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東京の徳島
もし、都内に住まなくなったら泊まってみたいホテルができた。
渋谷から私鉄で一駅、いきなり住宅地な細い露路の奥まったところにある。
徳島のことを調べていた。徳島のことを東京で知るには有楽町の交通会館にアンテナショップがある。もうすこしググっていたら出てきたのが”TurnTable”という渋谷の端っこにあるレストラン。徳島の食材をつかった料理を出している。ランチは割と高めで2,000円位する。夜は鍋やお刺身。どんな場所なんだろう、と思いたって出かけてみた。
駅からGoogleマップをたよりに、それでも道に迷い歩くこと10分。3階建のビルの前はオープンテラスでお店の人が閉店15時間際で片付けをしていた。入口には、徳島の名産藍染の暖簾が優しくユラユラしていた。
「お店で食材買えますか?」スタッフの若い女の子に尋ねると、
「もちろんです! マルシェのお客さんです!」、とにこやかにドアを開けてくれた。
お店に入ると、奥の方にわらわら人がいる。賑やかというのではなく上品にお茶やビールを飲みながら楽しそう‥
パブリックビューイングでした。
サッカーらしい。お店の人に聞くと、通常はカフェスペースで時々パブリックビューイングをやるという。今日は、徳島のプロリーグ、徳島ヴォルティスの中継だった。とても大事な試合でいつもより人の入りが多めだという。普段は、この近所に住んでいる人、サッカーファンの人、それから徳島の出身の人が集まるそうだ。
パブリックビューイングと化したカフェの手前はマルシェ。
徳島産のお野菜が所狭しと並んでいる。肉厚な椎茸は380円、実は徳島は日本一のしいたけ生産量、きゅうりは3本160円。渋谷という土地を考えたら、悪くないんじゃないの。もちろん徳島ビール、お茶、お菓子やらも置いてある。
レジでお会計をしながら、ニコニコ話してくれた2人の女の子、厨房とカフェを行き来していた女の子は徳島出身、もう1人の女の子は徳島南部の美波町出身だった。
ビルのもう一つの入り口はドミトリー型のホステルになっていた。相部屋のドミトリー、シングル、大勢で泊まれる部屋もあるらしい。ウェブを後から見てみると藍染の藍が部屋のインテリアに、共有スペースも藍色に統一されていた。
観光客、以前は外国から、都内在住者も泊まりに来るらしい。
お部屋のドリンクは、阿波番茶。徳島産の乳酸菌を使った発酵茶、徳島のお茶菓付き。
共有スペースには読書スペースもあるらしい。全国でも宿泊付アンテナショップはここが最初だとか。
徳島で見る徳島、東京でみる小さなスペースにキュッと詰め込んだ徳島。詰め込むことで、見えてくるものもあるのかもしれない。