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クリス/春のめざめ~隠れ名曲、名演コレクション。

 昨日まで、柴山俊之さん作詞、花田裕之さん作曲作品が二日続いたので、今日も柴山俊之さん作詞の作品を取り上げます。
今日の作曲は元頭脳警察のPANTAさんです。
花田さんとはアルバム『PISS』(jaming with 花田裕之名義でした)を作ったり、下山淳さんとはアルバム『FOUR PIECES』に「鉄橋の下で」と「曼陀羅」の歌詞を提供したりとザ・ルースターズとも結構深い関係がある人なんですよね。

 しかも、作詞が西のサンハウスの柴山俊之さんで、作曲が東の頭脳警察のPANTAさんですから、期待するなというのが無理な話です。
でも、映画「ウェンディー」でデビューしたクリスのセカンド・シングルだというのがミソでして、お二方のポップな部分が前面に出ている作品なのでした。
 柴山さんでいえばシーナ&ロケッツ「YOU MAY DREAM」辺りのファンタジックな部分が出ていて、PANTAさんだと堀ちえみさん「幼馴染み」的なロマンティックでメロディアスな部分が出ていますね。

 ちなみにプロデュースはムーンライダーズの鈴木慶一さんで、編曲は同じくムーンライダーズの岡田徹さん。岡田さんはプリンセス プリンセスの名付け親としても知られているように女性アーティストのプロデュースを得意としています(映画「ノーライフキング」の挿入歌を歌ったチロリンやPSY・S、野田幹子さんなど色々と挙げられますね)。
演奏はムーンライダーズ。アルバム『アマチュア・アカデミー』と平行して録音されたせいか、所々で共通するものが見えてきます。
 『アマチュア・アカデミー』本体というより、アルバムの発売記念ライヴと同様にシモンズ(六角形のシンセ・ドラムというべきなのか?「あこがれファンタジア」は特に)が多用されていたり、野宮真貴さんのコーラスが目立っていたりとか。

・クリス『プードル』(BRIDGE-075/BRIDGE)
2006年最新リマスタリング、紙ジャケット盤。
画像をタップすると、クリス「春のめざめ」を聴くことができます。


 クリスの説明というか、紹介をしてみると、原田真人監督作品「ウェンディー」に出演し、英会話本を発売したり、雑誌のグラビアに登場したりと、1984年前後注目を浴びた方なのでしたが、いつの間にかフェイドアウトしてしまいました(失礼!)。
その後、(昔、一番静かな海にいたような)ある俳優さんと結婚したのですが、色々とトラブルがあった模様で、芸能ニュースを騒がせた結果別れてしまったと記憶してます。

 ま、それはともかく、「(1983年に)自分が書いたシングル曲で一番好き」と鈴木慶一さんが「バラエティ 1984年2月号」(角川書店)で答えたデビュー曲の「クリスの日曜日」は慶一さんのコンピレーション『謀らずも朝夕45年』(P-VINE)に収録されています。
ちなみに「クリスの日曜日」が初CD化されたのは、ビクターのレア・トラックのコンピレーション『ヴィンテージ・トラックス』でした(ムーンライダーズ関連~演奏が白井良明さん、岡田徹さん、鈴木博文さん、かしぶち哲郎さん~の竹内まりやさん「ハリウッド・カフェ」も収録してます)。

・「バラエティ 1984年2月号」(角川書店)
画像をタップすると、鈴木慶一さんの連載対談「K1の“胸キュン”シリーズに登場した顔ぶれについての記事を読むことができます。

 クリスもこの連載に登場したのですが、引っ越しで紛失してしまいました。すみません。入手できたら報告しますね。

 楽曲を誰が書いたか、鈴木慶一さんがプロデュースしてムーンライダーズが演奏したよりも重要なのは、クリス自身が魅力的な歌い手であったことですよ。
ちょっと舌足らずな甘い声で歌われたこの曲はクリスならではの仕上がりです。

・クリス『プードル』のレコード評(鳥井賀句さんによる)が掲載された「ミュージック・ステディ 1984年5月号」(ステディ出版)
画像をタップすると、「クリスの日曜日」を聴くことができます。

 アルバムは2006年に再発された紙ジャケット盤がまだ入手しやすいので、興味のある方は是非。13歳のクリスにしかできなかった作品がそこにはあります。
当時、写真集も発売予定だったみたいですが、本当に発売されたかは不明です。英会話入門みたいな本は出ていましたが。

 明日も名曲、名演コレクションを書きたいと考えております。

 ではまたー。

 

 

 


 

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