探偵ナイトスクープの昔を知っている人でこの方を知らない方はいないだろう。 しかし、いつのまにかにテレビ(お茶の間)から姿を消し(山に5年籠ってたそうです)、最近は大学の講師や書動家(誤字ではありません)としてお見かけすることが増えました。 先輩、KBSの収録の際にたまたま邂逅があり、この本を読ませて頂きました。 ・徹底した現場主義、そして徹底したフリーランスとしての企画のプロフェッショナル。 ・個に生き、公を笑わす。 ・斜めの師匠を作る。 ・仕事は縁から創る(計画的偶
【香里ヌヴェール学院中学・高等学校】という高校をご存知でしょうか。寝屋川にあるキリスト教立の元女子校、現在共学の私立高校になります。 結論を先取りすると、当該高校は、2015年に一度は廃校が決定するも、20年以上続いた【赤字経営を3年で建て直し】、一時は55名まで減少した【入学者数を313名(2023年度)まで回復】させ、【海外の大学への進学者は0名から20名強を送り出す】という実績を出し、現在注目を集めています。 その仕掛け人であり、リーダーこそが、若き校長であり、本書
4月30日の報道(総務省調査)で2022年度において、自己都合で仕事を辞めたのは地方公務員が1万2501人で2013年度(5727人)に比べ、この10年で2.2倍となったことが分かりました。 そんな状態を少しでも改善するために参考になりそうなのが本書のような「公務員×キャリアデザイン」の観点。 より正確に言うと、キャリアだけでなく、ワーク×デザイン、人間関係×デザイン、こころ×デザイン、プライベート×デザイン、キャリアデザインと5つのデザイン軸で本書は展開(収録)されます。
2025年から入試が大きく変わります。とりわけ大学共通入学テストにおいては、「情報Ⅰ」が追加されるだけでなく、数学では「数学C」が復活、「地歴・公民」の科目再編、国語の試験時間延長など、名称が変わった数年前とは段違いの変化が起きます。 加えて、総合型選抜や学校推薦型選抜、前期後期試験の内容のあり方もどんどんと変わっています。また、今後もずっと変わりゆくでしょう。 背景にあるのが新学習指導要領で謳われる「学力の3要素」。すなわち、①知識・技能、②思考力・判断力・表現力、③学
アンビシャスと聞けば、Boys be ambitious。すなわちクラーク博士がいた北海道を思い起こす人が多いだろう。その通り、この本の舞台は北海道である。 しかし、札幌ではない。舞台は人口約6.5万人の北広島市である。 そして表紙やタイトルにある通り、この本はプロ野球団日本ハムファイターズの新球場をめぐる誘致合戦がテーマであり、ノンフィクションの作品となっている。 この構想が発案のは2010年。その構想から2018年に実際の誘致が決まるまでの日本ハム側、誘致合戦を繰り
幸福度調査でトップ3常連国。2022年・2023年と2年連続で「国際競争力1位」に選ばれた国。それでいて千葉県よりも人口の少ない国。 これが本書のテーマであるデンマークである。 何より気になるのは「16時に帰る」この一文であろう。 その答えはシンプルで、ワーク(仕事)の目的は「ライフ(人生・生活)」を充実させることにあると合理的に考えるから。言い換えると、「ワーク」のために「ライフ」が犠牲になっては本末転倒との考え方がデンマークでは当たり前のようになっているからである。
「福知山の9号線沿いにある美味しいたい焼き屋さん」 といえば、京都北部の方には通じるでしょう。 あの鯛焼き屋さんのオーナー、山本隆司さんの処女作。 最初からたい焼き屋さんを営んでいた訳ではなく、最初のキャリアは高校の先生。そして、その次は営業勤務を挟んで、吉野家の様々なお店の立ち上げ店長を経て、福岡発の日本一たい焼きと出逢われたというご経歴。 高校時代に野球部の補欠のキャプテンとして福岡で2位まで上り詰めているというキャリアも面白いですよね。 福知山野花店を皮切りに
投票に迷った際には、4P、すなわち ・Party(支持政党) ・Policy(政策争点) ・Personality(人柄等候補者の属性) ・Performance(過去の業績) を注目すること、というメッセージは分かりやすくて良いですね。 一方で、OECDの調査によれば、日本の閣僚の平均年齢は62.4歳でOECDの中で最高齢であることが指摘されている「政治家の高齢化」も著しい。 もとより閣僚は能力や資質よりも基本的に当選回数や派閥の力学(推薦)で選ばれることがそ
少しブームは去った感はあるが、気になりながらも読む機会を逸していた1冊。 タイトルにもあるが、最大の貢献は「人新世」という言葉を日本中に浸透させたことにあるのではと思う(最後は「資本新世」という言葉も登場)。とはいえ、この言葉は斎藤氏のオリジナルな造語ではない。ノーベル化学賞受賞者のパウル・クルッツェン氏の言葉で、【人間たちの活動の痕跡が、地球の表面を覆い尽くした年代】という意味である。 本書は50万部を超えるベストセラーになっているので、本の内容の紹介は割愛する。アプロ
(前編はこちら) https://note.com/sugioka0617/n/nc27d51fd3cff 第5位 現場重視の行政委員 2023年も様々な自治体の委員として政策づくりの支援をさせてもらいました。全て書くと冗長になるので、新規案件だけ以下、記します。 ・京都府明るい選挙推進協議会委員 ・京都府令和5年度「ALL KYOTO FES」企画・運営・広報業務に係る公募型プロポーザル外部有識者 ・大阪・関西万博きょうと推進委員会若手部会(仮称)委員 ・一般社団法人
師走は大晦日ですね。 今年も記録に残すために2023年の1年間の振り返りをここ(note)に記しておこうと思います。 第10位 相次ぐ親戚の入院 今年は親族の入院・手術が相次いだ1年でした(私は幸い人間ドックでほぼ何も引っかからずですみましたが)。 一件は脳梗塞入院。幸い初期で見つかり入院できたので、大きな後遺症も残らずに済みましたが、発見が遅れれば言語障害が残るところでした。 もう一件は内臓出血による入院。家族で緊急帰省しました。ただ、大きな病院に転院後の検査で癌の
陶芸家であり、経営者であり、コンサルでもあるSHOWKO ショウコさんによるコミュニケーション論本。 ・言葉を磨くとは感性を磨くこと。 ・言葉で考え、言葉で分かち合う。 ・言葉を丁寧に扱えば、自分も世界も幸せになる。 ・私らしい言葉を身につける。 ・他者を認め、自分の軸を持ち、豊かに生きる。 職業や業界は違うが、私も日々言葉を商売道具にしているからだろうか。 表紙や帯から入ってくるこれらの言葉だけでも共感するところが多い。 また、自分らしく話すための手法として紹介されて
中貝宗治氏が上梓した『なぜ豊岡は世界から注目されるのか』、平田オリザ氏が上梓した『但馬日記』。先行するこの2冊と本書を合わせて 『豊岡三部作』 ときっと後世呼ばれることになるだろう。 中貝宗治氏の『なぜ豊岡は世界から注目されるのか』が豊岡全般、平田オリザ氏の『但馬日記』が演劇やアートから見た豊岡論とするのであれば、本書はジェンダーギャップ解消から見た豊岡論という位置付け(ポジション)である。 ただ、先の2冊と決定的に違う点がある。 それは今回の主たる執筆者である大崎麻
数年前に視察させて頂いた無料塾「八王子つばめ塾」を10年以上運営する小宮位之さんによる待望の書。 なぜ無料塾でなければならないのか? どうすれば無料塾が続くのか? 無料塾という言葉を見れば、誰もがこの2つの疑問が浮かぶでしょう。 無料塾とはその名の通り、子どもたちは一切お金を払わず学ぶことができます。加えて、食糧やちょっとした生活費の支援もしてくれます。高校生には資格試験の受験料の肩代わりや大学合格者への教科書代支援もしてくれます。 一方、教える教師側の給料や家賃は0
サブタイトルだけでどの企業を取り上げているかが分かる人は、通の人ですね。 結論から言えば、この本で取り上げられる企業は京都信用金庫一社です。 日本で初めてコミュニティバンクを標榜し、業界初でノルマを撤廃し、お客様視点と対話を軸に経営。そして、理事長が変わるごとにおせっかいバンカーとして深みに磨きがかかる京信。 私も榊田理事長はじめお世話になっている方が何と多いことか。 本書は、そんな京信のネットワーク、コミュニティ、ネガティブ・ケイパビリティ、リーダーシップをキーワー
男もすなる日記というものを…の「土佐日記」の現代版と言えば、やや表現が大袈裟かもしれないが、「人の日記は手を加えれば作品になる」ということがよく分かる一冊であった。 作書は劇作家、演出家の平田オリザさん。 東京都生まれ東京育ちなのに、ひょんなご縁で隣町・豊岡に移住し、3年前にできた芸術文化観光専門職大学学長に就かれている。 平田さんと言えば、劇団「青年団」を結成し、戯曲と演出を担当するほかこまばアゴラ劇場の経営者、日本各地の学校におけるコミュニケーション教育でも有名。しか