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宿から宿へ
宿から宿へと移動する
雨降りだから傘をさしてく
古巣から歩いて10分
わりと近い
慣れてしまえば
新しい家主もすぐに空気
溶け込むよ
いつだって
吸って吐いて
同じ匂いの通り道
きみとわたし
食道を通り胃袋を通って
あとは下水に流れる
きみとわたしの中
おなじ食べ物が通る
新しい暮らし
寂しさを埋めるためだけの
新しい暮らし
繰り返している
何回夏が過ぎただろう
いつかわたしは
ここを去る
その時きみは
いつかの誰かみたく
わたしを引き留めるだろうか
宿から宿へ
明日こそはきみを連れていきたい