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ルールを守ってこその「私の作品」
最近、少し残念な場面に出会ってしまったのですが、それをきっかけに、自分の写真がどんなものなのか見えてきました。
この記事は、その人を非難することが目的ではないので、日時・場所などは伏せてお話しします。
2月に入ってからの話です。
ヤマト運輸のメール便配達業務がこの2月から日本郵便へ完全委託となり、その分仕事の空きができた私は、その日も人生の春休み気分で公園で写活していました。
咲き始めた梅の花を撮影していると、同じくカメラを持って公園を歩いていた年配の男性に声をかけられました(よくあることです)。
持っている機材も知識も経験もスキルも私なんかより上です。私が一眼レフ初心者であることを話すと(基本的に私はそうしています)、その方は私のレベル感に合ったアドバイスをしてくれました。
Threadsでよく話題になっているようなマウンティングおじさんではありません。純粋に写真が楽しくてそうしている様子でした。
しかしその男性、ちょっと気になることが。
トラロープが張られている場所に入って木に近づいて撮ったり、動くときに枝に身体が当たっていたりするのです。
実際のところ、トラロープの内側はただの芝生で、踏み込んだところで希少な植物を踏み荒らすリスクはないようですし、枝に身体が当たったところで生命体としての樹木に何らダメージは無いでしょう。
なので私は咎めることはしなかったのですが、帰ってから少し後悔しました。
その男性には、きっと悪気はなかったのでしょう。
しかし、こういう小さなルール破りって、周囲に伝播して、(言い方が悪いですが)より愚かな人がマネをしてしまうんですよね。
わかりやすい例を挙げると、そういうのが高じてほんの一部の撮り鉄が迷惑をかけてニュースになって、他の善良なカメラマンのイメージを下げているわけでしょう?
だから私は、その場所の管理者が許可を出さない限りは禁止区域に立ち入って撮影はしません。
もし、そこに踏み込まなければ巡り会えないようなシャッターチャンスがあったとしてもです。
仮にそうして撮れた写真が、インスタで通常の10倍いいねがついたり、はたまたコンクールに入賞したりしたら、寝覚が悪いことこの上ないでしょう。
ルールを守ることで撮り逃した景色は、そのときにしっかり心に留めて、次に別の機会に撮る画の中に反映させるくらいの気概でいたいものです。
ルールを破ることで、綺麗な写真、上手な写真は撮れるかも知れない。だけど、直接的にしろ間接的にしろ、その行為によって別の何かを踏み荒らしてしまったなら、私は「私の写真」を撮れなくなってしまうのです。