難病の話

難病と言っても色々ある
今となっては公費扱いとなる病気も多い
私も4年ほど前に難病の診断を受けた

父はALSと診断され
いわゆる人工呼吸器の装着を希望せず
呼吸不全で他界した
56歳だった
ALSも立派な難病である

父は健在の頃
二型糖尿病となり
胆石発作を起こし胆嚢摘出術を受けた
胆管がんも患ったが手術でほぼ完治した

そんな父の子である私だから
そこそこ注意してはいた
まぁ肥満ではあるが…笑

ところが4年前
突然右季肋部に激痛が走った
一瞬で頭をよぎったのは
「胆石発作か!!」だった

寝ても醒めても痛い
のたうち回るほど痛い
泣きたくなるほど痛い
耐えられず自分の職場でもある病院へ行き
外科を受診しすぐにCTを撮った

外科医
「俺も胆石かと思ったけど違うな…」
胆嚢はきれいだった
右腎臓が少し大きい?
でも痛い病気じゃない
病名不明のまま仕事もこなした

整形病棟だった私は痛がりながら仕事をした
すると整形外科常勤医が
「おめー、いてーいてーうるせえな
俺は脊椎しかわからんから脊椎のCT撮ってこい」
と言って伝票を出した

撮り終わったと報告したところ
「ちょっと真面目な話になるな…」と
医師から言われたのだ
背筋がヒヤッとした

黄色靭帯骨化症と後縦靭帯骨化症の
難病のダブルネームだった
神経障害を起こし肋間神経痛を発症
そりゃロキソニンでは効かないわけだ
そして医師から言われた言葉は
「まあ10年後くらいに歩けなくなるかもな!」
だった

すぐにトラムセットとリリカの内服開始
トータル1ヶ月の休職
その時の上司に仕事復帰できないかと言われ
医師からは痛み強ければ麻薬使えとも言われ
最終的には上司に「もう来なくていい」
的なことも言われたし
身内からは金の無心をされ
この頃は散々だった

10年後に歩けなくなる
こんなパワーワードだが
今は元気に歩いている
その医師の言うとおり
歩けなくなるかもしれない
私の残りの看護師人生
どんなふうに過ごすべきか
たくさん考えた

その時思ったのが
看護師が気持ちよく働ける環境づくり
仕事が楽しいと言える職場の雰囲気づくり
その手伝いをしたい、であった

まずは私の得意分野である
「退院支援」を各病棟に伝授すること
医療だけでなく介護の知識も取り入れて
在宅環境の整え方
施設とのスムーズなやり取りの道筋を作る

そんなことをやってるうちに
管理業務に興味を持ち出した

そう
今の私があるのはこの難病があったからだ
現役看護師としては短命でも
現役看護師をサポートすることは出来る
私のスイッチが切り替わった場面だった

そしてこの3年後
新たな病魔が私に降り掛かる
それはまた別のnoteで…

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