したら知らないところに着いた
皆様あけましておめでとうございます。sugitaniと申します。
エンジニアとしてこれまで様々なtoCサービスを開発してきましたが、2023年10月末に起業。1年ちょっとかけてショートSNSアプリ ブラックキャット・カーニバル を開発し12月にリリースしました。(略称はブラキャニ)
このプロダクトは手間なくだらだらと見られて、頑張ってないつぶやきでも結構かまってもらえて、いつでも賑やかな場所が欲しい…ショート版のSNSは無いの?という思いから開発したものです。以下の特徴を備えています
フォロー無しのオススメ基本 一人一人のルームをスワイプで巡回するスタイルです
気軽なコミュニケーション 複数の仕掛けにより活発で優しい匿名コミュニケーションが行われています
中学1年生が安全に使えることを目指している 既存SNSの保護のなさに辟易していたのもありますが、そろそろ中学生になる姪でも使えるよう13歳が見るべきでないものはNGというポリシーにしています
詳細は、nostrの民である Segmentさんがまとめてくださっている記事が素晴らしいのでご覧ください!(沢山ある仕掛けを見抜いててすごい)
なぜ開発に踏み切ったのか
転職活動を行った際、できればtoCプロダクトの開発に関わりたいと思っていたのですがそのような案件はほぼ無くなかなか楽しいと思える話に出会えませんでした。
"例えばこんな方向の開発話があれば最高なのだが…" と考えていたらブラキャニのコンセプトを思いついてしまい、作りてーーー!!! と考えていたら副業先より稼働日拡大のご提案をしていただき、それなら作ってしまおう! という経緯で起業しました(法人格が無いといろいろ厄介)。
SNSは巨人が闊歩する市場で、成功させるのが恐ろしく難しいことが知られており全うに考えると普通の企業は参入しない市場です(と思ってたらmixi2さんが来ましたが)
本気で挑むのは戸惑われましたが、幸か不幸かデザインを除き、サーバもクライアントも自身一人で隅々まで実装できる程度の経験があり人件費はほぼ考えなくて良く、低コストでもかなり性能がでるようにも作れるため、損益分岐点を異常に小さくできる、失敗してもダメージは小さい。ならば俺は作らない人生より作る人生を選ぶ。という皮算用で突っ走りました
一年ちょっとの開発期間
バックエンドはCQRS+ESというアーキテクチャを採用し、Scala3 + ZIO2を使って開発しました
アプリは比較的新しく登場したCompose Multiplatformというものを使っています
デザインは最高のデザイン事務所HANDSUM様がご担当くださいました
プロダクトの銘々は、自身がたまたま bcc.cc というドメインをずいぶん昔から保持していたことと、猫が非常に好きなので BC = Black Cat、 Cはなんか楽しそうということでCarnival ということでブラックキャット・カーニバルという名称になりました。
猫を冠するならばかわいくあらねばならぬと、とにかくキュートなUIに仕上げていただきました。
で、これが思わぬ方向の影響がございまして…
思わぬことになった
スクショは自身のルームのものしか載せられないので、できれば実際にアプリを入れて様子を見ていただきたいところなのですがオープン方式のSNSとしてはあまり見たことがないくらい優しい状態になっています
正確な性別情報をとっていないので断定は出来ないのですが女性比率が尋常じゃなく高いように見えます。
それもそのはずで、意識してなかったのですが、やってることをまとめてみると
名称かわいい
見た目かわいい
広告PVもかわいい
主なPR場所はTikTok
アダルトコンテンツや出会いを主目的とする行為が禁止
女性ターゲットで作られたプロダクトにしかみえない…
おかげさまで若人の恋愛模様を沢山観測することになり目を焼かれています(微笑みながら)
なにか困ってるの?
困っているわけではありません。F1層ということになりますから、むしろ狙ってたどりつくのは難しい場所で、喜ばしく感じています。
ただ、ねこはかわいいよね!!!とか、(安全に)気安く声かけたいよね!という己の欲求を追求すると女性に好評だった、というのはかなり不思議なものを感じています。
適当に歩いていたら知らないとこきちゃった…みたいな…
現状のブラキャニとこれからのブラキャニ
現状のブラキャニはDAUが300人程度と非常にささやかですが、既存のSNSのように刺激の競い合いをするのを避け、自然体でも交流が生まれる場所を作る、ということは実現できています。
現時点で、少なからずの需要があることは確認できています。
現時点で、この需要が永続するかは不明です。
現時点で、大きな需要があるのかは不明です。
猫による必然のため平和が生まれていますが、これも永続するかはわかりません。とはいえ維持だけなら運営として厳しめのラインをしけばある程度は維持できるのではないか、とは考えています。
実現できたことや、意図せず発生した穏やかな世界がビジネス的にプラスかどうかはわかりませんが、個人的には露骨なコンテンツや怒りが渦巻く世界は好きではなく、できれば平和なまま商売にできるとよいな、と考えています。
以上です。読んでくださいましてありがとうございました