見出し画像

【お金×こころ】幸せの正体とは?

幸せは、人生の意義であり、目的であり、人間が究極的に目指すものである

アリストテレス

幸せについて考えてみたいと思います。
いや~、どでかい上に、捉えどころがないテーマ(笑)
でも、アリストテレスの言う通り、幸せこそが人生の究極の目的であるとすれば、最も考える価値のあるテーマだと思います。


いろんな切り口から見ることができるテーマですが、今回は私がとても影響を受けた、以下の本を参考に、自分なりの解釈を交えてお伝えします。

ハーバード大学教授の、肯定心理学(ポジティブ・サイコロジー)という分野の考えをもとにしています。
とても分かりやすく、幸せというものが、捉えやすくなります。


幸せの定義


本書では、幸せを以下のように定義しています。

【喜び】と【意義】の同時体験

また、喜びや意義について、このように説明されています。

喜び = 現在の利益
意義 = 未来の利益


つまり、幸せとはこういうことです。

現在の利益(喜び)と、未来の利益(意義)を同時に満たしている体験


4つの幸せモデルについて


なぜ著者が、幸せを上記のように定義づけたかは、以下の図を使って説明します。

4つの幸せモデル


上記の図でいえば、「至福型」が幸せの状況に該当します。

①出世競争型 
 未来の利益(意義)〇 /現在の利益(喜び)×
②快楽型   
 未来の利益(意義)×  /現在の利益(喜び)〇 
③悲観型   
 未来の利益(意義)×  /現在の利益(喜び)× 
④至福型   
 
未来の利益(意義)〇 /現在の利益(喜び)〇 


この中で、よく陥りがちなのが出世競争型だと思いますので
こちらを深堀してみます。

出世競争型について


未来の利益(意義)〇 /現在の利益(喜び)× 

出世競争型

たとえば、受験勉強中の学生がいたとします。
「学校に行く目的は良い成績を上げること。それが明るい未来につながるのだ!」と考えていて、一方で、「勉強自体を楽しんでいない」ケース。

これは、未来の利益のために頑張っていて、今の喜び(現在の利益)を感じていません。


なぜ出世競争型の人間は幸せではないのか?


それは、彼らが目の前の仕事や活動を楽しめないでいるから
そして、「目的地に到達しさえすれば、永遠の幸せを手にできる」という誤った信念を頂いているからです。

実際は、がんばって未来に辿り着いても、喜びはすぐに消え、どこまでいっても幸せが得られません。

がんばって目標を達成すると解放感を感じて、「これでやっと、幸せになれる!」と思いますが、すぐに喜びは消え、長年にわたって感じ続けてきたのと同じ不安に取りつかれます。

目標の大学に入ったら次は、「一流企業に入るために良い成績を収めなければ!」
一流企業に入ったら次は、「社内の競争に勝って出世しなくては!」
・・・以下、同様のことを続けていきます。

「いつか〇〇になれば幸せになれる」を常に追い続けるわけですが、〇〇の姿が変わるだけで、幸せはいつまでたっても訪れません。未来に幸せがあるということ自体が幻想だからです。
幸せはいつも「今この瞬間」にしかありませんが、未来の幻想を追っているので、今を楽しむことに意識がいきません。未来に辿り着いても、その先の未来を追うだけです。


なぜ出世競争型に陥るのか?


我々が生まれ育つ環境も大きく関係しています。

人生は旅の連続で、私たちは常に、特定の目的地に向けて旅をしています。
多くの場合、親や周りからの期待やプレッシャーという重い荷物を持った旅です。

小さい時から、目的地に到達したとき賞賛がもらえることを経験します。
この世界では、「結果」を手にしたときに賞賛がもらえ、重い荷物をようやく下ろせる解放感を感じます。

このように目的地に到達すると、賞賛がもらえる気持ち良さや解放感を感じますが、この解放感を幸せだと誤解します。
これは束の間の体験ですから、また解放感を求めて次の旅を繰り返すわけです。

この解放感は麻薬のような依存性があります。
一方、旅自体の「過程」を楽しんでも周りからの賞賛はもらえませんから、物足りなさを感じ、今をがまんして目標を達成することが習慣化されていきます。
こうして、出席競争型の生き方が形成されていくのでしょう。

幸せな成功者と不幸な成功者

今まで私はFPとしてたくさんの成功者に出会ってきましたが、2つのタイプに分かれました。それは、「幸せな成功者」と「不幸な成功者」です。

不幸な成功者のほとんどは、出世競争型でした。
彼らは富も社会的地位も手に入れているのに、心はどこか空虚です。多くのケースでは、家族との関係が不仲だったりプライベートがうまくいってません。空虚な気持ちや不安を埋めるために、次の目標へ向かって走り続けます。

でも成功者が必ずしも出世競争型人間というわけではありません。目の前の仕事や体験を心から楽しんでいる幸せな成功者もいます。それは、やはり至福型の人でした。


ちなみに私は20代まで、完全に出世競争型でした。
30代からは、仕事は至福型になりましたが、お金に対しては出世競争型でした。

「お金持ちになれば幸せになれる!」と思っていたのです。
だから、お金を稼ぐことに夢を見て、未来ばかりを見ていました。
今思えば、もっとお金を使う喜びを味わったり、目の前の些細な出来事を楽しめばよかったなぁと思います。

30代後半で実際に一定の資産を築いた後、達成感や喜びは束の間で消えて、その後ものすごく不幸せな気持ちに襲われました。
初めてそこで、「お金持ちになれば幸せになれる」ということが幻想であることに気づきました。

※ライフストーリーの第三章11話~17話が参考になると思います。
 ➡ダークサイド編(30代後半)
  Life Story 11:ようやく目標にしていた経済的成功が叶った!











この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?