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青桜さら/久稀
2018年8月31日 00:43
「となり里から参りました、雪乃(ゆきの)でございます」 凛としたあたりに響く声。女性は巫女の服装をし、湖の淵に立っていた。「里神からの手紙を預かってまいりました」 これが雪乃との最初の出会いだった。*** 近くにある里の神は、何度もこちらにお願いをしに来ていた。『もう自分には里を守る力はない。存在自体が尽きる寸前だ。たのむ、後任を……』 何度も断っているのに、今回は巫女とはいえ……人