レビュー:2018:J2:第29節:A:vsツエーゲン金沢「中盤のバランス修正で勝利を掴みとった安定感のあった試合」
金沢vs岡山:0-1
得点者:17関戸 健二(14上田 康太)
観客数:3,573人
試合会場:石川県西部緑地公園陸上競技場
1、チーム情報&評点
評価基準
良:1~5:悪
審判
主審:三上 正一郎:3.0
副審:藤井 陽一、塚田 健太:3.0
第4の審判員:大坪 博和
A:岡山
監督
長澤 徹:2.5
スタメン
18齊藤 和樹:3.0
19仲間 隼斗:2.5、17関戸 健二:2.0
39高橋 壮也:2.5、14上田 康太:2.5、15末吉 隼也:3.0、21椋原 健太:3.0
6喜山 康平:2.5、5増田 繁人:2.5、31下口 稚葉:3.0
13金山 隼樹:2.5
リザーブ
GK:22一森 純
DF:33阿部 海斗
MF:25武田 将平、7伊藤 大介、10大竹 洋平、30武田 拓真
FW:24赤嶺 真吾
途中交代
19仲間 隼斗→7伊藤 大介:3.0
18齊藤 和樹→24赤嶺 真吾:評価不可
15末吉 隼也→25武田 将平:評価不可
H:金沢
監督
柳下 正明:3.0
スタメン
19垣田 裕暉:3.5、7清原 翔平:3.5
17加藤 大樹:3.0、14金子 昌広:2.5
6大橋 尚志:3.0、26藤村 慶太:2.5
16毛利 峻真:2.5、3作田 裕次:3.0、39庄司 朋乃也:3.0、13石田 峻真:2.5
23白井 裕人:3.0
リザーブ
GK:22田尻 健
DF:27廣井 友信、45沼田 圭悟
MF:10宮崎 幾笑、11杉浦 恭平、32島津 頼盛、33梅鉢 貴秀
FW:なし
途中交代
14金子 昌広→10宮崎 幾笑:3.0
6大橋 尚志→32島津 頼盛:3.0
17加藤 大樹→11杉浦 恭平:3.0
2、得点経過
A:岡山:1-0:前半37分:17関戸 健二(14上田 康太)
岡山の右CKから。キッカーは、14上田 康太。ゴール前に密集した状態で、そこへ蹴るが、一度クリアされる。15末吉 隼也が、戻りつつセカンドボールを回収して、前を向くと、狙いすましたパスを出す。丁度、金沢の選手が、ラインを高く上げようとしていた逆を突く形となった。そのパスを19仲間 隼斗が、ヒールで、後ろへ落とす。少し速いボールではあったが、14上田 康太が巧くトラップしてから、キープ。金沢の選手が寄せに来ますが、シュートフェイントを交えて金沢の選手を引き付けてから少しずらすと、左足で、マイナス気味の横パスを出す。そこに待っていた17関戸 健二が、右足で、コースを狙ったしっかり押さえてミートすることだけ考えた優しいグラウンダーのシュートを放つ。このシュートに23白井 裕人は、一歩も動けず、右隅に決まって、これが、決勝点となる。
3、数値評
評価基準
良:A~E:悪
A:岡山
攻撃評価:C
守備評価:C
采配評価:C
総合評価:C
H:金沢
攻撃評価:D
守備評価:C
采配評価:C
総合評価:C
4、文章評
キーマン
「19仲間 隼斗」
活躍度:65%
1対1の全ての場面で、戦う姿勢をみせた。特にゴール前のシーンでは、ボールへの強い執着心からボールを離さない、そして、ゴールへ向かう。そういった意識を常に感じられた。デュエルでは、激しくファールをも恐れない激しい接触を繰り返し、怖さを金沢に与えた。
そしてそれは、攻撃時だけではなく、前線からの守備でも見られて、不用意なボールキープがあれば、素早く寄せてボールを奪って、ショートカウンターというプレーも見られた。
更に、チームとして、そこに連動し、ゲームメーク力に課題のある金沢の組み立ての所を奪って、攻撃というシーンを作れた。そのチームの戦い方を率先したのが、19仲間 隼斗であり、素晴らしい働きであったと思います。
攻撃のキーワード
「攻撃の方向性」
達成度:30%
チームとして、自分達で崩そうというサッカーではなかった。前から守備をして、そこで嵌れば、ショートカウンターを仕掛けるという守備成功時の攻撃の方向性しか見えなかった。
前節途中までの37鄭 充根(ジョン・チュウグン)をターゲットにした戦術9李 勇載(イ・ヨンジェ)に似たロングパスは、控えめに変わっていた。少し組み立てる意識もあったが、今季の岡山が勝ち切れなかったのは、効果的な縦パスを出す事が出来るDHが、不在であるからである。
ここで、修正されたポイントが、15末吉 隼也を中盤の最後尾として、プレーさせることがである。勝てなかった猛暑の夏場に3-1-4-2という14上田 康太をアンカーにおいて、14上田 康太のパスセンスとテクニックに期待する戦い方を採用していた。しかし、14上田 康太のボールロストの回数と、守備の軽さが目立ち、チームとしての安定感を欠いた。
14上田 康太の所で、良いロングパスやスルーパスが出れば、良い形を作るが、そのシステムを採用していた時期の終盤は、逆にそこを狙われるようになっていた。
今度は、多少基本ポジションが違うもののそこに15末吉 隼也を置き、繋ぐ事に専念されることで、長短の正確なパスが蹴る事が出来る事と、地味なパスが多く、なかなかパスで持ち味を発揮できていなかった15末吉 隼也が、中盤のつなぎ役として、しっかり仕事をこなすことが出来る様になった。
また、守備でも良い効果が生まれ、中盤の安定感に繋がった。ポゼッションこそ高める事が出来ないが、ボールロストの回数とボール奪取の回数が上がった事で、良い形で、攻撃が出来る様になった。
そして、14上田 康太もある程度、余裕を持ってプレーが出来る様になり、高い位置で、プレーに関与することで、高い位置を取るという意識と決定的なパスの意識も高まり、決勝点のアシストのパスを出すメンタルコンディションが整ったと言える。
チーム戦術の方向性こそ見えなかったが、チームとしての基本の部分で、戦う気持ちとそこを支える安定感が生まれた試合となった。今後は、選べる攻撃の方向性のオプションを再構築をした上で、オプションを増やすことが出来るかという段階まで、最速で、作れるかどうかで、終盤戦に向けての岡山の運命が決まって来るだろう。
守備のキーワード
「攻守一体」
達成度:85%
前からボール奪って、ショートカウンター。この岡山のスタイルを巧く、体現出来ていた。金沢が、組み立てている段階の高い位置で、ボールの繋ぐ部分で、戸惑っているところで、判断が遅れた所で、ボールを奪うシーンが、何度か見ることが出来た事は、ポジティブに捉える事が出来る。
一方で、中央からハイプレスが効果的であった一方で、金沢のサイド攻撃には苦しんだ。中央で、パスを組み立てる事が厳しければ、サイドを使うという基本戦術ではあるが、アーリークロスの回数や厚みのあるサイド攻撃の回数が目立った。
実際に、サイドから決定機を何度か作られただけではなく、セカンドボールを拾われての攻撃を受ける事もあった。
また、ミドルシュートにも苦しめられた。バーに助けられるシーンもあったぐらいである。
そして、チームとして、13金山 隼樹の高身長を活かした守備範囲の広さで、シュートセーブやハイボール処理の部分で、ギリギリの所で、防いできた。反応に頼るGKが多かった中で、高さと一定の反応を有した総合力の高い守備を有した事で、守備が再び安定してきた。
終盤戦に向けて、攻守で、安定感から期待できる爆発力を予感させられる一方で、メンバーの固定が目立った事で、若手や出場機会の少なかった選手を巧く、チームに落とし込めることが出来るかという不安もあり、そういった部分も攻守一体で、チームとして機能させて勝ち星を稼いで、プレーオフ進出を目指したい。
5、試合評
Man Of the Match(MOM):17関戸 健二(岡山)
Most Impressive Player(MIP):16毛利 峻真(金沢)
満足度(10点満点):6点
6、試合後通算対戦成績(vs金沢)
J2
A:岡山:2勝(9得点):4分:(9得点):2勝:金沢:H
会場別成績(岡山視点)
H:シティライトスタジアム:0勝2分2敗
A:石川県西部緑地公園陸上競技場:2勝2分0敗
7、試合後チーム成績(2018年データ)
勝敗(28/42)(自他共に中止試合複数有)
11勝8分9敗(暫定10位:勝ち点41)
得失点
29得点26失点(+3)
ホームスコア(12試合:5勝6分2敗:18得点10失点:+8)
〇:1-0×2、3-0×2、3-1×1
△:0-0×3、2-2×2、3-3×1
●:0-1×2
アウェースコア(14試合:6勝2分7敗:11得点16失点:-5)
〇:0-1×5、1-3×1
△:1-1×2
●:1-0×4、2-0×1、3-0×1、4-1×1
得点時間帯(29得点:前半×13、後半×16)
1分~15分×3、16分~30分×4、31分~45分×6、前半AT
46分~60分×8、61分~75分×8、76分~90分、後半AT
失点時間帯(26失点:前半×12、後半×14)
1分~15分×3、16分~30分×4、31分×45分×5、前半AT
46分~60分×5、61分~75分×2、76分~90分×4、後半AT×3
ゴール(全29ゴール)
FW(9):18齊藤 和樹×1(PK右足×1)、19仲間 隼斗×5(頭3、右足1、ボレー右足1)、24赤嶺 真吾×2(左足ボレー1、PK右足1)、37鄭 充根×1(PK右足1)
MF(12):7伊藤 大介×2(ダイビングヘッド1、右足ミドル1)、8塚川 孝輝×3(頭1、右足ミドル1、左足ミドル1)、11三村 真×1(左足ボレー1)14上田 康太×3(FK左足3)25武田 将平×1(左足ミドル1)、17関戸 健二×2(右足シュート2)
DF(7):3後藤 圭太×2(頭2)、4濱田 水輝×3(頭3)、6喜山 康平×1(頭1)、33阿部 海人×1(左足1)
GK:なし
その他(1):オウンゴール×1(足1)
アシスト(全19アシスト)
FW(8):9李 勇載×1(右足1)、18齊藤 和樹×4(頭1、右足1、右足クロス2)、19仲間 隼斗×1(左足1)、24赤嶺 真吾×3(パス右足2、クロス右足1)
MF(11):8塚川 孝輝×2(頭1、右足1)、14上田 康太×7(CK左足2、FK左足2、クロス左足1、パス左足2)、21椋原 健太×2(右足クロス2)
DF:なし
GK:なし
得点の形(29得点:流れ×13、セットプレー×16)
ボール奪取→ミドルシュート(右足)×1
パス(左足)→ミドルシュート(左足)×1、パス(左足)→シュート(右足)×1
クロス(右足)→右足×1、クロス(右足)→ダイビングヘッド(頭)×1、クロス(右足)→トラップ→右足シュート×1、クロス(右足)→折り返し(頭)→ヘッディングシュート(頭)×1、クロス→左足ボレー×1、クロス→右足ボレー×1、クロス(右足)→頭×1、クロス→頭×1、クロス→オウンゴール×1
速攻→ポストプレー→右足ミドル×1
FK→頭×2、FK→混戦→左足×1
CK→混戦→頭×1、CK→2次クロス→頭×1、右CK→セカンドボール→ダイレクトボレー(左足)×1、右CK(左足)→頭×1、左CK→頭×1、
左足直接FK×3、PK(右足)×3
ロングスロー→混戦→頭×1、ロングスロー→セカンドボール回収バックパス→左足ミドル×1
失点の形(26失点:流れ×21、セットプレー×5)
カウンター(CK)→ロングパス(左足)→ダイレクトシュート(右足)×1、カウンター(CK)→スルーパス(右足)→ループシュート(左足)
左足(フリック)→頭×1、右足(パス)→右足(ミドル)×1、右足(スルーパス)→右足×1、右足(浮き球のスルーパス)→右足(流し込むシュート)×1、右足(浮き球パス)→右足(ボレーシュート)×1、右足(背面スルーパス)→右足(股抜きシュート)×1
右足(クロスが直接)×1、右足(クロス)→頭×2、右足(クロス)→ブロック→右足(押し込み)×1、右足(クロス)→右足(ジャンピングボレーシュート)×1
左足(クロス)→頭×2、左足(グラウンダーのクロス)→左足(押し込み)×1、左足(グラウンダーのクロス)→スルー→左足(シュート)×1
ドリブルからシュート(右足)→セーブ→ダイレクトシュート(右足)×1
毀れ球→ドリブル→シュート(右足)×1
CK→ショートコーナー→右足(ミドル)×1
PK×1、PK(右足)×2
右足×1、右足(ミドル)→オウンゴール×1
ロングスロー→テクニカルな繋ぎ→シュート(左足)×1
岡山から世界へ
To Be Continued
by 杉野 雅昭(Masaaki Sugino)
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