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【納期調整】商社の営業が納期調整で苦労する理由と解決の工夫
こんにちは、菅原です。
今回は「商社の営業が納期調整で苦労する理由と解決の工夫」について解説します。
前段として、まずは簡単に私自身の自己紹介をさせていただきます。
基本情報
• 名前:菅原
• 年齢:30代前半
• 居住地:関西
• 職業:半導体商社 営業職
私は新卒で半導体商社に入社し、現在10年目の営業職として働いています。
商社の営業にとって、納期調整は日常業務の中で避けて通れない課題です。
顧客の期待に応え、メーカーとスムーズに連携するためには、細やかな対応力や交渉力が求められます。しかし、現実には板挟みになることも多く、苦労が絶えません。
この記事では、商社営業が納期調整で直面する具体的な課題や工夫について、実体験を交えながらお伝えします。
1. 納期調整がなぜ重要なのか
商社の営業は、メーカーと顧客の間に立ち商品やサービスを届ける“橋渡し”の役割を担っています。顧客の希望する納期通り商品を提供することが何よりも大切です。
納期に遅れることはもちろんNGですが、納期より早く納入することも好まれません。
この橋渡しを成功させる鍵が「納期調整」です。
•顧客の要求:納期は顧客での生産スケジュールやプロジェクトの進行に合わせて設定されます。
製造業では「期日通りに部品が届かないとラインが止まる」という重大な影響を与えるため、営業に対する責任も大きくなります。
•メーカー側の制約:一方で、メーカーには生産キャパやリソースの限界があり、顧客の要望通りに対応できないケースもあります。
そもそも顧客の希望納期が短すぎるという場合もあり、短納期で依頼すること自体敬遠されます。
これらの間に立つ商社営業は、顧客の希望を優先しつつも、メーカーの事情を理解し、双方にとって最適な解決策を探ることが求められます。
納期を守れなかった場合、損害賠償という形で商社が責任を負うこともあります。
損害賠償を支払うことになれば商社のマージンなど一瞬で吹き飛びます。
納期調整は商社の営業の基本ではありますが、最も重要な仕事と言っても過言ではありません。
2. 納期調整で苦労する具体的な場面
(1) 突発的な短納期依頼
顧客から突然「明日までに必要」といった要望を受けることがあります。
新製品の試作やトラブル対応の際には、非常にタイトな納期が求められることが多いです。
特に納入した製品の不具合が発覚した際は顧客の生産スケジュールに直結します。
不具合品のせいで製造ラインが止まった日数分の損害賠償を請求されることもあるため、迅速な対応が求められます。
メーカーに依頼しても「物理的に無理」と言われるケースもあるため、顧客側、メーカー側への交渉力が問われます。
(2) メーカー側の生産遅延
部品不足や設備のトラブルなどで、メーカー側が当初の予定通りに納品できないことがあります。
「希望通りに納入が難しいです」という連絡を顧客に伝える際の気まずさは営業の宿命です。
すぐに遅延をカバーするための代替案を考える必要もあります。
(3) 複数の関係者の調整
顧客、メーカー、物流業者など、多くの関係者が絡むため、情報伝達のミスや認識のズレが生じることがあります。
「10月納品」という話が、顧客は「10月1日」、メーカーは「10月末」と解釈していたなど、極端な例ですが細かな確認を怠ると大きなトラブルになります。
(4) 大量注文や急な変更
顧客から突然「当初の予定より多く発注したい」「一部キャンセルしたい」といった変更が入ることがあります。
追加注文の場合はメーカーの生産計画に影響を与え、キャンセルの場合は在庫リスクが発生するため、どちらも調整が難しいです。
顧客から既に注文を受けている以上、急な所要変更は受けられない場合もあります。
最大限調整しても難しい場合は顧客に了承いただくための説明力が求められます。
3. 納期調整を成功させるための工夫
(1) 早めの確認と報告
顧客から発注を受けたら、すぐにメーカーや物流業者に確認を取り、納期の目処を立てます。また、顧客には途中経過を小まめに報告し、状況を共有することが大切です。
定期的な納期回答も営業の大切な仕事です。
(2) 余裕のあるスケジュール設定
実際の顧客の希望納期より早めの日程でメーカーへ発注すのもテクニックです。「〇月末までに納品」といった幅を持たせた納期を設定することで、顧客とメーカー双方に余裕を持たせることができます。
(3) 信頼関係の構築
日頃から顧客やメーカーと良好な関係を築いておくことで、いざというときに柔軟な対応を引き出しやすくなります。
信頼関係を築くために、営業として即レスを心掛けたり要求にすぐ応えるなど普段の仕事を丁寧に行うことが大切です。
4. 実際のエピソード
エピソード①:短納期依頼での奮闘
ある日、顧客から「急ぎでサンプルが必要」と依頼を受けました。メーカーに相談すると「通常3日かかる」とのこと。そこでメーカーの工場と物流に直談判し、特別対応をお願いすることで何とか翌日中に納品が実現しました。
顧客からは「本当に助かった」と言われたときの達成感は格別でした。
エピソード②:生産遅延による調整
メーカーから「設備トラブルで納期が1ヶ月遅れる」と連絡がありました。すぐに顧客に状況を説明し、デッドラインを把握。
メーカーへデッドラインを共有し工場とも連携して前倒しを実現。
最終的には顧客の生産を止めることなく納入でき、顧客からは「調整ありがとう」と感謝の言葉をいただきました。
5. まとめ
納期調整は商社営業の腕が試される場面です。
顧客の期待に応えながら、メーカーの事情を理解し、最適なバランスを見つけることが求められます。
時には板挟みでストレスを感じることもありますが、納期を守り、顧客の信頼を得たときの達成感は非常に大きいです。この達成感があるからこそ、商社営業という仕事にやりがいを感じられるのだと思います。
今回は商社営業の納期調整について書きました。
同じような経験がある方や気になることがある方はぜひシェアやコメントいただけると嬉しいです☺️