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さくらい
2017年8月15日 22:55
←前話「いやー、舞浜くんは変わらないねえ」夕日のように赤くてかてかした顔をくしゃくしゃにして、教頭先生は笑った。お酒の匂いがふわりと立ち上る。先生の行きつけの居酒屋「いわし雲」は、路地裏にこじんまりと佇む店構えのせいかお客は僕らしかいない。まさに頑固親父という感じの無口で強面の店主が、何かを刻むトントンという音だけが店内に響いている、そんな店だった。しかし、先生のおすすめだけあって