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行きつけのお店が閉店した話
仕事のある日のランチに、毎日のように通っていたパン屋が閉店した。
コーヒーや、紅茶なども提供をしている、カフェもあるパン屋だ。
おしゃれさは無いのだけど、ドリンクを頼むと安くなるサービスもあり、パンはシンプルだけどおいしい。夕方くらいにカフェとして、チョコドーナツにコーヒーの組み合わせも定番だった。
毎日のように行っているので、スタッフさんにも認知されるようになった。
ひとり、土日シフトにはいっている若いアルバイトの子がいて「チョコ好きなんですか」と言われたりするのが少し気まづくもあった。
そのお店が閉店した。愛嬌のあるアルバイトの子も「このお店、閉店しちゃうんですよ」、「あと1週間で閉店です」等と、ちょっと残念そうに言ってきた。
閉店したら、私はどこでランチしたら良いんだろうか。
私は飲食店が多くはいっている場所で勤務をしているので、ランチができる場所はいくらでもある。
ただ、お昼からガッツリ食べる習慣がなく、コーヒーを片手に、パンをつまむスタイルが定番だった。そうなるとお店は自然に限られてくるのだ。
行きつけだったカフェの近くにあったスーパーがパンも販売しており、イートインスペースがある。そこを定番にしよう、と思った。
何度か、新しい「行きつけ」「落ち着ける場所」を求めて、そこに通ってみた。
パンもあたためてくれず、コーヒーもセルフ。そして寒い。何か違う感が大きく、寂しく感じた。
行きつけカフェが閉店し、新しく行きつけにしようとしたが、しっくりこない感がある中、その流れとはまったく関係ないが、体調を崩した。ただ、ひとりベッドで静養している中で、やっぱり心落ち着ける時間、空間って重要だと感じていた。
ちょっと遠いけど、別のカフェに行ってみようかな。あの「クロワッサン」で有名なカフェ。ランチタイムのリーズナブルなセットもある。
何度か足を伸ばした。土日は混雑して注文まで待たされることはあった。
ただ、あたたかい空間で、誰からも見られない奥まったスペースもあり、あたためてくれるパンも美味しい。もちろん、あの定番の「クロワッサン」も。
休憩を終えて、仕事に戻るときに、リセットしたような心持ちになれた。
今はどこか、ほっとしている。自分の逃げ場を見つけられたような気がして。やっぱり自分には、美味しい食事と、一息できる心地よい空間が必要だと感じた。
行きつけのお店が閉店し、心安らぐ空間の必要性を実感した話。