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事業会社でWEB広告運用する時に押さえるべき3つの基本

営業からデジタルマーケティング部に異動して
もうすぐ4年と半年が経ちます。

現在の業務はWeb広告運用。

異動当初は用語・サイト計測状況など覚えることが多く、社内外の打合せはついていくのがやっとでしたが、先輩たちの仕事から少しづつ広告運用の基本を理解し仕事を進めることができるようになってきました。

今回は事業会社で広告主として広告運用を行う際に押さえるべきポイントは何か整理してみたいと思います。

本記事は代理店を活用して既存事業の広告運用を行っているケースを前提として内容をまとめています。

1.広告運用時に主側がチェックするポイント

1-1.目標と実績を捉える
まずは事業側の売上目標から逆算された獲得広告運用上のKPIを捉える。
├量:サイト成果地点を理解したCV量
├効率:期待売上から逆算されたCPA
├質:売上期待値が高いカスタマー獲得

ここで注意したいのは目標は常に変化し、事業状況によって目標達成の捉え方も変わるケースが頻繁にある点。

web広告運用はSEOが期待したラインまで伸びなかった時のリカバリ施策として動いたり、年度末予算をスポット的に活用したりと最後の調整役になることが多々あります。事業上の目的に合わせて進行することが求められます。

加えてCPA目標の設定には経営側がどれくらいの営業利益を狙っているのか?によって変わってきます。

具体的には営業利益の目標ラインから逆算したROAS目標があり、左記から逆算されたCPA目標が設定される流れかと思います。

そのため、経営側とマーケティング担当者でどれくらいの営業利益率を狙っているのか?認識を合わせる必要があります。

またROASを適切に出すためにCV計測欠損がなく、WEB広告CVと売上をIDベースで紐づけてみることができるデータ蓄積環境の構築も重要かと思います。

1-2.目標と実績の差分を生んでいる課題を整理
代理店と広告主では捉えられる課題が違います。
├代理店:広告メニュー視点の課題整理
├広告主:ユーザー・事業視点の課題整理

web広告領域に限定しても広告主の抱える課題感は様々。

コロナ禍前後で変化するユーザー活性化状況や年々競合が増えてレッドオーシャン化するカスタマー獲得環境。

競争激化する運用型広告、獲得ペースやクリエイティブ面がアンコントローラブルなアフィリエイト広告。

改正個人情報保護法に伴う情報セキュリティ、ITPに関連した計測欠損…etc。

広告主側は事業上の課題感を代理店に適切に共有し目線を合わせていく。また課題は短期-中期で切り分けて説明していく。

加えて外部パートナーに適切なアカウンタビリティを果たす上で担当者自身がどれだけユーザー・競合・自社のサービスや事業動向を捉えることができているか?も大切なポイントだと思います。

1-3.課題を解消する施策を短期-中長期で設定する
代理店から提案を求めるだけでなく、両社で意見やアイデアを持ち寄ることが大切。

加えてアイデアを出す上での観点は積極的に広告主側から出し、ツールのベストプラクティスは代理店に考えて頂く。

この際に大切になるのは自社サイト(アプリ)の構造把握。特にカスタマーの会員登録や各ページに遷移する導線理解。

1-4.課題に対する施策が適切に洗い出せているかチェックする
整理する際の観点は以下。

・ターゲティング
配信面、検索キーワードを拡大しリーチできる
カスタマーを広げることはできないか?

・ビッティング
CPCを上げて、広告表示数増やし
広告表示位置の上昇を狙えないか?

・クリエイティブ
広告文/広告バナー/LPO等で
CTR、CVR改善が狙えないか?

1-5.洗いだした施策が改善期待値高いところから進行できているかチェック
期待効果×工数を捉え適切に優先度をつけて進行していく。

※留意点
代理店側はビジネス力学上もっと出稿してほしいというバイアスが働いていることに注意。

2.リスティング広告の指標把握

2-1.指標と意味
下記が広告運用時に捉えるべき指標。
特にインプレッション数、CTR、CVR、CPA、CPM、CPCは良く出る用語。

2-2.CPAに関して補足
CPAはCOST÷CVで導ける。この式を書き換えることで別の計算式を導くことができる。

まず式の分母であるCVはCLICK×CVRという
計算式でも算出可能。

更に分子のCOSTはCLICK×CPCという
計算式でも算出することができる。

あとは分母と分子にあるCLICKを約分することで
CPA=CPC÷CVRという計算式が成立する。

つまり、CPAを改善したい場合は、cpcを下げるか、CVRを上げるかの2パターンの改善方法がある。

3.リスティング広告 運用時に見るべきポイント

目標CPA内でのCV獲得最大化を目的と考えて
運用改善を行う場合は下記に留意して進行する。

3-1.観点ごとの最適化
3-1-1.配信拡大
・キーワードの入札単価を引き上げる
・新規キーワードの追加
・予算上限の引き上げ

いずれも広告の表示回数や表示場所を
増やすことができる。

3-1-2.CTR、CVR改善→獲得効率の改善
・広告バナーのクリエイティブ最適化
・LPのクリエイティブ・UI改善
・フォームの最適化

3-1-3.CPC(クリック単価)を下げる
・入札単価を下げる。
・品質スコアを上げ、広告スコア向上(※)
・配信方法を最適化する。
・除外キーワードを活用する

キーワードによって、CPC平均相場は異なる為ターゲットの絞り込みや競合が少ないキーワードへ入札し、最適な配信方法を検討することでクリック単価を下げる。

またCV見込みの低いキーワードへの入札をやめて広告費の無駄な消費を抑える。

※品質スコア改善による広告スコア向上について
品質スコアを決める具体的な要素は以下の3つ。
—————————————————————
・クリック率(CTR)
・入札キーワードと広告文の関連性
・LPの関連性やユーザビリティ—————————————————————

これらチェックポイントによって、1~10の品質スコアが決定され、更に品質スコアに入札価格が掛け合わされた結果で掲載順位が決まる。

また品質スコアについてここで覚えておきたいのは、品質スコアは直接的に入札単価の引き下げや
掲載順位の向上には作用しないということ。

直接的に入札オークションに作用するのは『広告ランク』であり、その広告ランクを決める要素の1つが『品質スコア』。

広告ランクはリスティング広告の管理画面で確認することができないため、目に見える改善するべき指標として、品質スコアを意識した運用が大切。

4.最後に

自分と同じように営業職からデジタルマーケティング職に職種転換して1から頑張ろうとしている人にこの記事が参考になれば幸いです。

また本記事をまとめる上でANAGRAMSさんの
記事が大変参考になりました。これから広告運用を学ばれる方は是非サイトに訪問されてみてはいかがでしょうか。

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