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泉谷しげるearly daysの巻その3。

・泉谷しげる「わが奔走」(ロッキング・オン)

・「ROCKIN' ON JAPAN FILE」(ロッキング・オン)

 忌野清志郎さんと井上陽水さんはツアーで仲良くなって、二人は近所に住んでいたこともあり、ある日陽水さんから「一緒に曲を作ろう」と誘われたのです。
カレーを作ったり食べたりした後、お互いの曲を披露しあっていた結果、出来上がったのが、後にアルバム『氷の世界』に収録された「帰れない二人」でした。
この曲はスタッフの間でも評価され、シングル曲にという話もありましたが、結局は「心もよう」がシングル曲となり、「帰れない二人」はカップリング曲となったのです。

 アルバム『氷の世界』はミリオン・セラーとなり、陽水さんは大ブレイクしました。
その時期、RCサクセションはバンドとして苦難の時期に突入してしまいます。
ただ、「帰れない二人」と「待ちぼうけ」(清志郎さんと陽水さんの共作)が『氷の世界』に収録されたことによって、清志郎さんに多額の印税がもたらされました。
これによりハモンド・オルガンを購入したり、『シングル・マン』に収録される曲を書いていて、バンドもエレクトリック化する準備を始めていたのです。

・「新譜ジャーナル ベストセレクション '70s」(自由国民社)「甦る!RCサクセション」という記事を再録。

 実はこの『シングル・マン』は1975年発売の予定で色々と進行していたのですが、結局は1976年の発売となってしまいます。
これはホリプロとの契約が残っていたからなのでした。
掲載された記事ではエレキを持った破廉ケンチさん、キーボードを弾いている忌野清志郎さんにまだウッドベースのリンコワッショーさんにサポートのドラムス、ウータン鈴木さんの姿を見ることができます。

・石原信一「吉田拓郎挽歌を擊て」(八曜社)

 一方、1975年にはフォーライフ・レコードが設立されたのです。
CBSソニーにアーティスト&プロデューサーとして契約していた吉田拓郎さん。
自らの活動以外にも猫(という名前のグループ)をデビューさせたりしていたのですが、制作宣伝などでより自由に動きたいという意向を、フォーク界の重鎮的存在だった小室等さんに相談したところ、レコード会社設立を提案され、その方向で動くことになりました。

 二人だけより陽水さんが参加した方が広がるということで、小室さんに陽水さんを誘ってもらうことにし、拓郎さんは泉谷さんを誘った結果として4人が参加することになり、フォーライフ・レコードが設立することになりました。
が、レコード業界からは歓迎されたわけではなく、色々な困難に面して、レコードをプレスしたり販売ルートに関してはポニーに委託することになったのです。(ポニーは当時ミュージック・カセットを中心に販売していて、後にキャニオン・レコードと合併し、現在のポニー・キャニオンとなりました)

 1975年、東芝EMIに所属していたアーティストについて触れますが、まずサディスティックミカバンドがイギリスでツアーを行っています。
ロキシー・ミュージックのフロント・アクトという形でしたが、単独で現地のテレビにも出演したり、一部で注目されますが、11月にはアルバム『ホット・メニュー!』を発売して、バンドは解散してしまうのでした。
ちなみにキャロルの矢沢永吉さんがソロになって音楽性を変えるきっかけは、キャロル時代にサディスティックミカバンドとツアーをした際にミカバンドのパフォーマンスに影響を受けたからなのです。故にレコーディングやライヴにミカバンド周辺のメンバーが参加したのでした。
オフコースは担当ディレクターが交代し、ブレイクまで導いた武藤敏史さんが担当になり、アルバム『ワインの匂い』を長時間のレコーディングの上、完成させ発売します。

 古井戸はエレック・レコードの倒産ということもあってCBSソニーに移籍し、アルバム『酔醒』を発売しました。

 1975年の泉谷さんはフォーライフに移籍して最初のアルバム2枚組の『ライブ!!泉谷』を発売したところ、10万セット(2枚組なので)以上を売り上げます。
このアルバムの演奏を担当したのはジョニー吉永さんが在籍していたイエローと、徳武弘文さん、島村英二さんに松田幸一さんがいたラスト・ショウでした。
イエローとラスト・ショウは単独でもレコードを発表し、イエローは泉谷さんの「国旗はためく下に」のカヴァーが代表曲になっています。
 フォーライフ設立に関しての泉谷さんのスタンスは面白いことをやりたいということが優先していて、ビジネスとして真剣には考えていなかった模様ですね。
その辺が他のアーティストとの意識の違いとなって大変なことになってしまうわけです。
そして、水道橋博士との「異常な対談」でも触れられた刑務所の慰問もこの年なのでした。

 その辺、フォーライフから泉谷さんが抜けることやRCの苦難の時期からの脱出、古井戸の解散などを次回は書きたいと思っています。
拓郎さんや陽水さん、加藤和彦さんやオフコースも書くとすれば延々と続くかも。。
とにかく頑張って書いていきます。


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