学級日誌レジスタンス
うちの学校は、専門学校のくせにちゃんとクラス分けされている。クラスがあるということはその他の諸々クラス運営に関わるものがあるということで、例に漏れず学級日誌が存在する。そしてこれまた例に漏れず、学級日誌は不運にも週番になってしまったものが書く決まりになっていた。
高校まではぼくはこの学級日誌というものがたまらなく好きだった。大体の学級日誌には今日の感想を書く欄があり、自分の書く番になった時他の人が何を書いているかを見るのが楽しみだったのだ。担任がちゃんと目を通してコメントを残してくれるおかげで、ここの部分をちゃんと書くクラスメイトは結構いた。中にはユーモアに溢れる文や、悩みなんかを書くやつもいたりして一種の文学ともいえよう。ちょっと文化祭前日のページに戻れば、練習したことや準備したこと、それから休日にみんなで集まって楽しかったことなどがちゃんとその時のテンションのまま書き残してある。いわば、日誌はクラスの備忘録である。書いた内容は紛れもなくクラスメイト全員のもので、そのまま思い出だった。
さて学級日誌が週番になった自分のところに回ってきたが、高校の頃そんなにも好きだった学級日誌は専門学生になった今、そこまで楽しみでもなくなってしまった。なにしろちゃんと書いている奴が一人としていないのだ。むむむ、なんかもっと面白い事の一つでも書いたらどうか。勉強が大変だったとかそんなわかりきった事書いて完結させやがって、もっと書く事探してみろよ!という心境である。中には何も書いてない奴も散見される。虚無虚無。
せっかく楽しい媒体があるのにこれじゃ台無しだ。どうしたものか。少しばかり考えて閃いた。閃いた割には単純だが、要は読みたくなる学級日誌を作ればおのずと皆んなちゃんと書くようになるのではなかろうか。そうと決まれば早速実行しよう!
次も読みたくなるという事は、次になにが書いてあるか気になる。ということでもあると思う。なので、ぼくはちょっと連載っぽいことをしてみることにした。
「今日の一文」というコーナーを感想欄に無理やり作り、毎日好きなフレーズなどを紹介するのだ。普通の文章読むよりよっぽど手軽なのではなかろうかという目論見である。つまらない学級日誌への少しばかりの抵抗だ。
言葉や文に力があるのなら人を動かすことはできると信じて、石川啄木なんかを学級日誌で紹介している今日この頃。
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