茅ヶ崎メモリー~堀江美都子さん三枚の編集盤。
日本で実績、実力ともにトップの女性歌手といえば、まずは美空ひばりさんを思い浮かべる人が多いんじゃないかな?
それには「ちょっと待った!」と言いたい私です。
堀江美都子さんを忘れちゃいませんか?
堀江さんのアニメ・ソングは学芸扱い(通常のレコードとは税率が違って定価が安かったり、色々な事情がある模様)でチャート・インしていないものが多いのですが、「キャンディ・キャンディ」や「ボルテスⅤ」に「サザエさん(再放送版)」をはじめ、ある世代以上には知らない人が少数派という曲が多いですよね。
でも、今回は堀江さんのアニメ・ソングではなく、主にオリジナル・ソング(アニメ・ソングではない作品を指しているもの)のベスト盤や、アニメ・ソングでも代表曲ではなく、現在的視点で選ばれた編集盤についての話をしたいと思っております。
・今回取り上げる三枚の編集盤。
『堀江美都子 オリジナルベスト12』(35C31-7170)
『堀江美都子 オリジナル・ベスト・アルバム』(COCC-11007)
『堀江美都子 レア・グルーヴ・トラックス』(COCX-38855)
画像をタップすると未CD化のシングル曲「誰かが私を待っている」を聴くことができます。
CDは全てコロムビア・レコードからの発売です。
まずは堀江さん最初のオリジナル・ベストアルバム『堀江美都子 オリジナルベスト12』ですが、1984年6月21日に発売されています。
なぜかオリジナル・ファースト・アルバム『EMOTION』と4枚目のアルバム『Weekend』からは1曲も選ばれていないんですよね。
セカンド・アルバム『IMAGE』からの穂口雄右さん作品「少しセンチメンタル」や「二人の夏」に、サード・アルバム『Ready Madonna』からの新田一郎さん作品「今夜はミステリー」に「茅ヶ崎メモリー」のように割とシティ・ポップ寄りの楽曲が多い印象です。
珍しいところではナレーションと楽曲で構成された『ミッチの独言倶楽部』から「November Rainy Day」が収録されたり、オリジナルの代表曲「茅ヶ崎メモリー」のシングル・ヴァージョンが収録されていますよ。
実は後者がCDに収録されているのはこのアルバムだけのはずです。
ちなみに「茅ヶ崎メモリー」を近年カヴァーしたのが、ギャランティーク和恵さんでして、ギャランティーク和恵さんがタイトルを「茅ヶ崎メモリー」にした意味や、最近のライヴをサポートするミュージシャンなど、色々と知りたいことが多いです。
そして、堀江さんのオリジナルのシングルのみの曲(特に初期)はCD化されていない曲がとにかく多いんですよ。
オリジナル・アルバムをボックス・セットにした時、漏れてしまったわけですから、おそらくこれからもCD化される可能性は低いと判断してます。
・堀江美都子『堀江美都子 オリジナルベスト12』(35C31-7170)
1984年6月21日発売。
画像をタップすると収録曲「少しセンチメンタル」のライヴ映像を見ることができます。
次に1993年10月21日に発売されたのが『堀江美都子 オリジナル・ベスト・アルバム』です。
このアルバムは前回のベスト・アルバム『堀江美都子 オリジナルベスト12』と重複している曲は3曲のみ(「茅ヶ崎メモリー」、「素直になれなくて」に「迷路(ラビリンス)」)で、しかもその中の「茅ヶ崎メモリー」はこちらではアルバム・ヴァージョンが収録されてますから、実質2曲の重複ですね。
基本的には各アルバムから2曲選ばれていて、アルバム最後には水木一郎さんとのデュエット・アルバム『Dear Friend』からの曲(「Dear Friend」と「君が創る詩(うた)」)が収録されています。
ちなみにこちらの選曲は堀江さん自身によります。バランスの取れた選曲はそれ故にでしょうね。
・堀江美都子『堀江美都子 オリジナル・ベスト・アルバム』(COCC-11007)
1993年10月21日発売。
画像をタップすると収録曲「茅ヶ崎メモリー」(アルバム・ヴァージョン)を聴くことができます。
最後に『堀江美都子 レア・グルーヴ・トラックス』ですね。これは2014年11月19日発売で、今回取り上げた中では唯一入手しやすいものです。
このアルバムのコンセプトを帯の惹句から引用すると「その歌手人生の初期に焦点を当てた本作は、1000を優に超えるスタジオワークの中から特にグルーヴィーでメロウな作品を厳選し収録した」とあります。
なので、「茅ヶ崎メモリー」などは収録されていないのでした(おそらく初期の作品とは言い難いのでしょう)。
ジャケットやアートワークを含めて、現在流通されているのも納得の仕上がりです。
それにリマスタリングがされてますから、音も聴きやすくなっていますよね。
アニメ・ソング中心の選曲なので、時代を感じさせる作品になるかと思いきや、そんなことはないです。つまり、楽曲のレベルの高さとミュージシャンの方々の演奏のクォリティも高いということです。
・堀江美都子『堀江美都子 レア・グルーヴ・トラックス』(COCX-38855)
2014年11月19日発売。
画像をタップすると収録曲「美しきチャレンジャー」を聴くことができます。
堀江さんのオリジナル・サード・アルバム『Ready Madonna』は新田一郎さんプロデュースの名作で新田さんのファースト・ソロ・アルバム『クールが熱い 新田一郎一番』と比べて聴くと更によさがわかるという作品ですが、そのことに触れたレビューなどがほとんどないことは残念ですね。
(更にマニアだとLady Oh!~ラジオっ娘のアルバムと関連づけて語りそうですが。ちなみにそのアルバム『Lady Oh! First』のアレンジャーは鈴木慶一さんと後藤次利さんで、新田一郎さんは勿論、近田春夫さんに佐野元春さんの楽曲も収録されてます)
堀江美都子さんのアンソロジーをもう一度組み直すのが、無理ならオリジナル曲で『ゴールデン・ベスト』を出してほしいと強調して終わります。ホントならもっともっと語れますけどね。
・堀江美都子「ミッチの独言倶楽部」(近代映画社)
画像をタップすると『堀江美都子 レア・グルーヴ・トラックス』収録曲「野球狂の詩」のライヴ映像を見ることができます。
水島新司さんに捧げます。
これも復刊してほしいなー。近年発表されたアルバムも素晴らしい作品ばかりですので、ひとつよろしくお願いします(って、お前は何者?だ)。
新田一郎さんと堀江美都子さん、Lady Oh!のアルバムについてはいつかまた書きたいと思っております。
長々とすみません。読んでくれた皆さまありがとうございますー。
ではまたー。
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