杉森あおぞら

身近に向けた小品が。 曲と文章、書籍編集者。元新聞記者、NikonD7200('ω')

杉森あおぞら

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ASIAN KUNG-FU GENERATION『触れたい 確かめたい(feat.塩塚モエカ)』を聴いて

 こぎれいな人工島のどこからきたのか、錆びたガードレール、カラスノエンドウ。  青く潤んだ空から落ちてくるレイ、だっていつも君は僕の前髪を見つめていたから。  児童は団地走り抜けて、グレーの広場、ラジオ体操。落としたビー玉をつついたカラス。  雲が太陽を覆わないとまぶしくて見えない、まだ踏みもしない未来に怯えてあなたどうして、いまをすれ違うの。  二十五・八度、そよ風に揺れるキリマンジャロブレンド。乾いた八重歯と、ブランコから赤子が落ちる背景。  そぞろ歩く君は半歩後ろ、

    • summer_prelude2020

      きせつの思い出に捧ぐ。

      • last 1 sail

        よおく目を凝らせ。よおく感じたものを描け。頭で書いているからうだつがあがらない。とぐろまくイヤホンも、ペンの羅列も、よおく目を凝らせば大事件。大事件か?言葉が出ないとは、体験が少ないからだと慢心している。知識がなくてもいい。普段使いのセンスがないから、発信が貧困なのだ。感銘を受けた文をなぞれ。血が通っているだろう。頭で書いているから、バラバラなのだ。血管で描くといい。  少女はとうとう脂汗の滲み出た恐ろしい母親の顔へ水を掛け始めた。そのたびに、母親はまるで自ら上がった犬の様

        • そのまま

          太宰治氏『逆行』を読んで  スタジアムは熱狂の渦。皓皓と光るナイター照明、これは説明を聞くと一五〇〇ルクス以上を放っている。照らされるあからんだ青年、少女と中年たちは笑う。酒を飲む。大して選手は見ていないのだ。  チームの監督を親族にもつ私は、仲間らにやれ「ディフェンスの彼は、まだ足裏のサイズが伸びているのだよ」と叫ぶ。仲間たちは、配給を待つ苦労人のように口を開けて聞くだけだ。「ミッドフィールダーの副キャプテン、もうすぐ結婚間近だって、ファンのおっかけ」。おっかけ、というの

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        • 無人人工物体
          8本
        • com)pose
          3本
        • Tokyo City
          10本

        記事

          得られない快楽につつまれて

          遠野遥氏『破局』を読んで――  首をひねるとポキッと鳴った。いつかテレビで「首をコキコキし続けると脊髄を痛めて最悪の場合半身不随になる」と医者が言っていたことを思い出して青ざめたが、それが音と音の間だったから余計に申し訳なくなった。僕の寿命が縮まるのはよかったが、誰かにとってこの演奏会が、後生を変える感動的なものだとすれば、そこにノイズを散らしたことは、演奏会が終わったらすぐにでも謝りたい。そして寿命が縮んだことを告げると、いくらか同情的に許してくれるかもしれない。  退屈

          得られない快楽につつまれて

          アルコールを摂取して人に危害を加え、精神科を受診しました。

          こんばんは。 豪雨、途方もない夜。本当に、途方もないと思う。私はまだ災害をくらったことがない。想像もできない。ボーナスが入るので寄付しようと思う。 先日、遊敵たちと有楽町で飲んだくれた。結婚するとか、貯金するとか、eスポーツが仕事ともいえるとか、ゲコゲコ笑いながら、隣の女の子たちに目もくれず、しっぽりと飲んでいたが、ダーツ場に移動し、誰が負けてもテキーラを全員で2杯ずつ飲み始めて記憶が途切れた。 朝起きたら田町駅の路上にいた。カバンから財布と携帯が無くなっていた。 同

          アルコールを摂取して人に危害を加え、精神科を受診しました。

          もういちど、おやすみプンプンを読む 11

          国道を埋める生コン。排気口から知らない人のシャンプー。閉店後のクローズ作業のこもれび。 そうしたものに夏を感じる小童にお勧めの退廃漫画、浅野いにお氏著『おやすみプンプン』も11巻であります。 差別や格差などの社会問題って、本当は身近にあるんだよね。君は異性だからって別の対応をしたり、年が下だからって偉そうにしたりしていないかい。 全て弱者にやさしい世界というのは、君が隣の人にやさしい君である世界だと私は思う。 殺人未遂、放火、迷惑防止条例違反、この世は犯罪だらけだけれ

          もういちど、おやすみプンプンを読む 11

          (switch争奪戦)秩序がなければ、コロナなどないのが人間だ

          「秩序のない状態では、無秩序こそ秩序」 4月5日午前9時、LABI1日本総本店池袋のフロント前では、劣悪な人間臭がただよう。 「おい、見たか!楽天で7万ついてんぞ!」 転売目当てと見られる男が列の中で叫んだ。 Nintendo Switch争奪戦の火ぶたが落とされようとしていた。 小池百合子東京都知事が外出自粛を呼びかけている、新型コロナウイルスの世界の感染者数が100万人を超えたことなど、嘘のようだ。ここは畜群しかいない。 最初に断るが、私も、よくない。本当に情

          (switch争奪戦)秩序がなければ、コロナなどないのが人間だ

          輪廻するって君も私

          村田沙耶香氏『生命式』を読んで―― ーーーーーーーーーーーーー  いつものように近くのコンビニで総菜パンとヨーグルト飲料を買うのに、今日の店員はレシートをくれない。彼にとってここのところは、必要ないとする客が趨勢なのだろうが、商売マナーの違反だとわたしは思う。自分でも少々おこがましい所作であると自覚しながら、それを促すと、アジア諸国からの留学生の細い目つきは、何の感情もなくレシートを引きちぎってくれた。「揚げたてチキン50円引き」のレシートが、そのレシートについてきて、心

          輪廻するって君も私

          初恋の人にそうした小説を書いて送って、その返事を見れない

          であります夜寒。 初恋は私にとっておとぎ話のようです。 おにごっこをしていてこけてすりむいて、ばんそうこうをくれたのが始まりでした。 そうして修学旅行でも、プール開放でもなんでも、彼女を意識するようになる認知の歪みが発生しました。 そして並行して二次性徴とともに発展する性欲は、彼女にはぶつけないままで育ち、性欲の虚しさの方の側面に囚われたときにいつでも偶像として思い返していました。 そして、一度、遠方の彼女を訪問した時に、ツインの部屋に泊まって何もせず、その腰骨を子

          初恋の人にそうした小説を書いて送って、その返事を見れない

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          あなたたちはまたいつもどおり

          あなたたちはまたいつもどおり

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          東武宇都宮線の西川田駅を大変な高いテンションでリポートする話【2020とちぎ国体】

           もう二度と行かない駅ってありますよね。  出張ついでか、はたまた流浪か。  2022栃木国体で盛り上がる、宇都宮市南部に広がる東部宇都宮線の西川田駅に私は出張で参りました。  「もう二度と来ない」。この言葉の重みを大変なテンションに換算して、25歳も終わりにさしかかった私が、建設中の国体ドームの近くで観覧車に乗ったり、カメラ小僧とレンズを向かい合わせたりした、怒涛のごとき一期一会を熱くリポートします。 ーーー  彼岸過ぎ、ぶり返した陽気の中、出張先の小学校の先生との会

          東武宇都宮線の西川田駅を大変な高いテンションでリポートする話【2020とちぎ国体】

          もう一度、おやすみプンプンを読む 10

          過去に別れたままの、会いたい人がいる。 回転率を上げるために椅子を固く、冷房を強く。 男子高校生「ああ、宮崎さん?化粧してるかなー、減点」 高林くん(高校時代のクラスメイト)は、インフルエンザ明けに、席が前のIさんに「もう大丈夫?」と言われて心の高熱にうなされ始めた。「毎日考えてしまうねん」とか細い声で言った。 そんな日常を異物として認識を与えるあなたにお勧めの悪漢コミック、おやすみプンプンを読み直して10巻目(全13巻)についに、やってこさせていただきました。 フォ

          もう一度、おやすみプンプンを読む 10