麻雀を打つ祖父
年が明けて祖父母の家へ。
僕以外のメンバーで麻雀を打つのは最早見慣れた光景だ。
…。
お年玉を貰うのはいくつになっても気が引ける。
金というのは、それを持つに値する者のみが持つべき代物であるべきだ。
ともあれ、麻雀に興じる祖父は絵になってるし、何より動かないから描きやすい。
祖父は麻雀で良い手を決めて僕の母と父と姉に悲鳴を上げさせると、その昔鉄道会社に勤めていた頃、仕事仲間と麻雀を打っていた時の話を上機嫌で話し始めた。
だが人生とは残酷なもので、祖父は軽度の認知症になってしまった。僕の事など、僕の名前を含めた半分以上の事を忘れてしまっている。
それでも祖父は人生を愛している。
正月の話らしい。
基本的に日付は書かない主義だが、これは間違いない。