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スライドがみるみる早く書けるようになる3つのポイント

私はパワポのスライドを書くのが早いです。

チームメンバーから「佐藤さんがパワポを立ち上げたら、印刷のスタンバイするわw」とイジられるくらい早いです。

もちろん「早いこと」と「いいスライドを書くこと」は違います。

が、早ければ考える時間も増えるし、量をつくる中でいいスライドができることもあるので「ある程度は早さも重要」というのが私の考えです。

今日は、私がスライド作成で困っている人によくお伝えしている3つのポイントをご紹介したいと思います。あくまで私のやり方ですが、困っている人の参考になればうれしいです。

※今日の話はいわゆるコンサル的な、一定量のファクトとメッセージを伝えるスライドパッケージの話です。デザイン性の高いスライドの作り方や、ピッチコンテストのプレゼンなどは、またポイントが違います。そういう内容を期待されている方は、他の記事を参考にされてみてください m(_ _)m

※ショートカットを覚える、クイックアクセスツールバーをセットするといった環境設定まわりの話は今回は飛ばします。

1. オリジナルを生み出そうとしない

スライドは、基本的には数パターンの論理構造しかありません。

ものすごくざっくりですが、私はだいたい次の6パターンでいける感覚です。

整理 概念 変化 対比 ステップ マッピング

この6つくらいは、スライドのパターンをあらかじめ用意しておくといいと思います。

ひとつ注意が必要なのは「概念」のパターン。上記ではさらっと書いてしまったのですが、概念はいわゆる「お絵かき」なのでなかなかパターン化が難しいです。

これも無理矢理オリジナルを生み出そうとせずに、いいなと思う概念図やスライドをストックしておくといいです。パッと思いつくのは「ベン図」「グッドサイクル」「マトリクス」「土台と上モノ」あたりでしょうか。

スライドをストックするときの注意

ただ「なんか使えそうだな」と思ってストックしても、意外に使う機会がなく、お蔵入りになってしまうことも多いと思います。

なぜお蔵入りになるかというと、伝えたい概念について思考が足りていないからです。

まず伝えたい概念があって「これはどうやったらうまく伝わるかな?」という問いが出てきたときに、はじめて「この表現が使えそう!」とあてはまる表現がわかってきます

コンサルの先輩のスライドにも「これかっこいいからどこかで使いたい!」と思うものってあります。

でも、自分の思考が追いついていなかったら、かっこいい表現っていつまでも使えないです。

まず、なにを伝えたいかをしっかり考える。形や表現はそれを伝えるための手段にすぎません。

2. いきなりパワポに書かない

私はパワポに入る前に、かならず紙に「手書き」します。

まず、1スライド1メッセージになるようにスライドの流れを紙に書き出します。そのあと1枚1枚のスライドの構成をざっくり紙に書いていきます。

なぜ紙でやるかというと、書き加えたり消したりしやすいですし、全体の流れも見やすいからです。

特に前述の「概念」を考えるときは、紙の上でペンを動かしていろいろ書いているうちに思考が進みます。私はこれをパワポでやるのは無理です。。

よく使っているのは、A4のペリペリはがせるプロジェクトペーパー。これに書いて、はがして、並べ替えて、を繰り返して構成を考えていきます。

余談ですがペンはVコーンがおすすめ。サラサラかけるので思考を邪魔しません。

紙にキレイに書く必要はぜんぜんないです。紙でやるのは、あくまで思考の整理。

だから実際にパワポに書いたときに、レイアウトが微妙だったり、流れがうまくつながらないときもよくあります。

そしたらまた紙に戻って手書きで思考する。この繰り返しです。

パワポって、あくまでプロダクションの道具にすぎません。プロダクションの前の「思考」をいかにしっかりやるかで、プロダクションの効率は大きく変わるはずです。

小さいパッケージで練習する

思考の練習でおすすめなのが、数枚のスライドパッケージを書いてみることです。

私は新人のとき、先輩にこの練習をやってもらったおかげでスライドに自信がつきました。

当時担当したのは、事例の調査結果を伝えるパッケージをつくること。1事例5枚〜10枚くらいの分量で「いちばん伝えたいメッセージ」を言うためにサブメッセージとファクトをどう並べるかを考えました。

パッケージをつくっては印刷して持って行って、赤ペンでフィードバックを書いてもらう、の繰り返し。

1枚1枚のスライドのクオリティが上がるのはもちろん、構成についても「やっぱりこの順番がいいかな」とか「この話が入ってないとつながらないね」みたいな感じで、アウトプットをもとに一緒に考えることができました。

先輩は3〜5往復くらい赤入れしてくれました。そこまでていねいに時間を使ってくれた先輩には頭が上がりません……。

1枚のスライドをキレイにつくる練習も大切ですが、それだけだと全体の流れを考える練習にはなりません。「パワポが得意!」という感覚はなかなか身につかないと思います。

3. 一度つくったものにこだわらない

先輩が何往復もフィードバックしてくれた話にも通じるのですが、一度つくったものにはこだわらずにすぐ捨てるのが大切です。

最初から思った通りにプロダクションして完成品になったことって、たぶん1回もないです。

つくってみると「なんか違うな」というポイントが見えてくるはず。そうしたら容赦なく捨てて、またつくり直します。

この繰り返しでしか思考は進みません。

がんばって考えたものは、やっぱりなかなか捨てられないもの。でもそこはバッサリいきましょう。

つくったら捨てる。すぐ捨てる。容赦なく捨てる。

軽々と捨てられるようになるためにも「手書き ⇄ パワポ」をすばやく行き来できるようになっておくといいです。1枚を書くハードルが低ければ、捨てるのも簡単になります。

あなたがスライドを説明するのではない

むかし先輩に言われて印象的だった言葉があります。

「君がスライドを説明するのではない。スライドが君を説明するのだ」

スライドに書いてあることを説明する。それがコンサルタントのプレゼンだと思っていました。

でもほんとうは逆なんです。

まず私の伝えたいことがあって、その補助をしてくれるのがスライドなんです。

そう考えると、スライドをつくるときの心持ちも変わってきます。「納品物をつくる」ではなくて「相手に伝えたいことを考える」という感じになってくるんです。

もちろん、パワポを使うすべての仕事がそうだとはかぎりません。仕事の内容によってパワポの資料の意味合いは変わってきます。

ただ「スライドが私を説明するんだ」と思っておくと、スライドをつくっては捨てるの繰り返しも、ちょっと明るい気持ちでやれると思います。

スライド作成に自信を持てる人が少しでも増えれば幸いです!

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