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5章 おわりに|ニューロマン都会編

修了作品の「ニューロマン」は、2章から4章で述べた都会の生活の中で感じてきた現代の問題点について自身のライフスタイルを用いて提案していく表現方法である。

「都会編」では営業時代に現代社会に疲れ、高度経済成長期に憧れるようになった私が、過去が良かった時代だとするならば今日より明日がもっと悪くなるばかりだということに気づき、高度経済成長期のまぼろしを売る屋台を作って街中に飛び出して仲間を見つける。誕生から現在までのストーリーを盛り込んだ短編ドラマだ。

「国際編」は未来への展望のため未だ見ぬストーリーではあるが、国際的な問題である過剰な大量生産・大量消費や自国の風土に合った生活の提案を行う仲間を見つけ、表現範囲を広げていく内容だ。

「移住編」では父が継がなかった長野県の家に移住し、自営業を営みながら自給自足に近い生活をおくる。都会の生活の中では提案することのできなかった食と住居の問題に対しての提案を行う。

「ニューロマン」の目指すものは生活と芸術の一致だ。
19世紀のアーツ・アンド・クラフツ運動でウイリアム・モリスが提唱した生活と芸術の一致は中世の手仕事に帰ることであったが、産業革命から200年が経過し、安定した品質の製品が広く一般に普及した現代では大量生産による恩恵を捨てきることはもはやできない。

大量生産によって豊かになった生活を民主主義時代の産物として尊重した上で過剰な大量生産を否定し、現代において日本古来の豊かさを感じながら生きるライフスタイルを提案したい。


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