サブスク時代の音楽の聴き方、近さ、濃さについての雑記
新しい音楽との出会いのガイドとなるのは雑誌のディスクレビューよりもプレイリストだと、前回のnoteで書いてみた。
昨年の今頃は、プレイリストで聴くよりも好きなアーティストをアルバム単位で聴いた方が良いに決まってると思っていたのだが、今やすっかりプレイリスト中心の音楽ライフを送っている。
自分の1週間のサブスク生活のよくあるパターンを載せてみると、
新譜がリリースされる水曜日と金曜日を中心にSpotifyのプレイリストを流し聴きして、気になる曲をチェック。
よく使うのはこの辺↓
これらのプレイリストでハマった曲がアルバムの曲だったらアルバムを聴く。話題のアルバムや好きなアーティストの作品であれば最初から作品単位で聴く。
シングルはいかんせん1曲で終わってしまうから、プレイリスト以外ではなかなか聴く機会が作れない。あとで昔の曲と合わせて掘り下げようと思って実現出来ずに日が経ってしまうことが多い。
また、良かった曲をを記録するために月別で自分用のプレイリストを作ってそこに放り込んではいるのだが、それを聴く時間があるかというとそうでもなかったりする。
そんなこんなで1週間を過ごして、気になる曲を完全には消化し切れずに次の新譜がリリースされる。
ざっとこんな感じ。きっと無意識のうちに同じような状況になっている人も多くいると思う。
この1〜2年でじわじわと、しかし劇的に音楽のリスニング環境は変化した。
日常に音楽が入り込む時間は圧倒的に増えたし、興味の幅も広がった。軸足を置いているジャンルはあれど、ジャンルも国境もボーダーレスに越えれるようになった。
アルバムも10曲3~40分ぐらいのボリュームなら移動時間などを使えば今も通して聴ける。
以前に比べて音楽を聴いてる時間が増えた訳では無いと思うけど、今の方が音楽が日々の生活に浸透しているような気がしている。音楽が身近にあってとても豊かな環境が手に入るようになったなーと思う。
一方で、本当にハマりそうなアーティストに出会うのがとても難しくなったように感じる。自分の感性が鈍くなったのかもしれないけど。
楽しめる音楽の幅は広がったけど、フィジカルで作品を購入したり、単独ライブを観たいと思うアーティストは正直な話昨年からほとんど増えていない。
自分で選んで聴いている実感が感じづらくなっているし「今1番聴きたい音楽は何なのか」が気付かないうちに分からなくなることもある。
近さを貰った引き換えに音楽ファンの1人としてアーティストや作品に何を返せているか。消費するように聴いていないか。
そんなことを問いかけながら、音楽をより手軽にかつより深く楽しむことを考えている。表面をなぞるのは本当に誰でも出来る時代になった。
身近になったからこそ、自分の軸や価値観を磨きながらアーティストや作品を選ぶことも大切だと思うし、選び抜いたモノとヒトに深くエンゲージしていくことを諦める気はないのだ。