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へたれ執筆日記<3>

8年ぶりに文庫ができあがる


キャラ文庫さんの「華龍と月龍の皇子」の見本が届きました。
8年ぶりの新刊です。

実物も麗しいイラストです。今日は曇りなのでちょっと暗くて残念。

もともとnoteのアカウントをつくったのは、この文庫の原稿を書き上げるためでした。
少しでも執筆スケジュールが遅れそうになったら、目標枚数と〆切日を設定し、それを日記として逐一公開しよう、と。

自分の首を絞めて絞めて絞めまくらないと、たぶんもう脱稿できないと考えていたからです。
そんなふうに追い込み装置として始めましたが、予定通りに原稿を書きすすめられたため、執筆日記は<2>から更新しないですみました。

前回の本がでたのは2016年。
2018年ぐらいまでは仕事として抱えている原稿をなんとか仕上げようと足掻いていましたが、当時は集中力や体力の衰えが顕著で、内心もう文庫一冊分の原稿は書き上げられないかもしれないなと思っていました。

結局、原稿はすすまないまま年数だけが過ぎていってしまって……。
シリーズの続編など、当時は出版していただける状況にあったのに、わたしが原稿を書けなかったせいで時機を逸してしまい、お仕事関係者の皆様にはご迷惑をかけましたし、楽しみにしてくださる読者様がいたら申し訳ないことをしてしまったとずっと心残りでした。

その後も何度か書いてみようと試みたものの、なかなか調子は戻りませんでした。
昨年2023年になって少し文章を書きすすめられるようになったので、同人誌という形でしたが、作品を覚えてくださっている方にお届けできたらと、「錬金術師と不肖の弟子」と「薔薇と接吻」の番外編の個人誌を発行しました。

この個人誌の原稿を書いているあいだに、「文章の勘が戻った」と実感できたので、商業の本でもなにか一冊お届けできたらいいなと今回の文庫の執筆に至りました。

新作がでないあいだ、J庭やtwitterのやりとりで「書きたいとは思っているので気長に待っていてください」と読者様に何度か口にしていたので、新刊の見本を目にして、やっと自分の言葉に少し責任をとれたような気がしてほっと胸をなでおろしています。

とはいえ8年も経ってしまいました。
大変お待たせして申し訳ありません。
もしもまだ、気長に待っていてくださった方がいましたら、読んでいただければ幸いです。

最後に。
時勢を読まずに「また文章が書けるようになりました」と呑気にいってきた書き手に対して、寛大に執筆の機会を与えてくださった担当様ならびにキャラ編集部様にはあらためて心より感謝申し上げます。




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