【詩】ガーネット

小石のような思い出をたくさん抱えて
僕は、よろよろと雑踏を歩いている

抱えきれなくなった
ありふれたその小石を
ぼろぼろと落としながら
少しづつ歳をとっていく

すみません、すみませんと
拾えるだけ拾い直してみるけれど
ありふれた小石を蹴飛ばして
雑踏は流れていく

あれはかつて、ガーネットだった小石
あれはかつて、サファイアだった小石
あれはかつて、ラピスラズリだった小石

ここにあるすべては、
かつて誰かを飾りそこねた
抜け殻の小石

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