階段の写真、はじめました。
「こんなの撮ってもなぁ…」とか「似たような写真ばっかりだし…」とか、いろいろ頭を過ぎる考えに囚われないで「撮りたいものを撮ってみよう」と考えるようになってから、撮りたい被写体が見つかった。
もうすでに過去の記事で何回か投稿しているのだが、
階段である。
窓と階段がつくる、陰影。
コンクリートや金属の質感から滲み出る、生活の痕跡。
登り切った先の平面が見えてきた時の、小さな達成感。
いくつか作品になるものが溜まってきたら、階段をテーマにした作品集や、展示をやってみたい。いや、やりたい。
奇をてらっているのではない。
私が階段をテーマにするのは、それなりの理由がある。
生まれてこの方公務員官舎やアパート住まいで、20年30年40年と衝撃や地震や雨風土に耐えてきた階段を見てきた。
それらがつくる陰影に目が留まったことは何度もあった(だったら尚更撮ってこなかったことが悔やまれる)。
昔も、今でも、生協、新聞、Uber Eatsの配達でたくさんの階段を登り降りしてきたし、これからもそうする。
今まで自分の人生なんて特に何も成し遂げてないし、尖った能力もないと思っていたけれど、それなりに歩んできた道、というか登ってきた階段があった。
こうしたものは探そうとすればするほど見つからなくて、ふと探すのをやめて気持ちを解放したり、今までの人生を俯瞰してみたときに気がついたりするものだ。
明日はどんな光と影が見られるか?
もちろん階段は住居と隣接しているから、撮影に当たっては法令や管理者の定めたルールは遵守。何より迷惑をかけてはならない。
自分の作風なんかを意識し過ぎて逆に何も撮れなくなってしまったり、そもそも今日の気づきが一時の思い込みだったことに気がつく時が来たりするかもしれない。
それについては、そのときになったらまた考えよう。