新聞連載の「暮らし百景」終了の話
当たり前の日常や、そこにあったものがなくなって、初めて「うわっ」と気が付く、大きなことより小さなそんな「無くなり」がとても辛い。
11月11日、中国では独身の日、日本ではポッキーの日、その日に「終了」となったのは、新聞に広告として不定期連載されていた、花王プレゼンツのエッセイ「暮らし百景」。
314回の連載回数で終了。
どんなエッセイだったかというと、、、
以前の内容は忘れてしまっているけれど、通り過ぎるような感じだけれど、ちょっとほっこりする話で、花王という会社の販売には直接貢献はしないけれど、そして気をつけないと花王プレゼンツもわからないけれど、そのエッセイを朝電車で読んでいると「お、頑張ろ!」と思うような内容だった。
最終回の内容は。。。
「用事を終えたサラリーマンが、たまーに行く喫茶店に行ったら、35年間ありがとうございました。10月末で閉店します の張り紙。そのサラリーマンは自分がしばらく来なかったことに後悔し、そして自身もこれから転職か再就職かの面接を受けるところで、生き方の選択を迫られることを痛感する」という起承転だ。
結部分では「サラリーマンが立ち去る際に、マスターに謝意を述べると、マスターは信州に帰り、小さな店をやるという。サラリーマンは春風の吹く頃、信州の店へ行くことを想う」となる。
重くないのがとても良かった。これからこの「暮らし百景」に出会えない今、そう想う。
なんだか、塞いだ気分で道を歩いているときに、知り合いに「スギちゃん、会社か?気をつけてな。今度飲もうな」と言われて、ふっと目の前が晴れるような、重くなく、雲がすすっと切れる感じ。
でも終わるならば「暮らし百景」は314回で終わって良かった。
315回終わったら、315=「サイゴ」だから。「サイコー」かもしれないけれど。
314回は、314=「サイショ」でしょう。
別れは出会いの始まり。
「それぞれの旅路」
それが「暮らし百景 第314回」のタイトルだった。
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