【小説】バイキンを叩くゲーム
明日彼が来れない、とわかったときから、私の足は使命感のようにゲームコーナーを目指した。普段敬遠するこの場所は、ひたすらに雑多返して、馬鹿みたいに音量が大きくて、娯楽にのめりこんでゆく人間臭がたちこめている、気がする。今は別に気にならなかった。どころか、苛立たしい腹の内の置き所がここであるかのようにぴったりとはまった。隅から隅まで探し、探し、儲けのない賭け事からUFOキャッチャー、プリント倶楽部までぐるりと回り、ちゃちなバッティングセンターで空振る子供を覗き込んでから、ようや