2021ファジアーノ岡山にフォーカス2「2021編成評価」
1、 前書き
さて、いよいよJ2の開幕まで1週間切りました。各方面の情報や評価が出て来ましたが、残念ながらファジアーノ岡山への評価は、とても高いとは言えない状況です。そういった第三者の評価と比べて、ファジアーノ岡山をJFLから観てきた私の目から見てどうか。監督・GK・DF・MF・CFと編成をまとめて来ましたが、今回は、2021シーズンのファジアーノ岡山の編成の総合評価という形で、今回の記事を書いていきたいと思います。それでは、よろしくお願いいたします。
2、各ポジション評価
この項の以下からこの項の終わりまでは、ここまでまとめた各編の文章へのリンクと、各編の文章から重要部分を抜粋する事で、各ポジションの評価としたいと思います。
2021ファジアーノ岡山にフォーカス2「2021編成評価」Part1:監督・GK編
詳細は、こちら。
・監督総評:充実度(A)
選手の持ち味を引き出すのが巧く、長所を伸ばすチーム作りに長けた監督。同時に、チームに合う選手の補強も巧く、強化部との連携も◎。過密日程の中、ロングパスに頼った攻撃から、組み立ても出来るチームの土壌を構築。有馬色の強い選手が揃った3シーズン目に、資金力や下部組織のしっかりした他チームに、どこまで戦える楽しみであり、チームが噛み合えばプレーオフ以上進出という結果に、期待したい。
・GK総評:充実度(B)
編成を見ると、総合力が高く、豊富な経験を持った13金山 隼樹、将来性と戦術適合率の高い31梅田 透吾。岡山を良く知る1椎名 和馬。未知数だが、21馬渡 洋樹も控える編成。岡山のGKの強化方針は、実績より将来性とチームスタイルを重視している傾向にある。今季は、昨季の正守護神が移籍し、不安もあるが、編成選手の実績やプレースタイルを考えると、例年に負けない可能性もある。4人体制でもあるので、31梅田 透吾次第では、A評価にも成り得る。他ポジション以上に若手の活躍が光ってきた岡山だけに今季のGK陣にも期待したい。
2021ファジアーノ岡山にフォーカス2「2021編成評価」Part2:DF(CB・左右SB)編
詳細は、こちら。
・CB総評:充実度(C)
少数精鋭の4人体制。絶対的なCB不在であるのも事実ではあるものの誰が出ても一定のパフォーマンスが期待できる少数精鋭を実現出来た初のシーズン。夏場での緊急補強のオプションも持っているとは思うが、まずはこの4人で戦う事での相乗効果を促す狙いがある事は間違いないだろう。守備的なCBの4濱田と33阿部、攻撃的なCBの8田中と5井上。監督には、対戦相手に応じて、選手の組み合わせを弄りつつ、結果と育成の両面をも追い求めて欲しい。そして、安定した堅守構築と、ビルトアップの出来るチームを目指して、1年間戦い抜いて欲しい。
・左SB総評:充実度(C)
41徳元を軸に、年間戦いきる事を軸に考えた構成。42試合近く、アクシデントなく、戦い抜ければ、攻守で安定したパフォーマンスが期待でき、岡山の武器と成り得る。その逆となった場合は、補強及び試行錯誤が必要となる。CBの4人体制とは違い代えの効かないポジションとなっている。攻守で、左サイドの主導権を握る時間をどう作るかというテーマと共に、41徳元と他の選手をどう起用していくかが、年間のテーマとなる。
・右SB総評:充実度(C)
人数こそ揃っているが、左SBと違い絶対的な選手が不在ではある。本職の右SBが飽和状態ではあり、上積みが難しい状況である。有馬監督の目指すサッカーを考えると、基本的には39増谷と16河野の2人を軸に考えたいが、右サイドで主導権を握るという点では、少し物足りない。攻撃参加の回数に対して、クロスでのアシストが少なく、オーバーラップからのミドルシュートなどの得点が無かった事に対する答えが、16河野の獲得のみであるのは、少し不満ではある。それでも、有馬監督の下で獲得した選手は、良く活躍する傾向にあるので、16河野もそういった活躍を魅せてくれるのではないかという期待も大きい。
・DF総評:充実度(C)
攻守共に良いものが持っている選手が揃ってはいるが、少し不安の多い編成となっている。良い時期には調子よく勝てるかもしれないが、1つアクシデントへのリスク管理が甘い。DFは、ミスが致命的なポジションであり、リスクは小さいほうが良い。4濱田を軸にしたい所ではあるが、昨季の様に年間通して活躍できたシーズンは少ない。そう考えると、夏場での補強も視野に、チームとしての隙を消すチーム作りを進め、チーム力を高めていきたい。育成や選手の持ち味を引き出すのが巧い有馬監督とはいえ、その手腕に求められる育成の比重が大きく、どこまでその役割を果たせるかが、チームの浮沈を左右する事になるだろう。それでも伸び代は大きく、巧く戦う事が出来れば、来季に繋がる基盤を作る事も可能となるので、その辺りに、期待したい。
2021ファジアーノ岡山にフォーカス2「2021編成評価」 Part3:MF(DH・CH、左右SH・OH)編
詳細は、こちら。
・DH総評:充実度(B)
6喜山の静と知の安定と、26パウリーニョの動と力の安定。タイプは違うが、歴代の岡山でも中盤に安定を守備から生み出せる歴代屈指のDHが、揃っている。歴代のDHと比べて、得点力は見劣りする部分はあるかもしれないが、守備の安定や奪取力は、屈指の実力がある。この計算できる両選手のコンディションの良い状態を維持できれば、安定した戦いができ、勝ち点を積み重ねていく事も可能。後は、対戦相手や日程により、スタメンを変更しつつ、若い29劉に実戦を積む機会を増やす展開が理想である。DHとして、守備から入り、攻撃を下支えする事で、得点力不足の打破に期待したい。
・CH総評:充実度(B)
運動量とフリーランに特徴のある選手の17関戸と7白井を擁する点は、岡山史上最強ではあるが、キック精度に特徴のある選手は、29疋田のみという構成。中盤における長短のパスと、ミドルシュートは、必要な武器であり、大きな展開からの脱却を計った昨季から一転して、新人で獲得。チームとしての幅を広げる意味で、29疋田には、期待がかかる。チームとしての幅と伸び代が武器である有馬監督の方針として、7白井を軸に、状況に応じて、17関戸はもちろん、29疋田にも出場機会が早い段階でも不思議ではなく、実力者揃いで、満足の行く編成。
・左SH・OH総評:充実度(C)
14上門のバックアップ(90分間走り切る選手)不在という事で、層の薄いポジションである。ただ、巧く起用すれば、違いを出せる2選手であり、面白い選手が揃っている。昨季以上の活躍に期待したい14上門と、限定的ではあるが局面で力を発揮できる25野口の可能性を如何に広げることが出来るかという2点に期待することとなる。緊急時には、他のポジションから引っ張って来て、対応する事になる。理想は、14上門が一年間怪我なくスタメンとして試合数重ねて、25野口も経験を積むことが出来れば、大きな武器となる可能性を秘めた編成と言える。
・右SH・OH総評:充実度(B)
ドリブル・パス・シュートのどれも光るものがある新10番の10宮崎。強い精神力と、ドリブルに特徴のあるルーキーの27木村、ユースの道筋を作るために初出場を目指す35山田という構図。岡山での実績のある選手は不在ではあるが、金沢の実績のある10宮崎への期待は大きい。27木村はルーキーであり、プロとしてどこまでやれるか未知数。35山田は、まだまだこれから。そういった意味で、どれだけやれるのかという不安は確かにある。しかし、それ以上に、どれだけやってくれるのか、どういった変化を岡山にもたらしてくれるのか。そういった期待の方が大きい。良い選手が、揃ったポジションであると思います。
・MF総評:充実度(B)
昨季のテーマであった競争がチームのレベルの向上に繋がるという狙いの編成でしたが、過密日程と怪我人の多さで、パフォーマンスを維持するのがやっとで、サッカーの方向性を共通理解として、浸透させるに留まったMF。その点、今季は、競争からの進化が期待できる編成。特に2列目の得点力増に期待でき、他ポジションも兼ねていたボランチもボランチに専念し易い編成となっている。運動量を維持しつつ、距離感を大事にし、攻守のバランスを保ち、2列目で違いを出す。各ポジションに個性豊かな選手が揃っている。有馬監督が、どういった判断を下し、どういったサッカーを志向するのか楽しみである。
2021ファジアーノ岡山にフォーカス2「2021編成評価」 Part4.FW(ST・WG、CF)編
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・ST & WG総評:充実度(C)
計算できる選手2人を軸に考えたいポジションであるが、基本的には動きがなかったポジション。昨季の得点力不足を考えると、少し物足りなく感じる。よって、基本的には、他のポジションからのスライドを選択肢の比重は大きく、内と外のチャンスメークの変化だけでは甘いと感じられれば、積極的な変化を選ぶ可能性も高い。また、得点力が伸びなければ、夏場の補強も考えたい。ただ、18斎藤と15山本の2人のパフォーマンスは、非常に安定しており、怪我明けの昨季よりコンディションが良く、2人で半々を基本方針として、戦って行く事になるが、この2人で、今季を戦い抜くのも悪くない。
・CF総評:充実度(B)
9李を脅かすCFと言える存在は、長澤元監督体制及び有馬監督体制でも、脅かされる事はなかった。常にCFは、9李を軸にチームを作られていた。そこに今季は、清水から怖いもの知らずの若武者の20川本の加入。そういった意味で、CFにも競争が生まれるのではという編成は、楽しみなポイント。32福元も高さや運動量、献身性の部分で、出場機会はあると思うので、9李と20川本の競争に、割って入れる様に32福元のアピールに期待したい。今季のCFのパワーは、岡山史上屈指だと思うので、その辺りに前面に出して、戦えれば、互角以上の戦いも十分できる編成。
・FW総評:充実度(B)
フィジカルを武器とする9李というエースを軸に、新エース候補の20川本。将来のエース候補の32福元と、内からのチャンスメークの巧い15山本と、外からのチャンスメークの巧い18斎藤という編成。基本的には、CFタイプとST(WG)タイプの選手と組ませるのが、バランスが良い。ただ、CFタイプを2枚並べる選択肢やST(WG)タイプを2枚並べる選択肢もある。5人中、4人が昨季所属メンバーという事で、連携にも問題なく、昨季よりは選手のコンディションも良さそうで、監督の起用が当たる試合も昨季よりは多くなるのではないかと、期待できる編成。
3、 総合評価(考察)
・隙の無い陣容
このポジションは、明らかに人数が足りない。歴代のチームに比べて、心もとない。そう感じるポジションは無く、期待出来る編成と言える。ただ、歴代最強かと言われると難しい。バランスよく、かつ若返りをテーマに、将来性を重視した印象が強い。むしろ、このポジションが武器であるとも言えないという点が武器である編成だ。唯一の不安点をあげるとすれば、DF陣である。正守護神の抜けたGKと、4人体制という少ない人数で戦い抜かなければならない点。ただ、その懸念理由は、GKにおいては、攻撃の貢献を維持した上で、堅守を維持できるか、DF陣は、怪我人を少なく抑えて、1年間戦い抜けるかという点が焦点であり、年間通しての致命的な弱点ではない。こういった点は、他ポジションにも大小あることだが、有馬監督の手腕に期待したい。
・右サイド攻撃活性化への期待
2列目の右に、得点力の高く、ドリブルが得意な10宮崎と27木村の加入。そして、右SBには、16河野選手の加入。5井上の右で試したとあったので、SBも想定している筈。右サイドの攻撃の活性化は、1つのテーマとなっていた事が分かる。ここに7白井や、FWの選手が絡む事で、主体的にかつ厚みのある攻撃を展開できる。パスが主体で、ドリブルで崩しも少なく、ゴールを記録する事が難しかった昨季と違い、今季は、大きな得点源と期待できる。10宮崎と27木村、16河野、5井上、7白井のアシストとゴール双方が期待できる。昨季と違い、得点源が多くある事で、間違いなく右サイドでの仕掛けの得点は増える。それは、右サイドだけではなく、マークが緩くなった左サイドでの得点も増え、延いてはチームの得点も増える事は間違いない。
・想定されるオプション
4-4-2を基軸に、実際に試した4-2-3-1が主に考えられるオプションである。スタメンでのオプションとして考えられないのが、CBを3人並べる形。CB4人体制であり、その3人のスタメンで起用する事は、怪我のリスクが高く、基本的に採用の優先度は低い。試すとすれば、6喜山や39増谷といった他ポジションから引っ張ってくる必要性が生じる事や、4バックと大きく違うため、チームの完成度は低くなるからだ。ただ、終盤の守り切るという状況であれば、5バックにするという事は、十分に考えられる。基本的には、中盤より前の人数を増やす、減らすで、様々な形を想定してできる選手が揃っている。4-1-4-1、4-3-3、4-3-2-1など、どの形でもチームとして一定のパフォーマンスを期待できる。選手の調子に合わせて、試合中に様々な形を試す可能性は、今季は、十分にあると言える。
・奇麗なゴールが増える
後ろから見ていた時に、感じる事は、フィジカルに特徴のある選手やテクニックに特徴のある選手というよりは、メンタル面に特徴のある選手が多いという印象です。攻撃を組み立てる力に優れる選手が、最終ラインに揃っている。GK31梅田の前に左から41徳元、5井上、8田中、16河野と並べると、守備には不安こそあるが、組み立てる力は、歴代屈指のDFラインと言える。幸い中盤の底には、6喜山と26パウリーニョと、守備に特徴のある選手が揃っている。CHの7白井と17関戸の運動量で、攻守で厚みを作れる。2列目には違いの作れる14上門、25野口、10宮崎、27木村という個性豊かなタレントが揃っている。前線も初のダブルエース体制も狙えるエース9李、若武者の20川本。そこをお膳立てする15山本と18齊藤。まず、GK・DFで組み立てる。守備的MFでバランスをとる、攻撃的MFで、崩す。FWで点を取るというチームの基本パターンがしっかり確立できている。選手の個に頼る形だけではなく、チームとして後ろから組み立てて、得点まで完結した攻撃が、今季は増える。遅攻での攻撃の完結。これが、今季の補強のテーマであり、昨季力を入れていたポイントであり、結果として現れて欲しい。巧い、強いだけでは語れないゴールを多くみられる事に期待。
・大量得点大量失点
昨季は、得点が少なく、どうしても我慢して戦う試合が多かった。4濱田が多くの試合で出場できた事、ポープが、抜群の安定感を年間として発揮してくれた事。この2点で、前半戦2失点以内に抑える抜群の安定感があった。ただ、今季は、CB4人体制、正守護神が定まらない点で、安定感は昨季よりは落ちる可能性がある。その分、攻撃面では、後ろから前まで見た時は、昨季より間違いなく、優れている。そう考えると、我慢する時間より、主体的に攻める時間が長くなる事も十分考えられる。一方で、昨季少なかった大量失点に繋がる可能性は、高まっている。それでも、引き分けより勝利を重ねる方が、勝ち点の積み重ね易く、期待出来る得点増を失点増のマイナスより、上回る事で、勝ち点を増やしていきたい。
・プレースキッカーは誰になるか?
キッカーを任された事のある7白井、26パウリーニョ、14上門、17関戸辺りの主な候補選手と、今季から新たなキッカーになる可能性がある選手を挙げて見ました。精度の高いキックを繰り出せる選手を主にあげつつ、キック力のある選手も候補として考えられる。後は、トリックプレーを含め、その場に立つ可能性もある選手も一応候補に入れてみました。中・長距離の得点は直接狙う試合が増えるかもしれないですね。後は、合わせて得点というよりは、毀れ球を押し込んで決める事や、スピードを活かしての合わせての得点が増えるかもしれないですね。カーブでピンポイントというのは、少なくなりそうです。ただ、全く合わせられないという事もなく、直接合わせる事の巧い5井上の加入や、パンチ力のある27木村、精度の高いボールを蹴れる10宮崎、29疋田の加入もあり、もしかするとセットプレーの得点は増えるかもしれません。6喜山のサインプレーなども出来れば、そこもプラス材料と言えそうです。
4、 各ポジションの注目ポイントと注目選手
・GKの注目ポイント「正守護神争い」
やはり、正守護神争いです。4人の内誰がなるかという気持ちでサポーターとしては考えたいですが、客観的に見た場合は、やはり31梅田と13金山の争いになると思います。13金山の武器と言えば、安定したハイボール処理と、抜群の反応を武器にしたセーブだと思います。対する31梅田は、攻撃の組み立てができる視野の広さと足下の技術、そして、キック力であると思います。ただ、31梅田は、守備における安定感に欠ける部分があるという事で、監督がこの辺り、守備の安定を重視するのであれば、13金山。攻撃の安定を重視するのであれば、31梅田という事になります。監督が、どちらを重視するのか、そういった答えは、出ないのではないかとも考えてしまいます。コンディションが落ちれば、守護神が代わるという事は、年間通しておきる事が、予想できる。果たして、「正守護神争い」は、どうなるか。
・GKの注目選手「31梅田 透吾」
ポープ基準に慣れたGKへの期待にどれだけ応える事ができるのか。13金山の安定感は、岡山の試合を多く見て来た方にとっては、周知の事実であります。31梅田は、まだまだ若く実績がそこまである選手ではありません。足元の技術が高いけど、GKとしてそこまでサイズのある選手ではなく、守備は大丈夫なのか。そういった不安を抱いている方も多いと思います。そう考えると、CBに絶対的な制空権のある選手の不在や、守備に特徴のあるCBが4濱田のみという点で、守備重視したいと考えたくなると思います。そういった中で、31梅田が、スタメンを奪取できるのかというのは、決して小さくない注目ポイントであると思います。
・DFの注目ポイント「どこまで攻撃的に行けるのか」
DFは、やはりどれだけ攻撃的に行けるかというのが、注目ポイントです。5井上と16河野の加入で、間違いなくより攻撃を重視していると思います。そういった意味で、どれだけ有馬監督が、そういった選手を活かす事ができるのか。また、攻撃的に行った中で、攻守のバランスを巧く取れるのか、それはとても楽しみですね。41徳元と16河野の両サイドが任された時に、両サイドからの崩しが昨季より見る事ができるのか。CBも8田中だけではなく、5井上が攻撃で、貢献できるのか。守備の軸である4濱田不在時に33阿部が、守備の要になれるのか。攻撃的に行きたいけど、守備も大事。どれだけ我慢して、攻撃的に行けるのか。それが、今季のDFのテーマであると思います。
・DFの注目選手「5井上 黎生人」
右を任された?そういった記事を見た時に、CB4人なのに大丈夫かなと正直思いました。でも5人交代できる。つまり、リザーブにいれば、それは、交代の選択肢を増やしたい。そう考えるのは自然です。スタメンで出場する試合もあるかもしれませんが、右SBの16河野の運動量が落ちて来た。守備力も落としたくないけど、攻撃的にいきたい。そう考えた時に5井上がいたら起用する。うん、考えたい選択肢ですね。守備固めで、CBを一枚増やすという事も出来るし、もしかすると、両足のキック精度が高いという事で、左SBでの起用もあるかもしれない。そう考えると、スタメンでなくても色々な場面で、出場機会があるのではないかと思います。DFの攻守のバランスを取って行く中で、重要なピースに成り得る存在という事で、今季のDFの注目選手です。
・MFの注目ポイント「主役は誰になるのか」
今季のMFは、限りなくA評価に近いタレントが揃い、走攻守のバランスが取れている。MOM級の活躍する選手が、毎試合出てきてもおかしくない。特に2列目は、レギュラー候補の14上門、10宮崎。バックアップの25野口、27木村も得点に絡む活躍ができる選手。守備的MFも玄人好みの選手が揃う。7白井と17関戸、6喜山と26パウリーニョのレギュラー争いが熾烈。守備をベースに、+αの付加効果をチームにもたらすことができる選手達である。ハイレベルの競争の先にチームのレベルアップがあり、先のステージに近づける可能性がある。そういったMFの注目ポイントは、年間通して、「誰が主役になれるか」だと思います。
・MFの注目選手「6喜山 康平」
6喜山 康平以外のMFの選手は、自らアクションを起こす事で、チームの勝利に貢献できる選手である。14上門は、シュート。10宮崎は、ドリブル。25野口は、打開力。27木村は、突破力。7白井は、フリーラン。17関戸は、カバーリング。26パウリーニョは、奪取力。しかし、全ては主体的に動く事がメインのプレーである。6喜山は、ポジショニングという動かない事で、チームに貢献するプレーに特徴がある。6喜山が、フィールドにいる事で、チームが動きやすくなる。そういった意味で、6喜山が、こういったタレント揃いの中で、如何に動かないで、出場を重ねることが出来るのか。6喜山の凄さを説明するのが難しい中で、もし出場を続けて行くのであれば、やはり、注目すべき選手であったという証左となる。
・FWの注目ポイント「得点パターンがどうなるか」
昨季は、FWの得点が少なく、得点の形を確立出来なかったシーズン。しかし、今季は、左右のサイドからのチャンスメークや仕掛けに期待できる中で、FW得点パターンはどうなるのか。クロスやスルーパスで、裏へ抜け出しての得点は、増えるシーズンになりそうだが、中央をパスやドリブルで崩しきるパターンは、どうか。昨季、チームが力を入れていた遅攻に加え、今季は縦パスの頻度増にも取り組んでいる事から、密集地帯である中央のバイタルエリアからの崩しでの得点に着手できるのか。それともサイドが主体となるのか。そういった得点パターンを見ていく事で、今季の岡山の完成度を推し測っていく事が可能となる。有馬体制3年目という事もあり、1つの完成形というのを見てみたいが、その域に達しているのかどうかを「得点パターンがどうなるか」に注目してみて欲しいポイント。
・FWの注目選手「32福元 友哉」
20川本が、表で考えられる注目選手。しかし、FWは、本当に最後の美味しい所を持っていく側面もある。しかし、FWはその得点が全ての一番評価基準であり、そこへの期待値での序列の最後尾は、32福元。その32福元が、少ない出場機会で、得点ができるかどうかで、チームの完成度を推し測れる。今季が、個に頼らず、個の融合で高い組織力を構築できれば、32福元のリーグ戦での初ゴールも可能である。32福元の飛躍の一年になるのであれば、それは、岡山の飛躍の一年ともなる。高いレベルでの相乗効果による成長で、実績のある有名選手を揃えるチームを倒していかないといけない昨今のJ2リーグ。そこを勝ち抜くには、32福元の様な選手の活躍も必要不可欠。故に32福元の初ゴールから得点を重ねる事ができるかどうか注目すべき点で、今季の岡山の完成度を推し測れるという意味での注目選手である。
5、 2021ファジアーノ岡山の順位予想について
現実的な順位予想:10位(実績に乏しく、客観的にみるとこの順位になる)
本来目標にしたい順位:6位(本来の目標順位だが、プレーオフがないため昇格できない)
期待したい順位:2位(となるとここに食い込む必要がある)
今季も2位以上の2チームしか昇格できないが、J1からの降格チームがないという事で、J1昇格に期待したいシーズンとなる。ただ、2位以上を狙えるチームと違い、実績のある選手が少ない編成。しかし、今季の岡山は、若返りを図り、チームとしての底上げというよりは、最大値の押し上げ、つまり限界への挑戦を狙った可能性を感じる編成である。今までと違いスタメン予想が、難しくなった編成のシーズンであり、まずはチーム内の競争に勝った選手が、ピッチに立ち、有馬監督の目指すサッカーを体現できるか。そういった勝負の一年となる。2位以上という順位は、常に勝ち続ける必要がある順位であるが、チーム内での競争が厳しいポジションの多い今季の岡山で、出場機会を掴んだ選手であれば、このJ2の2位という壁を越えて、J1昇格してくれるのではないかと、期待したい。
6、 後書き
毎年ポジティブな評価をしてきた私ですが、今季は、他チームと比べてと言うよりは、JFL以降の岡山と比べてという視点で、今回の編成評価をまとめてみました。まとめていくと、MFは、Aでも良かったかなと思いつつも、やっぱりGKとCBへの不安も強く持ってしまう自分がいて、でも、全体を見ると、しっかり役割分担で出来ていると感じましたし、競争が熾烈なポジションが多く、伸び代の多い編成で、バランスが巧く取れているという印象を持ちました。今季は、やってくれるというよりは、どれだけやれるのだろうか。大きく今季は昇格とできるチームと言えないですが、期待を持てる編成。故に第3者の評価は、低くて仕方ないと思いますが、可能性という意味では、例年以上だと思います。昨季は、下位に低迷してしまいましたが、「今季の順位予想は?」聞かれたら、客観的な順位予想である「10位以上は、クリアしてくれたら良いと思っています」と語ると思いますが、内心は、今までと違い快進撃を魅せてくれるのでは、今季も期待しています。文章にしているので、客観性を意識しているのに、実際は、過度な期待をしてしまっているのは、文面に溢れ出てますが、今季こそJ1昇格を信じて、応援していきたいと思います。
フォーカス2を最後まで読んでいただき、有難うございました。開幕前に、ギリギリ間に合いました。今季も、どれだけ投稿できるか(昨季はほとんどできなかった)分りませんが、よろしくお願いいたします。
文章・図版=杉野 雅昭
text・plate=Masaaki Sugino
関連項目(上記のリンク先と同じです)
2021ファジアーノ岡山にフォーカス2「2021編成評価」Part1:監督・GK編
2021ファジアーノ岡山にフォーカス2「2021編成評価」Part2:DF(CB・左右SB)編
2021ファジアーノ岡山にフォーカス2「2021編成評価」 Part3:MF(DH・CH、左右SH・OH)編
2021ファジアーノ岡山にフォーカス2「2021編成評価」 Part4:FW(ST・WG、CF)編
関連記事
2021ファジアーノ岡山にフォーカス25 「2021シーズン前半戦総括」
は、こちら(同サイト:別文章)。
URL:https://note.com/suginote/n/n3398accb0b34
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自分の感じた事を大事にしつつ、サッカーを中心に記事を投稿しています。今後とも、よろしくお願いいたします。